2024年8月

06(火)

平和についての(あるいは戦争についての)ささやかな集い

Dialogue with MUSIC ~ 音楽と共に語り合う ~


OPEN 18:00 / START 19:00

Thank you SOLD OUT!
入場料:3500円+1drink
※定員に達したため予約は締め切りました
※入場は予約番号(web・電話並列)順にお呼びいたします。

このイベントの予約は締めきりました。

ウォン・ウィンツァン、伊勢崎賢治、鈴木重子、末永蒼生、
Yae、ウォン美音志、ウォン美枝子、南兵衛@鈴木幸一


■ウォン・ウィンツァンより

平和についての(あるいは戦争についての)ささやかなイベントを企画したいと思う。私のような非力なものが、このようなイベントをすることで平和貢献ができるとは思わない。
また、たとえどのような深い祈りであろうとも、変わらないものは変わらない。
でも、私は祈ることをやめたくない。

「すべてには時がある」

この言葉は「コヘレト文章」からのものだ。
それを上手に説明できるものではないけど、今回のイベントはその「時」なのだと感じてならない。
何よりも平和への想いを強く持って、日々活動している友人たちに出会えたことが、それを実現しようとする理由だと思う。
彼らお一人お一人から勇気をもらう事が、今回のイベントの最も大きな目的だ。

■参加アーティストご紹介

○末永蒼生さん:カラーセラピスト・画家
子どもの絵画セラピーを行う「アートランド」を創立。その方法を広く伝える場としてエディターの江崎泰子さんと共に「色彩学校」設立。戦争や災害、虐待などで心の傷を負った人々のアートセラピーを実践している。長崎が故郷であり、画家のお父上が描いた瓦礫となった浦上天主堂のタブローを持参していただこうと思っている。

○伊勢崎賢治さん:
平和学の研究者であり、アフガニスタンなどの紛争地などで武装解除の指揮などを実践している実務家でもある。
ご親戚がサイパンで玉砕されている。
またトランペッターでもあり玉砕をテーマにした曲を演奏していただくことになる。

演奏曲:
「コラテラル」(伊勢崎作曲)

○鈴木重子さん:
ジャズシンガーとしての活動を経て、今は魂の歌を深く追求し続けている。
そしてNVC(ノン・ヴァイオレント・コミュニケーション)による、平和の実現の活動をパートナーの安納献さんとワークショップを続けている。

演奏曲:
イマジン(ジョン・レノン&オノ・ヨーコ)/ 夏、祈ったこと(鈴木重子作詞 ウォン作曲)/ 光を世界へ(ウォン作詞作曲)

○Yaeさん:
半農半歌手というスタンスで、ローカライゼーションを実践しながら、平和の歌を伝い続けている。
東日本大震災後の支援などアクティブな活動をしている。

演奏曲:
「名も知らぬ花のように」 (加藤登紀子&Yae作詞、Yae作曲)/ 「一本の鉛筆」(第1回広島平和音楽祭で美空ひばりさんが歌唱した反戦歌)/ 「ナチュリティ」(ウォン美音志作詞作曲)

○ウォン美枝子さん:
パートナーのウォンと共に、さとわミュージックが関わる平和活動を実践してきた。
今回、平和をテーマにグラフィックとインスタレーションを提供する。

展示作品:
「瓦礫の墓標(9.11ピースアートポスター)」/ 「If There Were No Mines~もしも地雷がなかったなら」ほか

○ウォン美音志さん:
今回は音楽面でのサポートやプロデュースで参加してもらうことになる。

演奏曲:
「それでも僕らが前へと進む理由」(美音志作曲)

○南兵衛さん(鈴木幸一さん):
311以降の日比谷公園で行われ続けてきた「Peace On Earth」の主催者である。
今回、私と共催企画をしていただくことになった。


<人類が戦争のくびきから解放される日>
自分はなぜこれほどまでに戦争のことが気になるんだろう?
現在進行しているウクライナ紛争やガザでのジェノサイドの情報を、酷く恐れ、出来れば避けたいと思っているのに、何が起きているのか知りたいという情動に抗えず、追いかけ続けている。
もしかして私は戦争が好きなのではと自分を疑うほどだ。
思い起こせば高校時代にベトナム戦争の報道、あるいは東大闘争安田講堂の暴力的な報道に、どうしょうもなく戦慄し、でも食い入るように画面を見つめていた。

最近はインターネットが普及し、戦争の現場の陰惨な映像が直接的に届くようになった。
しかも加害する方が、その犠牲者への残虐行為を、これみよがしにインターネットにアップしている。
悪魔の所業としか思えない。
暴力的なシーンを一度見れば、しばらくそのトラウマから抜け出せなくなり、心身の状態は最悪になる。
にもかかわらず見るのだ。

問題を乗り越えるためには、問題に直面するしかない。
そのようのして、私たちはさまざまな内的な問題を超えてきた。
しかし「暴力」の問題は、むしろトラウマの再体験になってしまうのだ。
レイプ被害や虐待やDVなど、そして戦争被害者のトラウマからの治癒は一筋縄ではいかない。

私の師匠であった吉福伸逸氏は、よくタナトス(死の欲動)について話をする。
人間の根源的な生命エネルギーには二つの方向、エロス(生の欲動)とタナトス(死の欲動)があると云う。
この二つの方向の欲動を人類は本質的に抱えていると、フロイトは指摘した。
そして戦争の背景にはこのタナトスが深く関与している。
(参照:「人はなぜ戦争するのか」アインシュタイン&フロイト)
タナトス、死の欲動とは「反復強迫」だと斎藤環氏は解説する。
吉福氏がタナトスについて多く語るのは、他ならない彼が強くそれを内に抱えているからなのではないか。
そして私もそうなのだと思った。
中学時代に受けた暴力によるトラウマは、私は今でも苦しみ、乗り超えられずにいる。

さて、人類は戦争のくびきから解放される日が来るのだろうか?
それは意識の成長、文化の成長によってその日は来るとフロイトは言う。
アインシュタインに宛てたフロイトの文章は、第二次世界大戦前に書かれたものだ。
あれから約1世紀がたち、今日までになんと多くの人々が戦争の犠牲になったことだろう。
いや、今も犠牲者は増え続けている。
でも、わたしは楽観している。
必ずその日は来ると、、、

ウォン・ウィンツァン
2024/05/14