2022年11月
〈知られざるヴィジュアル系バンドの世界〉の先へ
重低音が暴れん坊将軍で黒い薔薇が悪の草
OPEN 18:30 / START 19:00
《配信チケット》¥1,500(税込)
《来場チケット》前売り¥1,500(要1オーダー)/当日¥2,000(要1オーダー)
予約はPeatixにて発売中!
出演
冬将軍(ライター「知られざるヴィジュアル系バンドの世界」著者)
伏見 瞬(批評家)
藤谷 千明(ライター)
「ヴィジュアル系バンドが音楽ジャーナリズムにずっと軽視されてきた、だから再評価が必要だ」などというが、本当に「再評価」が必要だなんて思っているのか?CorneliusとFishmansの横にLUNA SEAやBUCK-TICKが並ぶとして、それがなんだというのか?我々に欠けているのは、薄ぼんやりと共有されている「ポップ・ミュージック」の歴史とやらに彼らの存在を紛らせる手続きではなく、自らが蒙った決定的な遭遇体験を言葉の上で演じ切る、身勝手なほどの信仰の身振りではないのか?その体験は当然ながら宗教的な崇高さとはほど遠く、むしろ自らの癒しがたい卑しさの証明に他ならない。我々は、浅はかで愚かで救いのない存在だからこそ、〈ヴィジュアル系バンドの世界〉に出会ってしまったのかもしれない。
しかし、そもそも卑しくないポップ・ミュージックなど、この世界に存在するのか?戦争と複製の20世紀、あるいは「戦争の複製」としての20世紀に広がった大衆商業音楽は、どこまでいっても血みどろの歴史のコピーでしかない。ホワイトミュージックだろうがブラックミュージックだろうがイエローミュージックだろうが、その点においてはなんの違いもない。まるで罪を知らない素振りで音楽を語る言葉はいつだって溢れかえっているが、勝手にしていればいい。決定的な遭遇体験にこそ卑しさと愚かさが宿ることを知る我々に、無罪のハッピーエンドなど望むべくもない。ただただ有罪のエクスタシーへと突き進むのみ。その痛みと歓びを、誰に認めてもらう必要もない。
冬将軍『知られざるヴィジュアル系バンドの世界』は、膨大な情報量と冷静な筆致を通して有罪者の痛みと歓びを描き上げた決定的な一冊である。1980年代後半から1990年代後半にかけて花開いたヴィジュアル系カルチャーを同時代にシーンに巻き込まれた人間の視点から、それぞれのバンドの変遷、代表的楽曲の特徴、ファン文化の独自性、ファッションブランドや楽器メーカーとの関係に至るまで、つまりその全体の蠢きを損なわない形でキャッチせんとした画期的な書物だ。今回は冬将軍と共に、『すべての道はV系へ通ず。』の共著者でライターとしてヴィジュアル系に長年関わってきた藤谷千明と、ヴィジュアル系との出会いによって音楽と音楽批評の泥沼へのめり込んだ伏見瞬が、〈知られざるヴィジュアル系バンドの世界〉の先を捉えるために一同に介する。当日は、3人それぞれの原体験、日本の社会や人々の精神性との関係などを語りつつ、生楽器を使った「V曲のナマ楽曲分析」も行う予定。また、会場限定で、ロックカフェロフトの大迫力音響装置でVの名曲達を流すから、その魅力の強烈さをガッツリ体験していただきたいと思う。
本当は全てのポップミュージックが、あるいは全てのポップカルチャーが罪を負っているにもかかわらず、そのことにほとんどの人間は見向きもしない。そんな胡散臭い清潔さに我慢ならない人間たちが、ここに集う。偶然か必然か、自らが背負うことになったそれぞれの記憶を重ねながら、我々は決定的な罪の世界へと向かっていく。そこにはBOØWYもXもCOLORもDEAD ENDもBUCK-TICKもLUNA SEAもL'Arc〜en〜Cielも黒夢もMALICE MIZERもPlastic TreeもDIR EN GREYもTHE MAD CUPSULE MARKETSもいるかもしれないが、彼らの記念碑を残すことが今回の目的ではない。宗教にも歴史にも救いを見いだしえない痛みの中に、どこまでも深く潜り込むこと。そうした重たい沈潜の身振りを、あっけらかんとした歓びの発露となんの前触れもなく一致させる一瞬の暴力を、この場所で発動させよう。
ようこそ、全ての痛みと歓びが出会う場所へーーーー。
※状況に応じて出演者の変更、キャンセル、配信のみになる可能性もございます。ご了承ください。
<会場へお越しの方へ(必ずお読みください)>
※当日検温を行います。37.5度以上の熱がある方のご入場はで
※ご入場時、ご連絡先をご記入いただく場合がございます。後日ご
※飲食時以外はマスクの着用をお願い致します。マスクをお持ちで
※場内にアルコール消毒液がございます。こまめな手洗いに加え、
※会場内で大声を出すことや、来場者同士での接触などの行為は禁
※会場周辺で出演者の入り待ち、出待ち等の行為は禁止です。
※場内は定期的な清掃・消毒・換気を行います。ご協力ください。
その他、詳しくは「ライブホール・ライブハウスにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」もご覧ください。
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