2024年11月

14(木)

「今、吉本隆明を問う ‐生誕100年祭‐」

テーマ「三島由紀夫と吉本隆明―天皇制をめぐって」


OPEN 17:00 / START 17:30

会場観覧入場料 2000円(別途1ドリンク代600円必要)
→WEB予約受付中

登壇者:
安藤礼二(文芸評論家)
冨岡幸一郎(文芸評論家・関東学院大学教授)

司会:岡本勝人 (世話人)

 時間の経つのは早いものです。吉本隆明が亡くなって今年で 12 年、俗にいう 13回忌の年です。
 吉本隆明がこの世にいなくなるなんて、生前には想像できなかったのですが、彼に影響され学んだ思想は強く残って生きています。おそらくこれは生涯消え去ることはないでしょう。私たちは彼から学びとった思想や思考を持って世界ヘの問いかけをしているのですが、今なお世界の思想的な混迷は深まり、世界を認識しオルタナティブな構想を持つ思想が不在で、空白となって久しいといった状況は変わっていません。
 それは戦後の日本の状況でした。この中で、吉本隆明は指南力のある思想の提起者でした。それは彼が戦後最大の思想家と呼ばれる由縁でもありました。しかし今、彼にとってかわるような人物が存在しないまま、「世界は何処に行くのか」と各自が自問するしかない状況が続いています。事ある度に私は、彼ならばどのように考えるだろうかと思いました。ウクライナ戦争(ロシアの侵略)が始まった時もそうでした。私は彼と生前に話して、彼の戦争観に大きく示唆されました。それを思い起しながらウクライナ戦争に関する私見をまとめましたが、その過程で、彼の思考や思想に戦争が与えたものの大きさを思い直しました。彼自身、戦争体験が大きく影響したと語っていましたが、そのことが、私が常識的に思っていた以上に、もっと根源的であることに気づきました。彼の「共同幻想」の思想は戦争から出てきたということに。
 吉本隆明が亡くなって今年は 12 年目、生誕100年でもあります。11 月 25日が彼の誕生日です。私たちは、ここでは「祭り」という形で彼の生誕 100 年の 催しを企画します。(世話人代表:三上治)