Monthly Free Magazine for Youth Culture
ROOFTOP 2006年2月号
YOUNG PARISIAN

禁断のグラムロック・バンド、華麗なるデビュー!!

 キミは「グラム」や「グリッター」、「キャンプ」という世界を知っているか。そして、それらの言葉を聞くと胸が躍るか。もしキミが今それらの言葉を知らなくても、多分問題はない。映画『ベルベットゴールドマイン』で知った程度でも問題ない。何故ならば、この2月末にTIME BOMB RECORDSより発売されるYOUNG PARISIANのファースト・アルバム『ヤングパリジャン その華麗なる世界』でキミは文字通り、その華麗なる世界を真髄まで体験することになるのだから。(interview:HOLLIE)

*T=TSUNEGLAM SAM (vo), K=KEIJI RONSON (g), C=CAR ALL (g), M=MARSHA (b)
*HERO THE KNACK (ds) は欠席

「TIME BOMBからリリース、SHELTERでレコ発」が最高

──結成4年目、このファースト・アルバム発売に至るまで、今までどんな活動を?

T:活動? う〜ん…ヒトのライヴに行って騒いだり、打ち上げ行って騒いだりとか、レコード買ったりとか…。

M:ロックTシャツ着たりとか(笑)。

──元々、結成の経緯はライヴで知り合って〈注1〉。

C:うん。ライヴ観てたら「バンドやりてぇーなぁ」と思うわけじゃないですか、普通。やりたいと思うけど……やってみたら意外と大人しいんだよね、俺(笑)。

T:ははは。(最初は)ただスタジオに入ろうって言ってただけで、そしたらライヴ予定が決まって、気が付いたらオリジナルが出来て……アルバムが出来てた。好きが余って、ついやってくうちにこうなったね。

──今回が初の作品じゃないですよね。

T:でも、まぁ、最初は記念レコーディングです。オリジナルじゃないですから〈注2〉。で、次〈注3〉はオリジナル出来たから録ってみたいと。俺は曲を作った時にライヴでやってる音じゃなくてレコーディングした音が思い浮かぶのよ。だから例えば『SPARK』で入ってる時計の音とかも曲作った時にアタマに鳴ってた。

──2枚目のCD-Rが初のオリジナルってことで、その時点で「これで行くぜ」みたいのは?

K:これで行くぜじゃないけど、アレでやっぱ変わりましたね。自分で聴いて満足出来るものが作れるんだって。アレを録ったことによって、「俺ってギター弾けるんだ」って。

──多分、買う側からしても「新しいバンドが出てきた」っていう感じがあったと思うんですよ。

T:そうだよね。でも全国的に言えば、今度のアルバムがそういうことになるのかもね。今までのCD-Rはほとんど流通はしてないから。

──局部的に。

T:そうそう。でもあれを『DOLL』でレビュー載せてもらった時に九州や札幌の人からメールが来て、「欲しいです」と。そういう俺らの顔も知らない人も聴いて、良いって言ってくれるんだっていうことに驚いたし、未だにちょっと信じられないとこがあるよね。

C:地方行く度に信じられないもんね。本当にいいのかなって(笑)。

──では、その次が…。

T:K.O.G.Aの『8 BEAT DUDES』〈注4〉。3バンドとも好きなバンドですから…俺らも入れてくれよ、と(笑)。で、決まってからいきなり作ったんだよ、「SNAZZ SHOW」を。俺は歌いたいテーマがないんですよ。あるとすればSUPERSNAZZが好きですとかそういうことだけで。だからあの曲を作って録って…。(ここでCAR ALLが何やらウロウロしだす)

──なんかウロウロしてるんですけど(笑)。

T:落ち着いて!(笑) あと、これは三原さん〈注5〉が録ってくれて。普通の練習スタジオで録ったんだけど、勉強になったな。ちっちゃい音で録るとかね……(ここでCAR ALL何故か突然退室)なんでいなくなるんだよ!(笑)

──そして今回、ファースト・アルバムにしてレーベルの争奪戦があったということなんですけど、なんでその中でTIME BOMBを?

T:「ファーストはうちから出そう」って結成当初から言ってくれてたし、多分ミンナそうだと思うんだけど日本一好きなレーベルですよ。俺らの共通する好きなバンド、MAD3、SUPERSNAZZ、5678'Sを出してるし。

──その辺はむしろバンド組む前からバンドやるんだったら?

T:もちろん、もちろん。「TIME BOMBからリリース、SHELTERでレコ発」っていうのがやっぱり。SHELTERでやれることほど嬉しいことはないな。

C:(ヒトのライヴの)打ち上げでステージ上がってウエー! とか言って喜んでたくらいだし。

T:エアギターやってな(笑)。俺ら、SHELTERに青春があると言っても過言でないからね。旧LOFTはよく知らないしさ。LOFTはどっちかっていうと今のバーステージの方。だから俺らのロックンロールはSHELTERにある……まぁ、そういうバンドは他にもいっぱいいると思うけど。それを下から見てた立場でしょ。あそこに上がりたいとずっと思ってきてたし。そこに自分らのレコ発で上がれたら…。

M:ねぇ。最高だし。

T:で、そのレコードがどっから出てたら嬉しいかって言ったらTIME BOMB。…もう全部叶ったな。もういいんじゃない(笑)。ホント嬉しいよ。あそこで打ち上げ出来るし。キムチチャーハン食えるし。五味くん〈注6〉が照明やってくれたらもっといい…って書いといて(笑)。俺達はSHELTERで出会ったから、いつかSHELTERの曲作りたい。CBGBとかMAX'S KAとか外国のもんだから凄く伝説になってるけど、俺らにはSHELTERがある。あそこでMAD3観たし、GUITAR WOLF観たし、TEENGENERATE観たし、あそこが一番自分達に影響を与えてる場所かも。

──目標にしてるバンドは?

K:俺はMAD3。常に。目標っていうか……ライバル(笑)。MAD3みたいになりたいからやってるんだもん。あんな風になれたら死んでもいいよ、ホント。それはある。

T:あと、FIRESTARTERとやれるっていうのは俺は凄い…嬉しいなぁ。まさか一緒にやれると思わなかった。

C:俺達みたいの大嫌いだと思ってたもん。

M:うん。クソミソに言われるんだと思ってた。

C:“キースリチャーズマン”って俺のことかと思ってた(笑)。

T:俺もドクロの指輪してるしさ(笑)。

C:オマエだ! キースリチャーズマンって(笑)。


抵抗のある人は一生聴くな! 触れてくれるな!

──今度はじゃあ、その発売されるアルバムについて。何かコンセプトみたいのはあって?

T:まぁ、どっから切ってもグラムロックにはしたかったですよ。あと、今までの音源を振り返って聴いて、どうもシャリシャリしたカンジがして。デジタルっぽいっていうか。まぁ懐古趣味と思われても構わないんだけど、自分が普段聴いてるT-REXだったりDAVID BOWIEだったりALICE COOPERだったり、そういう音触にしたかった。自分の好きな音に。それがコンセプトと言えばコンセプト。あとは……。

K:ファースト・アルバムを作りたかった。ファースト・アルバムらしい。NEWYORK DOLLSのファーストとか、『JACK THE VIOLENCE』。

T:セカンドだとやっぱりファーストと違うことをしようとか、バンドの幅を広げようとかあるでしょ。セカンド・アルバムの美学も凄い好きなんだけど、でもやっぱファーストって最高だよね。『DAMNED DAMNED DAMNED』とか。まぁ、登場感ですよ。「ヤングパリジャン登場!」って『ミュージックライフ』の広告が目に浮かぶ感じ。

──じゃあそのアルバムの中で、特にココを切り取って自分達が提示したいこと、コレを聴いてくれとか、曲単位でもいいんですけど。

M:歌とギターとコーラス。この3人。もう、3人がうちのヒット作。ロック・バンドは歌が良くてギターがカッコよくてっていう意識が俺は凄いあって。ちょっと古い世代のロックばかり聴いてたから。やっぱギター・ヒーローがいて、ヴォーカルがカッコ良くてっていう。

C:俺はギターの絡みとか……って、絡んでねーか(笑)。あ、でも……絡んでねーな。

──「あ、でも」って(笑)。

C:ていうか、未だに新しく違ったフレーズ入れようかなってのはあるッスよ。売りどころは…これからまだちょっと探ってるとこで。

──いや、もうアルバム出来ちゃったじゃないですか(笑)。

C:あ、もう出来ちゃった?(笑)

──もう出来て。こっからもういじれないでしょ(笑)。

K:CAR ALLは「GLAMOUR TOKYO」が1曲目がいいって言ったんだけど、俺は「GLITTER SATELLITER」を1曲目にしたくて。アレはギターの音から始まる曲なんだよね。俺はロックはギターだと思ってるから。『STICKY FINGERS』も『TATTOO YOU』もギターから始まるアルバムだし。

T:俺はJOBRIATHのカヴァーが入ってるってとこ。そんなバンドはカッコよすぎる。JOBRIATHのカヴァーやってるバンドなんかいたら俺は大ファンになるね。これは歌詞にリトル・リチャードとかビル・ヘイリーとかローリング・ストーンズが出てくるんだよ。グラムロックってさ、ロックンロールの現在・過去・未来が入った音楽だと思ってるし、特に50年代、60年代、もっと言えば40年代以前のキャンプなカンジとかも全部入って、尚且つパンクのルーツであるのがグラムロックでしょ。そういう良さが入った曲だし、自分らのやりたいことを代弁、表現してくれる曲。出来れば原曲も聴いて欲しいね。

──じゃあ最後の締めとして、レコ発のライヴがあるわけですけど、それへの意気込みを。

M:是非とも舞い上がってる僕達を観て頂ければ。最高な場所で最高なライヴをやります。是非とも来て下さい。

K:ライヴ来ないと始まんないような気するんだよな、何も。チャンスにも巡り合えないし。

C:そうだよね、俺らなんてライヴで出会って、こうやってバンドやってんだもんね。

K:だから、ライヴハウスはロックが好きなヤツにとっては一番最高な所だと思う。それがSHELTERだったら尚更いいでしょ。世の中で一番楽しいところにまず。で、俺らのライヴがそのキッカケだったら最高だな。

──じゃあ(オチを期待して)CAR ALLさんは?

C:まぁ、お酒飲んで…。

一同:(笑)

M:なんだそれ(笑)。

T:お酒飲んで…ってとこでテープが切れたことにしといて(笑)。あとね、これで初めて俺達のこと知る人達がいると思うんですよ。狭いこと言うつもりはないんだけど、ルックス見て苦手とか思う人いるよね。そしたら聴かなくていいや。聴いても好きになんないと思う。グラムロックとか、こういうルックスとかに何かしらビビっときた人。そういう人は聴いてくれたら嬉しい。でも、なんか抵抗がある人は……もう一生聴くな。

一同:(笑)

T:触れてくれるな! って言っておいて。触れてくれるな。……触れてくれるな! って3回言ったって書いといて(笑)。


注1:YOUNG PARISIANのメンバーは東京ライヴハウス界きってのプロの客。そこらじゅうのライヴでよく見かける。
注2:YOUNG PARISIAN初の音源は自主制作で、ウェインカウンティーやT-REXのカヴァー。
注3:次の音源は初のオリジナル・ナンバーとなる「GLITTER SATELLITER」収録。これも自主制作。
注4:K.O.G.A RECORDSの4バンド・オムニバス。YOUNG PARISIANの他ROCKET K、SUPERSNAZZ、DRUNK FUXを収録。
注5:三原重夫。ローザ・ルクセンブルグをはじめ、数々のバンドのドラマーとして脚光を浴びたかどうかは知らないが、現在はドラムのチューナーをやりつつ、SHELTER周辺のバンドマンの相談役をやりつつ、レコーディングもしたりしてる。
注6・SHELTER店員。ヘビメタ。

LOVE / HATE

Debut Album 「YOUNG PARISIAN」

邦題:ヤングパリジャン その華麗なる世界
TIME BOMB RECORDS BOMBCD-77
2,415yen (tax in)
2.28 IN STORES
★amazonで購入する



Live info.

THUNDERROADS presents「Detroit Action Vol.1」
2月11日(土)下北沢SHELTER
w/ THE THUNDERROADS / FIRESTARTER / Chocolates (ex:GYOGUN RENDS Hiro-King's New Band)
OPEN 18:30 / START 19:00 TICKET: advance-2,300yen / door-2,500yen
【info.】shimokitazawa SHELTER:03-3466-7430

ヤングパリジャン その華麗なる世界 〜YOUNG PARISIAN 1ST ALBUM RELEASE PARTY〜
3月18日(土)下北沢SHELTER
w/ LITTLE ELVIS RYUTA & THE S.R.P / SUPERSNAZZ / DJ: BIG PON (LAUGHIN' NOSE)
OPEN 18:30 / START 19:00 TICKET: advance-2,000yen / door-2,500yen
【info.】shimokitazawa SHELTER:03-3466-7430


YOUNG PARISIAN OFFICIAL WEB SITE
http://black.ap.teacup.com/tsuneglamsam/

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