柳沢英則×樋口寛子×大江昌未
新宿ロフトの気鋭ブッカー三者が語る、ロフト初の試みである都市型サーキットイベント『SHINJUKU LOFT 50th CIRCUIT 2026』の多様性と醍醐味
2026.06.06
ロフト総体でチャレンジする“LOFT 50th CIRCUIT”は50周年を迎える上で大きな意義がある
日本屈指のライブハウスとして知られ、日本のロック史にその名を刻む数々のバンドと並走を続けてきた新宿ロフトが、今年の10月に西新宿時代から合わせてオープン50周年を迎える。
これを祝し、10月3日(土)には新宿ロフトとその周辺に点在する複数のライブハウスと連携した大規模なサーキットイベント『SHINJUKU LOFT 50th CIRCUIT 2026』を行なう。ロフト初の試みであるこの都市型サーキットイベントは、総勢60組以上のアーティストが新宿ロフトやZepp Shinjukuを筆頭に歌舞伎町のライブハウス全9会場に集結。歴史を築いてきたレジェンドから次世代を担うニューカマーまで、ジャンルや世代の垣根を超えた出演者たちが至高のパフォーマンスを通じて歌舞伎町を彩る。
すでに第4弾出演者まで発表されているこの“LOFT 50th CIRCUIT”はどんな趣旨で企画され、数あるサーキットフェスの中でどんな特異性があるのか。公演制作に携わる柳沢英則、樋口寛子、大江昌未のブッカー三者に語り合ってもらった。(Photo:丸山恵理 / Interview:柞井雄吉)
ロフトらしく多種多様なジャンルを総ざらいするサーキットフェス
──“LOFT 50th CIRCUIT”開催の経緯から伺いますが、発案者は樋口さんですか。
樋口 はい、私です。新宿ロフトの50周年記念イベントを今年1年かけてやっていく中で、ブッカーが各自思いを込めた公演を日々企画しているんですけど、せっかくならロフトらしい多種多様なジャンルを総ざらいするようなイベントをやりたいと考えたんです。各ブッカーの個性を活かした、ロフト50年の歴史を1日に凝縮したようなイベントを。それならロフトとその周辺に点在する複数のライブハウスと連携したサーキットという形がいいんじゃないかと思い、提案させていただきました。
──新宿ロフトのブッキング・スタッフはジャンル担当がきれいに分かれていて、イベントの企画制作において互いに干渉し合うことはないですよね。もちろん制作上の意見交換やスケジュールの協議など、より良い店舗作りを目指して共存共栄してはいますけど。
柳沢 樋口さんから話をもらって、みんなで協力し合って一つのイベントを企画する機会はなかなかないので面白そうだなと思ったんです。樋口さんや大江さんと制作を一緒にすることもこれまであまりなかったし、これは店にとっても今後プラスにはたらくなと思って。それで今はこの3人が定期的に集まってああでもないこうでもないと話し合っていますが、やっぱり良い刺激にもなるし純粋に面白いですね。各自のジャンルも発想の視点も全然違いますから。
──各人の得意とするジャンルやロフト在籍歴などを自己紹介がてら教えてください。
樋口 私は1997年にロフトへ入社して、1999年の歌舞伎町移転と共にブッキングの仕事を始めました。私自身、いわゆる歌ものと呼ばれるジャンルが大好きで、そこをベーシックとしたブッキングを手がけてかれこれ27年経ちます。ブッキングと並行して〈SONG-CRUX〉という良質な歌とメロディをテーマにしたインディーズ・レーベルの仕事をしていたときに出会ったフジファブリック、メレンゲ、音速ラインといったバンドを筆頭に、レーベルとは直接関係ありませんが、スキマスイッチやつじあやのさんといった歌心を大切にしたアーティストの皆さんと一緒にイベント制作を続けてきました。2010年代だとKANA-BOONやKEYTALK、マカロニえんぴつといったバンドとの出会いが印象的です。
柳沢 僕はパンク、ハードコア、ミクスチャー、ヒップホップ、レゲエといったレベル・ミュージック、ストリート・カルチャーに根差したジャンルをメインにブッキングしてきました。ロフトには2013年に入社して、店長になったのはその5年後です。2018年以降だから、店長としてはほぼコロナ禍の対応に追われてばかりでした。ロフトっていうとやっぱり王道のロックやパンクのイメージが強いかもしれませんが、個人的に思い出深いのは、ロフト40周年記念のときにCreepy NutsやBAD HOP、KANDYTOWNといった武道館クラスのヒップホップ・グループを呼べたことなんです。
大江 私は普段からヴィジュアル系を中心とした公演をブッキングしています。もともと大阪のロフトプラスワンウエストにいた頃からヴィジュアル系のイベントを手がけていて、ウエストで3年ほどブッキングの仕事をした後、上京して新宿ロフトに配属されて今年で3年になります。
──ロフトとして初の試みである都市型サーキットイベントを行なう上で、大江さんのような若いブッカーの視点や感性が必要だという考えが樋口さんと柳沢さんにあったわけですよね。
樋口 もちろんです。彼女の得意とするヴィジュアル系は新宿ロフトの歴史の中で絶対に欠かすことのできないジャンルだし、サーキットイベントって独り善がりの視点では成立しないんですよ。各ジャンルに精通したスタッフはもちろん、イベントを広めてもらうプロモーション・スタッフの第三者的な意見も不可欠だし、今回は新宿ロフト主催のイベントではありますけど、他の音楽店舗やトーク部門を含めたロフトプロジェクト全体が手がけるイベントという位置付けで落とし込みたいんです。
──これまで歌舞伎町一帯では『CONNECT歌舞伎町』や『歌舞伎町MUSIC CHRONICLE』といったサーキットイベントが行なわれてきましたが、それらで培ったノウハウを活かしつつロフト色を出すというイメージですか。
樋口 そうですね。あと、私が公演担当したサーキットで言えば『見放題東京』や『TOKYO CALLING』ですかね。どちらも10年以上、毎年現場にいるので参考にさせていただきつつなんですが、そのお客さんのターゲット層はわりと若い世代なんですよね。ロフト50周年となるとそうもいかなくて、いろんな世代、いろんなジャンルのアーティストに幅広く出演していただいてきたハコだし、そうしたジャンルレスで幅広い層とリンクしてくるのがロフトの強みでもあるので、歌舞伎町で行なわれてきたサーキットイベントを参考にはしても差別化は図りたいですね。ロフトにしか出せないカラーというのが間違いなくあるので、それを意識しながらブッキングに取り組んでいます。
──姉妹店であるロフトプラスワンやロックカフェロフトといったトークを主体とした店舗まで提携したサーキットイベントは初めてなのでは?
柳沢 初めてだと思います。トークまで絡められるのがロフトの強みだとも思うし。
──ジャンルも世代もごった煮の上にトークまで巻き込むとなると、ブッキングも一筋縄ではいかないので大変ですよね。
樋口 もちろん大変ですけど、50周年という大きな節目にこうした取り組みに挑まないと、51年目以降のロフトに新たな風が吹かないと思うんです。老舗ライブハウスとして胡座をかくわけにいかないし、今までにないチャレンジをこの段階でやっておくことが半世紀の歴史を持つロフトの課題だと感じてもいますし。自分たち発信でゼロイチで制作するサーキットってこれまでやったことがなかったし、あえて本音を言えば、外部から話をいただく持ち込みのサーキットで手一杯なところはあったんです。だけどこうした形で、柳沢さんや大江さんと協力し合いながらロフトの叡智を結集させると言うと大袈裟かもしれないけど、ロフト総体でチャレンジするのは50周年を迎える上で大きな意義があると思ったんですよね。
いろんなジャンルの中にヴィジュアル系が入る目新しさ
──ロックの登竜門と言われ続けた老舗ライブハウスの半世紀を象徴するイベントを取りまとめるのは、店長として大きなプレッシャーを感じずにいられないと思うのですが。
柳沢 プレッシャーはひしひしと感じていますけど、そればかりだと疲れちゃうので楽しいことを考えないと(笑)。これまでの30周年、40周年とは違う何かをやらなくちゃいけないと思いつつ、僕自身は20周年のときにやった武道館公演をもう一度やりたかったんです。でもそれがちょっと現実的ではないということで、50周年の節目にどんなことを仕掛けていけばいいか悩ましい部分もありました。2024年の歌舞伎町移転25周年から間をあけずにオープン50周年モードに入ったし、いろいろと企画をやり尽くした感もあって。でも樋口さんを始めロフトの精鋭スタッフとミーティングを重ねる中で面白いアイディアがいろいろと出てきたし、やっぱり自分一人じゃ限界がありますよね。そもそも僕一人の50周年じゃないし、ロフトで働くみんなの50周年であり、これまで出演してくださった皆さんや通い詰めてくださったお客さんの50周年なんだから、ロフトにかかわってきた人が等しく楽しめる50周年にしたいなと思って。
──たとえば下北沢シェルターのように、オルタナティヴを主軸とするジャンルが固定化したハコならばその方向へ特化・深化していけばいいわけで、新宿ロフトのようにジャンルも世代も全方位で雑多な文化をすべて受け入れるハコはブッキングに難儀するのではないでしょうか。
柳沢 そうなんです。500人キャパという設定もなかなか難しい。それ以下かそれ以上の集客に振り切ったほうがラクですから。まあ、だからこその面白さがロフトにはありますけどね。オールジャンルだからこその面白さがある。
樋口 この3人で手分けしてブッキングしていく中で、たとえば大江さんはA会場担当、柳沢さんはB会場担当、Zepp Shinjukuは一番大きい会場だからここぞというバンドを出し合おうとか、誰かの意見が偏ることなく意見を出そうとはしています。だけどそう気負うことなく、歌舞伎町のライブハウス9会場を使ってロフトらしいサーキットフェスをやるならこうだな、こういうラインナップなら面白いなっていうのを最優先にお声がけをさせてもらっています。
──まずは制作を手がける皆さん自身が楽しめるブッキングをしようと。
樋口 それが一番大きいですね。別にやらされてやってるわけじゃないし、ロフト50周年の節目にぜひやっておきたくてやってるわけで。そこをベースに意見を交換し合い、出演アーティストを順次発表できているので良い感じかなと。
柳沢 まあ、歴史の長いライブハウスですからね。僕もオープン当初からいるわけじゃないし、ロフトに対する格別の思いを持った人たちが自分より上の世代にたくさんいらっしゃるし、ロフトが辿ってきた歴史を学ぶだけでもなかなか難しい。
──新宿ロフト勤務歴3年の大江さんは尚のこと大変でしょうね。
大江 覚えなくちゃいけないことがいっぱいありますね。ただ今回のようなサーキットイベントにヴィジュアル系を呼べるのもロフトならではじゃないかと思って。ヴィジュアル系は他のジャンルと絡みづらいし、ヴィジュアル系単体のサーキットはちょこちょこあっても、いろんなジャンルの中にヴィジュアル系が入るサーキットはもしかしたらこれが初めてなんじゃないかな? と思います。ヴィジュアル系の皆さんが他のジャンルとの交流を図りたいと思っても客層が違うし、メイクや衣装にかかる経費のこともあって折り合いがつかず、なかなか実現してこなかったんです。
──現在は第4弾出演者まで発表されていますが(この取材時は第2弾出演者まで発表済)、今後も月一のペースで出演者が発表されていくんですか。
樋口 7月までは随時発表しつつ、8月上旬にはタイムテーブルを解禁して、それを見たお客さんが会場の行き来やペース配分で悩んでほしいなと思っています。開催までの2カ月間、じっくりと悩んでほしい(笑)。
──今年1月の段階で、出演アーティストを一切公表せずにチケットの超早割先行販売が行なわれましたが、ある種、ロフトに対する踏み絵のようなユニークな試みでしたね。
樋口 出演者を発表せずにどれだけ興味を持ってくださるのかな? という意味で、凄く数字が気になっていました。面子が公表されていない上に、超早割とはいえチケット代も決して安くはないし、3、40枚いけばいいかな? くらいに考えていたんですが、おかげさまで自分たちの想定枚数を超える初動で嬉しかったですね。50周年というお祝いの気持ちを兼ねてチケットを買ってくださった方もいると思いますが、とても有り難かったです。今回のサーキットフェスはそうした販売方法を含めて新たなトライというか。
──オーディエンスの期待値の高さが窺えて、これは下手なものはお見せできないぞと気が引き締まる思いも生まれますよね。
樋口 そうですね。でもラインナップはもちろんのこと、コラボステージも予定していますし、ロフトにしかできないサーキットイベントになると思うんです。これまでロフトとご縁のあった方々にお声がけをしているし、このサーキットで初対面となるような方々は意図してお声がけしていないんです。あくまでこの3人が懇意にしていただいてきた、ロフトと縁の深い皆さんに出演していただきます。だから否応なくロフトらしさ全開のサーキットフェスになるはずです。
「こういう表現者をもっと応援しなければ」というライブハウスの使命
──これまで発表されてきた出演者について聞かせてください。第1弾出演者の中で樋口さんがブッキングしたのは、SAKANAMONとLUNKHEAD。
樋口 LUNKHEADは私がレーベルで関わっていたフジファブリックやメレンゲと同期で、私がレーベル担当のときに対バンする機会も多かったんです。同じジャンル界隈で活動していた同期のような感じです。今回のサーキットフェスでは同じ時代に切磋琢磨してきた同世代のバンドをブッキングしたいというテーマが自分の中であったし、真っ先にお声がけさせていただきました。SAKANAMONは私よりひと世代下なんですけど、凄く格好いいバンドだし、気がつけばもう15年くらいの長い付き合いになっちゃって。こうしたロフトの節目となる大事なイベントには絶対に出てもらいたいし、絶対にその期待に応えてくれるバンドの一つです。
──店長は、ヤスエでんじゃらすおじさんとNEO BURNING FIRESをブッキング。
柳沢 ヤスエくんは20数年前、彼の前身バンド(ベルノバジャムズ)を当時の勤務先だった渋谷屋根裏のオーディションで見てるんです。そこからの縁で、去年はヤスエくん、シェルターとの共催で『環ル日々』というイベントを年間を通じてやってみたり。ライブハウスを主軸にしてずっと表現を続けるのって大変じゃないですか。日々の生活もあるし、結婚してライフステージが変わる人もいるわけで。でもヤスエくんはずっと変わらず唄い続けて、その真に迫る表現力が以前と比べて格段と増していたんですよ。久々に会ってライブを見たら、歌の説得力が桁違いだったんです。こういうアーティストにもっと寄り添ってライブハウスを活性化させたいと思ったし、ヤスエくんみたいな表現者をもっといろんな人たちにアピールすることがライブハウスの使命だと思いながら関わっています。NEO BURNING FIRESはSMORGASの来門くんを中心としたネオミクスチャー・バンドで、僕自身、SMORGASがもともと大好きで。シェルターでAA=とのツーマンをブッキングしたり、ずっと来門くんの活動を追いかけてきたんです。音楽人としての彼の才能に心酔しているし、常にライブハウスを主戦場としてきた彼のことをずっと応援していきたいんです。NEO BURNING FIRESは来門くんの息子(RUU)がドラムで、親子ならではのグルーヴがライブだけじゃなく活動の姿勢にも表れていて面白いんですよ。
──そして大江さんのブッキングは、cali≠gariとdeadman。
大江 cali≠gariは通常公演だと私の先輩が担当することが多いのですが、cali≠gariはとにかく常日頃ロフトを好きと公言してくださっていますし、実はこのサーキットイベント当日にご自身のワンマンがあるにもかかわらず出演してくださるんです。deadmanは大阪時代からaieさんに凄くお世話になっているのもありますし、私が上京するときにブッキングの相談を最初にしたのもaieさんだったんです。私の前職がPAで、そのPA時代の師匠のような方がaieさんの仕事をずっとされていたこともあり、aieさんは私にとってもロフトにとっても大の恩人なんです。
──aieさんはロフトのバーで『ゴッドバー』を定期開催してマスターを務めていただきましたし、キャリアの要所となるライブは必ずロフトを選んでくださっていますしね。
大江 そうなんです。aieさんが新しく始めたGUMMY(グミ)も、ロフトだと明らかにキャパオーバーなのに初のワンマンを3月にロフトでやっていただきましたし、ご自身の参加するバンドのCDにはスペシャルサンクスとして必ず新宿ロフトをクレジットしてくださっているんです。
ライブ後の打ち上げが関係値の高さに繋がる
──第2弾出演者の面々もロフト愛に溢れた顔ぶれですね。樋口さんはWHITE ASH、FLAMYNGS、YOWLLの3バンドをブッキングされて。
樋口 WHITE ASHはもともとロフト所属でしたし、そんな彼らが復活するというのであればぜひサーキットイベントに出演してほしいとダメ元で打診したところ、メンバー3人一致で「ぜひ出たいです」と快諾していただきまして。
──8月9日に新宿ロフトで行なわれるWHITE ASHの再始動ワンマン『GO BACK TO WHITE』はチケットが即完だったそうですね。
樋口 キャパ以上のエントリーをいただいたんですけど、本当に心苦しいのですが半分以上の方が落選という形になってしまいまして。それ以降の彼らの東京でのライブは今のところこのサーキットフェスだけなので、ぜひご覧になっていただきたいです。私はWHITE ASHのロフト在籍時にそれほど密な繋がりがあったわけじゃないんですけど、ギターの山さん(山岡トモタケ)がバンド解散直後から私が手伝っていた音速ラインと共演したり、いろいろと交流を持つことで距離が縮んで、何か大事なことがあると報告してくれたり相談されるようになったんです。山さんが始めたFLAMYNGSもロフトで『FLAMYNGS FES』をやってくれたりして。今回のWHITE ASH再結成もそんな関係性の中で山さんから聞いて、自然とロフトで再始動する形になりました。YOWLLはBrian the Sunの森良太くんが始めたオルタナバンドで、Brian the Sunもまた付き合いが長くて思い入れのあるバンドで。Brian the Sunの出演が難しくても、そのメンバーがやっているバンドにはぜひこのサーキットフェスに出演してほしくて即打診しました。『YOWLL FES』をロフトでやっていただいたご縁もありますしね。
──柳沢さんがPanorama Panama Townと接点があったのが少し意外な気もしたのですが。
柳沢 彼らはもともとメジャーで活躍していたんですけど、3年ほど前から独立してフリーで活動しているんです。最初は彼らがシェルターでライブをやるときの窓口が僕で、自分がジムでダイエットに励んでいるときに彼らのアルバムを聴いて凄くいいなと思って(笑)。メンバーの人柄も良いのでいろんな人たちから可愛がられていて、独立後も変わらずに応援する関係者が多いのも納得なんです。彼らはバンドの節目に必ずロフトでライブをやってきてくれたし、事あるごとにロフトを好きだと言ってくれるのも有り難いし、これからもずっと応援し続けていきたいです。
──大江さんはumbrellaと色々な十字架という、従来のヴィジュアル系とは少し毛並みの違うバンドをブッキングしていますね。
大江 はい。色々な十字架は私と同世代で、ヴィジュアル系の中では若手の部類なのですが、メンバーの皆さんがとにかくロフトを好きでいてくれてまして。上京して初めて見たライブがロフトのあぶらだこだったり。umbrellaは大阪のバンドで以前からお世話になっていて、ロフトでもワンマンをやったことがありますし、黒夢が好きなメンバーもいらっしゃるんです。黒夢といえばロフトのライブ盤(『1997.10.31 LIVE AT 新宿LOFT』)が有名だし、umbrellaにとってロフトはライブハウスの聖地という感じなんです。
──いま挙げていただいた面々でもかなりの濃さですが、渾身のブッキングがまだまだ控えているんですよね?
樋口 まだどんどん出てくるので、ぜひ期待してください。最終的にはおそらく60組くらいになるんじゃないですかね。いずれにせよ、バンドの節目に必ずロフトでワンマンをやってくださったり、定期的にロフトへ出演してくださるようなロフトとの関係値が高い人たちしか出演しないことだけは確かです。いまこうして話を振られただけでもエピソードが次々と出てくる方々というか、ブッキングする私たちと関係性の近い人たちが大挙出演してくださります。
──そうした演者との関係性の深さがロフトの特色に思えるんです。ブッキングする人の顔が見えるライブハウスと言うのか、ビジネス一辺倒の貸しバコにはない血の通ったコミュニケーションが見て取れると言いますか。
樋口 やっぱりライブ後の打ち上げが大事なんだと思います。演者さんなりスタッフさんなりが軽く飲んで帰ろうかと話をする時間が実はとても重要なんです。その会話が次のブッキングに繋がることがあるし、そうしたコミュニケーションの積み重ねが関係値の高さにも繋がりますし。
ブッキングする側の顔やカラーが見える“LOFT 50th CIRCUIT”の雑多性
──ブッキングは今まさに大詰めといった感じですか。
樋口 8割、9割方はすでに決まっていて、あとはタイムテーブルをどうするかという段階ですね。ロフトプラスワンでやる内容もほぼ確定しているので。
──ロフトプラスワンはトークが主体なんですか。
樋口 トークとアコースティック・ライブですね。ライブは3組程度で、あとは公開インタビューをやってみたりとか。それとロフトプラスワンといえば怪談イベントが名物なので、そうしたテーマのトークライブを絡めた、他のサーキットイベントとは異なる趣向を打ち出せるんじゃないかと思っています。音楽とトークのハイブリッドはロフトならではの武器なので。あと、新宿ロフトのバーでは柳沢さんのライフワークである『ろふとのせんべろ居酒屋』が夕方から開かれるので、飲兵衛の皆さんにも優しいです(笑)。
柳沢 サーキットフェスも最鋭輝さんがナイスムードにしてくれます(笑)。
樋口 それと、通常のサーキットイベントに比べてお客さんは少し上の世代が多いと想定しているので、お子様と一緒に楽しめるように趣向を凝らしています。たとえば中学生以下の方は親御さんの同伴につき1名様入場無料、ドリンク代だけで家族と一緒にライブを楽しめるというのも一つのポイントかなと。新宿ロフトにはこの深海というラウンジスペースもありますし、今回はロックカフェロフトもゆったりとくつろげる場所として解放して、アーティストとのコラボフードやコラボドリンクを楽しめる空間にする予定です。ロックカフェロフトはZepp Shinjukuの隣という好立地で、休憩の場所として最適なので。
──いわゆるダイバーシティというのか、音楽的ジャンルもそこに集う人たちの世代も様々で文化の多様性を大事にするという意味で、新宿ロフト独自のブッキングやコミュニケーション・スペースとしての在り方、そして今回のサーキットイベントの開催は歌舞伎町という混沌とした街にぴったりですよね。
樋口 良い意味で雑多な感じというか、いろんなものがひしめき合う街だからこそ生まれるものがあると思います。もちろんライブハウス本来の存在意義として若い世代へ門戸を開くことも忘れず、今回のサーキットフェスのコラボステージは若いバンドを中心にブッキングしていくつもりです。
柳沢 早割先着6,700円でこれだけの顔ぶれを見れるのは本当にお得だと思うし、普段はまず見ないようなジャンルやバンドにも触れてほしいという思いから価格設定を抑えたところもあるんです。そこは樋口さんの言う雑多な感じ、いろんな音楽を通じていろんな人たちが混ざり合うのがこのサーキットの醍醐味だと思うので。
樋口 音楽的ジャンルにはいろんなカテゴライズがありますけど、音楽という表現を通じて演者と観客が共鳴し合うことに違いはありませんからね。せっかくだからいろんな音楽に触れてもらって、そこで気になったものはサブスクで検索してさらに掘り下げるとより豊かな音楽生活を送れると思います。
──では最後に、お三方からご来場くださる皆さんへメッセージをお願いします。
大江 ヴィジュアル系は音楽的ジャンルというよりもカルチャーの在り方だと思うし、その音楽性はテクノやメタル、ニューウェイヴと多種多様なんです。樋口さんがブッキングされる歌もの好きなお客さん、柳沢さんがブッキングされるラウドロックやミクスチャー好きなお客さんでも楽しめる部分があるはずだし、逆にヴィジュアル系のお客さんは耳の肥えた方が多いからジャンル問わず気に入るものが多々あると思うんです。いろんなジャンルを知れる良い機会なので、ぜひ先入観を持たずに楽しんでほしいです。
柳沢 僕が10年近く実行委員として携わった『CONNECT歌舞伎町』もいろんなジャンルを網羅したフェスでしたけど、今回のサーキットフェスの雑多性はそれ以上だと思うんです。50年の歴史を持つ新宿ロフトに対して出る側も見る側もいろんな思いがあるのを踏まえた上でのブッキングだし、僕らがこのサーキットフェスに懸ける思いを少しでもお客さんが感じてくれたら嬉しいですね。知名度や集客力のあるアーティストが乱雑に並ぶフェスが多い昨今だけど、人と人の繋がりや思いを何よりも大切にしたこういうフェスもあるんだよっていうのを知ってもらえたら嬉しいです。
樋口 今回は私たち主催者、ブッキングする側の顔やカラーが見える公演だと思うので、アーティストやそのスタッフが「このジャンルならこの人たちに相談してみたい」と感じてもらえるような内容にしたいですし、お客さんには純粋に音楽を楽しんでいただきつつ、ライブハウスならではの密なコミュニケーションを味わえる1日を過ごしてほしいですね。今後もこのサーキットフェスに焦点を当てたインタビューやニュースを随時発信していくので、ぜひ楽しみにしてほしいです。私たちブッキング担当だけじゃなく、舞台やPA、料理や接客が得意なロフトのスタッフ全員の個性やカラーが結集して初めて完成するサーキットフェスなので、完成するまでの経緯を含めて楽しんでもらえたらと思います。
SHINJUKU LOFT 50th ANNIVERSARY|SHINJUKU LOFT 50th CIRCUIT 2026
【日程】2026年10月3日(水)
【時間】開場11:00/開演12:00/終演21:00予定
【会場】Zepp Shinjuku (TOKYO)/新宿LOFT/BAR THE LOFT(新宿LOFT内)/LOFT/PULS ONE/ROCK CAFE LOFT/新宿ACB HALL/新宿SAMURAI/新宿MARZ/新宿Marble
【料金】早割先着 6,700円/学割 4,700円(イベント当日、中学生以上20歳未満)
https://w.pia.jp/t/shinjuku-loft50th/
*8月2日(日)23:59まで先着先行販売
*早割先着リストバンド付き 7,500円
*各チケット、ドリンク代込みとなります
*中学生以上20歳以下を対象にした学割有り。当日、リストバンド交換時に要公的証明書(顔写真付き)を提示していただきます
*小学生以下、保護者1名につき1名入場無料(ドリンク代700円のみでリストバンド付与)
【第四弾出演者】藍坊主/UlulU/the god and death stars/sleepy.ab/梟/Bentham/luvliminall
【第三弾出演者】crowzet(加藤慎一 from フジファブリック)/コバヤシシャラク/SPARTA LOCALS/のろゐみこ/meiyo/メレンゲ
【第二弾出演者】umbrella/色々な十字架/Panorama Panama Town/WHITE ASH/FLAMYNGS/YOWLL
【第一弾出演者】cali≠gari/SAKANAMON/deadman/NEO BURNING FIRES/LUNKHEAD/ヤスエでんじゃらすおじさん(バンド)
【主催】株式会社ロフトプロジェクト
【企画】新宿LOFT50周年実行委員会
【制作】新宿LOFT50周年実行委員会/808株式会社
【協力】株式会社 近松/株式会社スペースシャワーネットワーク
【問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382
▼新宿LOFT 50th Anniversary 公式サイト
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft/50th
▼新宿LOFT 50th Anniversary 公式Xアカウント
https://x.com/loft_50th
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https://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft