2021年3月

13(土)

昼の部

ポータブル蓄音機で聴く世界初録音のクラシック1

ラヴェルを中心としたフランス近代音楽・野村和哉(コレクター・お話)

OPEN 13:30 / START 14:00

¥1,500+1d

【出演】野村和哉(コレクター・お話)

録音及び再生する装置としての蓄音機(フォノグラフ)は1877(明治10)年、トーマス・エジソンによって誕生しました。円筒形のシリンダーを使い、最初に録音されたのはエジソン自身が歌った「Merry had a little lamb」(メリーさんのひつじ)の一節、10数秒でした。
1887(明治20)年、ドイツ出身のアメリカの発明家エミール・ベルリナーが平板型の硬質ゴムに音溝を螺旋状に刻んで回転させ、再生する円盤式蓄音機(グラモフォン)を発明。手回しだったその装置にエルドリッジ・ジョンソンが動力としてゼンマイを用いることを考案。こうして2分程度まで収録時間が向上しました。
音楽は教会や宮廷、オペラハウスなど限られた場所を中心に居合わせた人だけが楽しむ1回生のものでした。しかし蓄音機の誕生、それに続く改良は音楽を時と場所を選ばず楽しめるものに変えました。また、その一方で当時活躍していた演奏家や作曲者にとっては「作品が後世に残る」という意識が生まれたようです。
歴史的なことはこの辺にして、そんなに大きな音が出る訳ではないポータブル蓄音機ですが、良く知られた曲の初録音をうららかな春、気軽に楽しんでもらえたらいいかと思います。

1、サラサーテ作曲「ツィゴイネルワイゼン」
演奏:パブロ・デ・サラサーテ(ヴァイオリン)
録音:1904年
備考:世界初録音。演奏は約5分30秒。(8分)

2、ラヴェル作曲「ボレロ」
指揮:ピエロ・コッポラ、グラモフォン大交響楽団
録音:1930年1月8日
備考:世界初録音。演奏は約15分。(20分)

3、ラヴェル作曲「ピアノ協奏曲ト長調」
指揮:ペドロ・デ・フレイタス・ブランコ、ピアノ:マルグリット・ロン
交響楽団
録音:1932年4月14日
備考:世界初録音。演奏は約24分。(30分)

休憩 10分ほど

4、ラヴェル作曲「左手のためのピアノ協奏曲」
指揮:シャルル・ミュンシュ、ピアノ:ジャクリーヌ・ブランカール
パリ交響楽団
録音:1938年1月
備考:世界初録音。演奏は約16分。(20分)

5、ラヴェル作曲「亡き王女のためのパヴァーヌ」
指揮:ペドロ・デ・フレイタス・ブランコ、ピアノ:マルグリット・ロン
交響楽団
録音:1932年4月14日
備考:演奏は約4分。(10分)

6、フォーレ作曲「ノクターン第13番作品119」
ピアノ:イヴォンヌ・ルフェビュール
録音:不明
備考:演奏は約8分(10分)

7、ホルスト作曲「組曲『惑星』から木星」
指揮:グスタフ・ホルスト、ロンドン交響楽団
録音:1922年10月27日
備考:世界初録音。演奏は約8分。(10分)

8、マーラー作曲「『交響曲第5番』から第4楽章アダージェット」
指揮:ウィレム・メンゲンベルク、コンセルトヘボウ
録音:1926年5月。日は不明。
備考:単楽章の世界初録音。演奏は約7分。(10分)

9、マーラー作曲「『交響曲第5番』から第4楽章アダージェット」
指揮:ブルーノ・ワルター、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
録音:1938年1月15日

10、「枯葉」
歌:イヴ・モンタン
録音:1946年出演の映画『夜と霧』で歌う。
備考:演奏は約3分。(5分)

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