Loft Project

【出演】高橋ターヤン、てらさわホーク、多田遠志
【ご意見番】高橋ヨシキ（映画ライター、デザイナー）

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まだだ、まだ終わっちゃいない！

一口に戦争映画といっても様々なジャンルがあります。侵略してきた悪の帝国を迎え撃ったり、人質奪還の命を受けたワンマンアーミーが敵地への潜入を試みたり、新兵が戦地で揉まれて立派な兵隊になっていったり…史実にあるような大きな作戦が遂行される裏側にあった上層部の群像劇、敵味方に分かれているはずの軍人同士に芽生えた奇妙な友情などといった戦争における軍人を描いたものから、戦火に巻かれて恋人同士が離ればなれになってしまったり、普通の生活をしていた普通の家族が戦争によって引き裂かれてしまっていったり、戦場となった町が一夜で地獄になってしまったり…といった市井の人々を描くものも増えてきました。

テンションアゲアゲの大スペクタクルもあれば、息詰まるようなサスペンス、恋愛、心が張り裂けるような感傷もあるのが戦争映画であり、端的に言えば大規模な殺し合いの影響で、とんでもない数の人がとんでもなく人生を狂わされてしまうのが戦争というものです。

加え、たとえ戦争そのものが終結した後でも、その影響は当然、一朝一夕で収まるものではありません。戦後のどさくさでの犯罪、暴力の蔓延…愚連隊やマフィアが幅をきかせたり、統治している軍隊と民衆の溝が悲しい事件に繋がるケースも多く見られます。

国の偉い人から連発される緊急事態宣言に振り回されつつ、あの戦争のときもこんな感じだったのでは？と想いを馳せる方も多いのではないでしょうか。

人間同士が殺し合うあの悲惨さとは比べるものではないのかもしれませんが、我々も状況は逼迫しています。
そんな非日常が日常化してしまうことにすら慣れてきてしまっているこの夏に、どっこい生きている我々も、映画の中でどっこい生きていた先人たちからどっこい学べるところがあるのでは？という、どっこい酒飲みイベントです。