| 日本のインディーズ界において強烈なサウンドと唯一無二の存在感でKING OF ハードコアとして君臨し続けるSOBUT。しかし依然、パンク、ハードコアに対する彼等の姿勢は純粋で妥協を許さず、常に前進を続けている。そんな彼等は今年最後、そして20世紀最後のライブの地として新宿LOFTを選んだ、21世紀に向けての第一歩ともいえるそのライブへの意気込みを伺った。 (INTERVIEW:北村ヂン) |
| --今年もSOBUTは「OLD BLOOD DAYS 2000 FINAL PARTY」と題してLOFTで一年の最後のライブを行うわけですけど、そもそもこのイベントを始めようと思ったのはなんでですか。 MOTOAKI OLD BLOOD自体が始まったのが一昨年で、こういう風にFINAL PARTYって感じでやるようになったのは去年からなんだけど。でかいパーティーをやるっていうよりも、一年間自分らがやって来た事の集大成をLOFTでやろうって感じだよね。 YOSHIYA やっぱり俺等が最初にバンド始める時に目標としてたのが、元々西新宿にあったあのLOFTだったからね。LOFTでやるって所に意味があるっていうか。 MOTOAKI SOBUT初めて7年くらいたって、ホールをSOLD OUT出来るくらいになったけど、未だに自分等の中の最高のステータスはやっぱりLOFTなんだよ。そこでその年のファイナルを飾れたらいいなっていうことで続けてる感じかな。 ---今年一年振り返ってSOBUTにとってどんな年でしたか。 YOSHIYA 今年は本当に色んな事があった、内容濃かったね。 MOTOAKI 一年で三年くらい過ごしたような感じがするよ。 ---特に印象に残った出来事ってありますか? MOTOAKI 今年はアジア攻めたね。韓国行ったりしたし。 YOTTSU 来週から中国にも行くんですよ、チャイニーズツアーって事で北京なんかに。多分それもまたすごい印象に残ると思うしね。 YOSHIYA でも、一昨年にアメリカでやって、去年、今年はアジア行ったりと、しばらくすごい海外を意識してやってきた訳だけど、なんだかんだ言ってたどりついたのは逆にやっぱり日本が好きだって事なんだよね。 MOTOAKI 俺等アメリカとかに行ってGIGをやって、あっちの人も凄い盛り上がってくれて最高に楽しかったんだけど、未だに日本人のことをイエローモンキーだとかジャップだとか言うヤツもいっぱいいるわけじゃん。日本に金儲けに来たりしてるのにそういう文句ばっか言って帰ってく様なヤツ等に比べたら、日本の人達の方が最高に格好いいよ。そういうのを今年は本当に認識したな。 ---外に出てみて、逆に日本を再評価したって事ですね MOTOAKI もちろん外に出てなければこんな事は言えなかった。今では逆に海外のバンドとかからオファーとか来るんだけど、結構そういう話を断って日本のバンドと一緒にライブやったりしてるよ。今年頭に「PUNK THIS TOWN」、下半期一発目にオムニバスの「BLOODSHOT BIG TIMES」を出して日本中を色んなバンド達と一緒にツアーを廻ったんだけど、本当に日本のバンドの方が格好いいと思えるからね。 ---日本のパンクシーン自体もここ数年でいい意味での広がりが出てきましたよね。 MOTOAKI そうだね。でもそれはここ数年の話って訳じゃなく昔からずっと続けてやってる人達がいたからこそ、今こういうシーンが出来上がったって事だから。それがなかったらこういう風にレーベルやったり、海外に行ったりとかっていうのもなかっただろうからね。 YOSHIYA 俺から言わせると今シーンが盛り上がってるとかなんとか言われるけど、そんなこと全然関係ないんだよ。シーンがどうとか言うこと自体俺にとっては愚問だし。何でかっていうとパンクロックが生まれてから今まで、別にパンクロックは消えてた訳じゃなくって、たまたま目立ってなかっただけでずっと続いていたんだから。 ---確かに、1970年代にパンクが生まれてから二十数年間、多少の変化はあれ確実に世の中に存在し続けてますからね。 YOSHIYA うん、全くなくなっちゃうジャンルもいっぱいあるからね。ただの歴史の欠片になっちゃうような。 MOTOAKI 継続させたって事が凄いんだよ、ちゃんとシーンとして根付いているんだから。 ---パンクって本当に音楽だけでなく、ファッションにしろなんにしろ、文化としてちゃんと浸透していますからね。 YOSHIYA 本当に文化だと思うよ、曲もそうだし、格好もそうだし、考え方もそうだし、人生自体にまで影響を与える物だと思うからね。 MOTOAKI 俺はパンクがなかったら、このメンバーがいなかったら本当に死んでたと思うね、冗談じゃなくて。 ---今回のFINAL PARTYは2000年の最後であると共に20世紀の最後でもありますけど、21世紀を迎えるにあたってなにか思うところはありますか。 HIDE 今21世紀って言われて初めて気づいたくらいだから別に気負いはないよね。今までと変わらず歩みは止めないで進み続けるだけだね。 YOTTSU 20世紀っていう長い100年の終わりではあるけども、俺の人生おいてはただの通過点にすぎないよね、折り返しではない。ただ20世紀には感謝したいよね、凄い価値ある100年だったと思うよ。 MOTOAKI 俺達が今、世紀と世紀の境目にリアルに生きてるって事には価値を感じるけどね。俺達はあと50年くらいで死んじゃうわけじゃん、そんな短い人生の中で2001年という日を味わっちゃうっていうのは凄い話だよ。昔2001年宇宙の旅とかあったけど、そんなの全然リアルじゃないじゃん。今、ここに生きてるっていう事が重要なんだよ。 YOSHIYA 2001年宇宙の旅か、俺は別にあれはあれで当時混沌としていた人たちに夢を与えたって事ではいいと思うけどね。まあ俺達はバンドだから、格好いい曲、格好いい音でこれからもいい刺激を与え続けて行きたいね。 YOTTSU 音楽やってる以上、曲だとかその伝え方はその時々によって変わっていって、それが時代を担ってるとか言われるわけだけど。いつでも変わらないのはそこに込める気持ちだと思うんだよ。それを奏でる男達がパンクロック! まあ女でもいいけど。 MOTOAKI その通り! まあ俺達は2000年までにベーシックな土台を作れたと思う。だから2001年にはこの土台の上でどこまでも行く、走り続けるのがSOBUTだからね。 ---万全の体制で21世紀を迎えられるって事ですね。 YOSHIYA そうだね、21世紀に残るバンドになる土台は作れたと思う。 ---20世紀に残るバンド、ではなく21世紀に残るバンドですか。 YOSHIYA 20世紀に残るって言うと20世紀で終わってるバンドだからね、21世紀まで自然と残って行き、21世紀中に俺達は死んじゃうんだけど、音だけは残って22世紀にまで語り継がれるようなバンドになりたいね。 MOTOAKI とにかく20世紀の最後にパンクロックのLAUGHIN' NOSE、Oi!パンクをやってるSA。この最高の2バンドと共に最高のFINAL PARTYをやるんで世の中のフラストレーションを全て発散しに来てくれ。 YOSHIYA 俺達は20世紀に生まれたわけだけど20世紀中ににたまったイヤな物を俺達に全部ぶつけて来て欲しいね、俺達がそれを全部楽しみに変えてやる。そして21世紀を楽しく過ごそうぜ。 |