Monthly Free Magazine for Youth Culture
ROOFTOP 2006年5月号
平野×酒井

酒井一圭、ブッキングプロデューサー就任! 平野×酒井 対談!

5月15日からロフトプラスワンのブッキングプロデューサーとして契約社員となりました酒井一圭です。宜しくお願いします。生業としていた俳優業も継続しながらの契約となっており、今回オファーしてくれた斉藤友里子さんには大変感謝なんですが、自分でもまさかこういう流れになるとは…。今日(5月17日)現在の業務としましては、イベント中のオーダーを取ったり、掃除したり、お客さんを席に御案内したりと、基本的な接客業務から修行しております。本来はブッキング業務での契約なんですが、人を動かしながらイベントを円滑に進めることも重要な作業となりますので、基本的な動きを理解した上で個性を出していきたいと考えております。あー、面倒くせぇ。堅い! 文章が堅いよ。けどこれじゃ、ざっくばらん過ぎるか(笑)。この会社はいきなり対談やれって言うし、とにかく書け! って言うし。やりましたよ! 今回の対談相手はその「やれ!」と言った張本人。言わずと知れたロフトプラスワン・亭席=平野 悠さんです。もうねぇ、とにかく平野悠はよく喋る! 惜しみなく喋り捲くる61歳と、それを隈なくダウンロードしていく30歳の親子対談。今、対談のテープを聞いているんですが、思い付きました! こうします! 対談中に妙に響いた悠さんの言葉に対して、敢えて対談中の俺の言葉ではなく、この原稿を仕上げようとしている今の俺の率直な言葉を残してみようと思います。理由は簡単。テープの中身がもはや対談ではなく、単に俺に向けられた「平野 悠 独演会」だったから。おじさんは今日も元気よく喋り捲くりたかった。多分それだけだったのです(笑)。(text :酒井一圭)

人が好きなのは原点だよね。

平野:人が好き、人間が好きなのは原点だよね。これはもう最高の話で俺もそうだった。俺は酒井の時代、つまり31くらい。一番生意気な奴だった。偉そうだった。だって31で6軒の店持ってたんだもん。32で6軒か? ま、いいや(笑)。で、プロダクションがあり、ルーフトップの新聞があり、内装会社までやってて。あの頃の時代の連中と今会うと「あの頃は馬鹿な奴だったもん」って言う「何が偉いんだよ」ってのがあった。そこから旅したり、まー、とにかくいろんなことがあってだ、どんどんどんどんいろんなもんが抜けていって、今みたいな優しいおじさんになった(笑)。だから今、酒井が俺のシチュエーションを目指しちゃ駄目だって。何でも取り込んで、何でも人に言い聞かせて魅せるっていうのが基本っていう気がするんだけどねぇ。

酒井:目指すよ! 俺だって悠さんみたいに世界中を旅したいし、若い奴らと働いて、相変わらず鼻息荒く生きていきたい。俺の一番嫌な奴だった時期は小学校2年生の頃。もう最悪だった。人をいじめて、自分では止まらなくなっちゃった。結局クーデター。ハブられて孤立。そんな頃にちょうど『あばれはっちゃく』のオーディションがきて、もう恐くて学校行きたくないから受かるのに必死だった。番組が終わって自分も気付くところも多々あって。そこからどんどんいろんなものが抜けていって今みたいな優しい酒井くんになった。俳優には今でも感謝してますよ。あばれはっちゃくという作品にもね(笑) 。

平野:ブッキングしました。演奏をしました。はい、ギャラ払いました。はい、じゃあ、さようなら。また今度いつか会いたいですねみたいな。そうじゃなくて、横山や斉藤みたいにステージ中に呼ばれたり、何なりね、一緒に作っていくという発想を作ればね、今度はあんたがいろんなところに呼ばれていくわけ。それができるか!

酒井:それしかできないと思う。いや、はい、さようならもできるけどね。一緒に作っていくことができない人と組むことはないと思う。いや、組めるけどね(笑)。何でこのイベントを今日このタイミングで打ったのか? その答えは常に引っさげて望みたいとは思ってるけど。


今まで殆ど金を家に入れてなかった。

平野:実は酒井が(今回のオファーを)受けたこと自体があんまりよく解ってないんだよ。そんなにいい給料をくれるわけじゃないし、楽な会社じゃないし。今までやってきたことを3分の1くらいに縮小して、こっちの方に3分の2ぐらいの重心に移していくことがね、酒井がこれから子供とカミさんを世話してやっていけるような、どうなれるかな? っていうね。

酒井:なるほど(笑)。今まで殆ど金を家に入れてなかったお陰で、今回のオファーは家族総出で大喜びなんですよ。もう給料は口座丸ごと嫁に渡したしね。俺のモチベーションは高いですよー! 一刻も早く「小遣い」増やさなきゃ! 自分の値打ちを高めて給料上げてもらうなり、いろいろね、いくらでもやりますよー! これはあくまでお金の話で。単純に今回呼んでもらえて嬉しかったんです。俳優は呼ばれなければ行きたいと思っていても絶対に行けないでしょ? だから呼ばれればね、俳優は力の限りを尽くします。今回、そういうものを全て理解した上で声を掛けてくれた。わざわざ府中の自宅まで来て、嫁に「酒井さんをください」とまでやってくれた斉藤さんに対して、俺は嬉しかった。それだけです。今日だけですよ、斉藤「さん」付けは(笑)。


PROFILE

酒井一圭 さかいかずよし
1975年6月20日、大阪生まれ。代表作は『逆転あばれはっちゃく』5代目桜間長太郎、『百獣戦隊ガオレンジャー』ガオブラック・牛込草太郎などなど。他にも競馬予想家、プロレスラーの顔も。

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