ほら!ちょっと想像してごらん!21世紀がどんな時代になるのかを…
〜長渕剛「静かなるアフガン」を聞く〜

 いつの時代にもいわゆる平均的な「私は一般 人であり庶民、一般学生」と言われる世間は権力者のなす事やることには無関心、おとなしく従う。その姿勢がいずれは自分の所に帰って来ると言うことを“時代に復讐される事”を気がつかずに最悪の自分に直接のしかかって来た時点で悔やむ。まさしく過去日本の軍部の独走によりあの無謀な戦争に突入し、夫が息子が恋人が戦争に取られ、600万人もの犠牲者を出し、もう後戻りができないと言う所で気がつく。なんとも悲しき日本人の姿を見てしまう。やはり時代がここまで来ると、液化し崩壊しつつあるこの国を憂うのは、君の、あなたの責任でもあると思うのだ……確かにこんな事は過去何回も日本の政治史上繰り返されてきたよ。それでなにか行動して、なにか変わったのかい? やるだけ無駄 さ……と「敗北感」丸出しの君に、今日のメッセージは、長くてめんどくさいのはわかるけど勉強のつもりで読んで欲しい。

 相変わらず「9.11同時多発テロ後の世界に俺達はどう生きるのか?」と言うテーマから離れることが出来ない。それ程時代は私たちが想像している以上に今「世界は危機的な状況」に達していると思うのだ。アメリカが進める弱肉強食のグローバリズムに対して僕らはどう日本の固有な文化や伝統、もうなくなってしまっただろう「地域共同体」そして何よりも大切な家族や生活や権利を守って行くのか? 20世紀が日本軍国主義と日本の壊滅と地球丸ごと「略奪と殺戮、差別 、侵略と搾取に収奪」に明け暮れた世紀であって、これはちょっと歴史を紐解けば誰もが認めるところであろうが、だが20世紀に生きていた私達はまだ「明るい未来がそこにある」といった前向きの希望があったはずだ。では21世紀は「豊かで明るく戦争のない素晴らしい世紀を展望出来るのか」と言うと20世紀よりももっと悪くなる予感がするのは、危機意識を抱いているのは私だけだろうか? 今、世界は全く不安定なの軍事プレゼンスの上にあり、強大な世界の秘密警察官アメリカ帝國が最低(アメリカのマスメディアも含めこれ程世界中からアメリカが嫌われているのが解らない国民とは思わなかったよ・・・でアメリカだけが15年先の軍事研究をやっている危険な事実を・・・)なことはわかったが、もっとやばいのは日本ではないかと思うのだ。有事法制、メディア規制3法、青少年ポルノ規制法、国民総背番号制、住民基本台帳法一一と名前は聞こえが良いが最終的に彼ら権力者の着地点はこの戦争準備法案を強引に通 そうとしている。わが小泉政権はアメリカの太鼓持ちとして、その何かわからない(グローバリズム?)利益の分け前を求めて、自分たちの益権の生き残りをかけて日本国内で悪法の数々を強引に通 そうとしているのだ。

 さて、そんなおり、私はある一枚のCDと出会った。
 長渕剛「静かなるアフガン」だ。
 日本のロック業界がやはり巨大化し、半身不随になって、その活路を「小中学生(彼らが一番CDを買ってくれると勘違いしている業界)」にしか見いだせない状況に対して「カウンターカルチャー(対抗文化)としてのロックってなにか? こんな時代だからこそロックだって何か出来るはずだ」と思っていた。しかし時代は、日本のロックはいとも簡単に体制内化され、天皇の前で唄い、小泉賛歌を作曲する自称ロッカーが現れ体制にひれ伏した情けないものだった。この事に対して音楽雑誌や音楽業界からの反応は全く見られず、論争にすらならなかった。しかし最近個々のロッカーから「このままではいけない! 俺達もできることはしよう!」と言ったそれなりの反応が、アクションが見られ始めて来ているのは日本のロック業界では大変注目すべき事だと思った。
 それは昨年暮れのプラスワンでのトークライブ「じゃがたらナイト」の時のOTOが、同時多発テロに関して「みんな、いいのかよ! そんな過去ばかり懐かしんでいて……俺もう音楽ができないよ!」って絶叫していたのに象徴されるように、心ある、今と言う時代を憂う音楽表現者が出来ているのだ。今まで私自身絶望していた日本のロック界にもこういう「感性」を持った奴がいたんだ!って思ったら嬉しくなったし、自分があいも変わらずこういったこだわりの「発信を続けている事が間違いがなかった」と確信した。
 長渕剛「静かなるアフガン」はそのメッセージといい、音楽性といい私にとっては「完璧」な素晴らしい作品と言えるものだった。たしかに、このCDは私がかってこよなく愛していた60〜70年代フォークの流れを彷彿させるものがあって、何度も聞くことが出来た名曲だと思った。長渕剛……私には全く面 識がない。本人には申し訳ないが、まして気にかけたこともなかったし、私にとってはメジャーなロック歌手ぐらいしか認識がなかった。巨大化した半身不随の日本のロック業界が、メジャーロック歌手、武道館をいとも簡単に満員に出来る音楽表現者がこれ程までのストレートな楽曲をCD化し発売するのには少々私は驚き、過去何度もあった「放送禁止歌」と「自己規制」ばかりの音楽業界にこの「静かなるアフガン」は画期的な事をやったと思うし、彼を取り巻くスタッフの意識の高さに敬意をもった。私はこの曲を、この長渕氏の「挑戦=野生」を支えたいと思った。では、またまた無断で「静かなるアフガン」の詩をちょっと一番だけ紹介しよう。

<静かなるアフガン>作詞作曲 長渕剛

海の向こうじゃ 戦争がおっぱじまった。
人が人を殺し合っている。
アメリカが育てたテロリスト
ビンラディンがモグラになっちまっている。

ブッシュがでっかい星条旗を背に
ハリウッド映画のシナリオをすげ替える
悪と戦うヒーロー
アフガンの空 黒いカラスに化けた

ほら 又戦争かい
ほら 又戦争かい 戦争に人道などありゃしねえ 戦争に正義もクソもありゃしねえ

 梅雨入り間近の新宿を突き抜ける風はいつも湿めっぽくって、雨の予感を包有しながら深夜、霧雨にかすんだ国道20号線をひたすらバイクで走り抜け帰宅する。午前1時、誰もいない自分の部屋に戻るが、部屋はいつも孤独に雑然としていて、「早く沖縄移住計画をやれや!」と言っているようにみえた。

ロフトプラスワン席亭・平野 悠

●おじさんのBBSは http://www.loft-prj.co.jp/OJISAN/bbs/bbs.cgi

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