2019年9月

13(金)

『最強レスラー数珠つなぎ』刊行記念トークイベント

「わたしは弱い人間です」~ガンバレ☆プロレスへの手紙~


OPEN 18:30 / START 19:30

前売 ¥1,500/当日 ¥2,000(+要1オーダー 500円以上)
前売り券はイープラスにて8月5日(月)12時より発売!
「わたしは弱い人間です」~ガンバレ☆プロレスへの手紙~

当日券あり。お待ちしております。

【出演】
大家健(ガンバレ☆プロレス代表)、今成夢人(ガンバレ☆プロレス、DDTプロレスリング映像班)、尾崎ムギ子(ライター、『最強レスラー数珠つなぎ』著者)

『最強レスラー数珠つなぎ』(イースト・プレス刊)にて、「強さとはなにか?」を追い求めたライター・尾崎ムギ子。しかし、追い求めれば追い求めるほど、自分の弱さを目の当たりにし、単行本を出版してからは、さらなる闇に突入。酒と精神安定剤に依存する日々が続いている。そんな尾崎がいま、救いを求めるのは、4年前に記事を書いたインディー団体「ガンバレ☆プロレス」の大家健と今成夢人。リングの上で泣き叫ぶ彼らの“弱さ”と、観るたびに輝きを増していく“強さ”に、闇から抜け出すヒントが隠されているような気がしている。

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大家健様 今成夢人様

わたしは弱い人間です。そのことをイベントの前にお二人に知ってほしくて、手紙を書くことにしました。なぜ今回、お二人に出演のオファーをしたのかも。

不登校の基準をご存じでしょうか? 学校を年間30日以上欠席すると、「不登校」と見なされるんです。わたしは小学6年生のとき、年間50日余り、学校を休みました。いじめに遭っていたわけではありません。ただただ、「通学するのがめんどくさい」という理由で、学校へ行かなかったのです。いま思うとあの頃から、わたしは自分の弱さに打ち勝つことのできない人間でした。

そんなわたしにも、夢がありました。将来、文章を書く仕事がしたい。自分の本を出すことができたら、どんなにか素晴らしいことだろう! しかし人生、甘くはないですね。ライターを目指して脱サラしたものの、仕事にありつけず、アルバイトで日銭を稼ぐ日々が6年ほど続きました。徐々に仕事を貰えるようになってからは、思うような原稿が書けず、苦しみのあまり酒に溺れ、精神安定剤と睡眠薬を常用するようになりました。ボロボロでした。

救ってくれたのは、プロレスです。リングの上で、やられてもやられても立ち上がるレスラーたちの姿に、強く心打たれました。それからはプロレスの記事を書くのが楽しくてしかたなく、記事の評判も上々。連載を始め、単行本を出すこともできました。

「ライターになって、本を出す」という夢が叶った。しかし夢が叶ったら……なにも書けなくなってしまった。大好きなプロレスを観ても、記事を書きたいとは思わなくなりました。他に書きたいテーマも思い浮かびません。ライターをやめたい――。ふたたび、酒に依存するようになりました。飲んでは吐き、飲んでは吐き、それでも飲み続けなければ、自分を保てない。自分の心の弱さに辟易する日々です。

連載を通して、わたしは“強さとはなにか?”を追求しようとしました。続けるにつれ、自分も強くなっていくような感覚も覚えました。しかしそうではなかった。不登校児だった小学生の自分が、言うんです。「わたしは大人になっても、ちっとも変わらないんだね」――。

連載中、今成さんはわたしに言いましたね。「強いレスラーばかり取材して、プロレスのなんたるかをわかっていない」。プロレスのなんたるかとは、なんなのでしょうか。強さとは、なんなのでしょうか。

大家さん、今成さん。わたしはお二人にシンパシーを感じていました。わたしと同じように、弱い人間に違いないと。お二人がガンバレ☆プロレスのリングで流す涙と遠吠えは、弱さの表れそのものだと。しかし、違った。あなたたちは、弱さを強さに変えている。だからこそ、ガンプロの試合は観る者の魂を揺さぶる。いまはそう思っています。

お二人の弱さを聞かせてください。そして、どうすれば強くなれるのかを。

尾崎ムギ子

<profile>
◆大家健(ガンバレ☆プロレス代表)
1977年4月8日、富山県生まれ。DDTでデビューするも何度となく失踪を繰り返した後、ユニオンプロレスへ入団。ユニオン解散後は高木三四郎から渡された鶴見亜門GMの定期代1万5000円を資金にプロレスをメジャースポーツにするため「ガンバレ☆プロレス」を旗揚げ。映画『劇場版プロレスキャノンボール2014』、『俺たち文化系プロレスDDT』では主役級の扱いを受けている。

◆今成夢人(ガンバレ☆プロレス所属、DDTプロレスリング映像班)
1985年9月22日、東京都生まれ。DDTプロレスの映像班として活動していたが、夢を諦めきれずガンバレ☆プロレスでレスラー活動を本格始動。好みのぽっちゃりした女性レスラーとの対戦をつねに熱望しており、自ら「公私混同」の旗を掲げている。草彅剛にリングでフォール負けされた男であり、映画『プロレスキャノンボール2014』『俺たち文化系プロレスDDT』の助監督。

◆尾崎ムギ子(ライター。『最強レスラー数珠つなぎ』著者)
1982年4月11日、東京都生まれ。上智大学外国語学部卒業後、リクルートに入社。求人広告制作に携わり、2008年にフリーライターとなる。2015年1月、飯伏幸太vsヨシヒコ戦をきっかけにプロレスに目覚め、以降、「日刊SPA!」、「ダ・ヴィンチ」などでプロレスの記事を中心に執筆。関本大介自伝『劣等感』(ワニブックス)など、プロレス本の編集・構成も手掛ける。2019年にはデビュー作となる『最強レスラー数珠つなぎ』(イースト・プレス)を刊行。

<『最強レスラー数珠つなぎ』とは>

プロレスとは? 強さとは? 生きるとは?

「あなたが最強だと思うプロレスラーを指名してください」

団体の垣根を越え、総勢19名、奇跡のバトンがつながれた。
プロレスラーが「自分より強いと思うレスラー」を指名するーー
「日刊SPA!」連載時から物議をかもした問題作がついに単行本化!

プロレス界のレジェンドも絶賛!

「強い者には常識を打ち壊す力がある!
ムギ子さんにもその資質を感じます」佐山サトル

「強さとは何か?世の男共の永遠のテーマ。
ちょっと変なムギ子さんでなければ書けない本だ」藤原喜明

【登場するレスラー】
宮原健斗、ジェイク・リー、中嶋勝彦、鷹木信悟、岡林裕二、関本大介、
佐藤光留、崔領二、鈴木秀樹、若鷹ジェット信介、石川修司、田中将斗、
垣原賢人、鈴木みのる、小橋建太、髙山善廣、前田日明、佐山サトル、藤原喜明、藤原敏男

イースト・プレスより発売中