復活20回目

熟春はナンパのシーズンだそうだ!後編&
おじさん東南アジアに行く

 5月末日、ナンパビデオ制作の打ち合わせでヒモ君と会った。なんともヒモ君の機嫌が悪い。どうも先月号のこのコラムの記事に苛立っているようなのだ。「まるでごみ箱を漁っているようなヒモくんを見ていて、彼に対するリスペクトが飛んでしまった」という記事に「むっ」としているのだ。
「平野さん、僕は太めが趣味なんですよ。結構可愛い子でしたよ」と盛んにいいはる。どうもあの記事はヒモ歴12年の彼のプライドに抵触してしまったようなのだ。
 恐る恐るヒモ君に「あの〜 例の盗聴テープ、公開したいんだけど、、、」と聞いてみた。「あ、あれですか、あれ、テープの交換をする時間がなっくてダメでした」と軽くいなされてしまった。
これでは次のナンパ実践講座のビデオ撮影(まだ撮影、インタビュー等が残っているのだ)にも影響が出てきそうだった。私のスタンドプレーに苦り切る加藤うめぞ〜プロジューサー。ヒモ君の名誉の為にこれだけは言うが、ヒモ君はその日も実に礼儀正しくそして、居酒屋での2時間の絶妙な会話とワイン攻撃の後、彼の法則どうりに(ホテルに行く道順まで決まっていて)、ちゃんとホテルまで連れ込む事は成功していた。それは見事であった。しばらくしてホテルに連れ込んだヒモ君から私の携帯に連絡が入った。
「今彼女は風呂に入っています。次の指示はありますか?」何となく面白くなかった私は思わず「勝手にしろよ!」と言ってしまった。これも素人監督の私のあさはかさ、ヒモ君との軌道修正には時間がかかりそうだ。それをするのはうめぞ〜だ。それ以来ヒモ君は私と口をきいてくれない。
 と言うわけで今月号の「おじさんの眼の後編」は断念する事になった。多分後編に期待していた人は居ない(やはり太めじゃ〜ねえ〜?)だろうけど、本当に申し訳ない。

 今私が舞い上がっているのは6月18日より出発する「何でも見てやろう!バックパッカー初級講座東南アジア編」のビデオ、単行本の制作だ。
 これが又すごい企画なのだ。約20年前5年間で80カ国を世界放浪した私と同行するのは現役バックッパカーウクレレ氏(28才現在30カ国制覇中プラスワン不定期バイト中)そしてバックパッカー志願者、紅一点大内嬢(22才)と3人で3者3様のリアリティのある旅の模様を繰り広げるのだ。

 むろん張り切っているのはウクレレ氏。早速航空券を買いに走る。東京ータイ往復3万3千円(なんとバングラデシュ航空、この国世界最貧国だろ〜。たとえ落ちても補償金は?)1カ月フィクス。とにかくどれだけ安く3人が1カ月間でタイービルマーラオスーカンボジャーベトナムに行って帰ってこれるか、が勝負なのだ。そして、今やインチキ旅物がテレビ等ではやっているわけだが、「本当のバックパッカー道」とはどんな旅をするのかを、20年前バックパッカーであった私と、現役のウクレレ氏で教えて進ぜようと言うことなのだ。勿論大内嬢には本当ににっちもさっちも行かなくなったとき以外何のサジェスチョンを与えない。「とにかく君、我々は君が取る行動の一部始終を撮るのが目的なんだから、自分で全部調べて、行動するように。だからタイ空港に着いたらどうするかから考えてきて欲しい。多分カウサン地区に1泊300円位で泊まれるところがあるはずだから調べておくように、、後はそこの宿屋で情報を得るために色々なパッカー連中と接触するように、、。今決まって居ることはバンコックに行ってその次の日にメサイに行ってイリーガルでビルマに入って23日バンコックに戻って25日には船でラオスに渡りたいのだよ」と冷酷に宣言する。「え!地球の歩き方1冊で充分ではないの?」と私。「ダメですよあんなの、あの本だけだと本当の旅は出来ません。日本人のうじゃうじゃいるコースを行くだけですから」とウクレレ氏「あの〜イリーガルってなんですか?」と大内嬢。平気でそれを無視するウクレレ氏。「まさか、我々が全部用意して、その後を君がのこのこついて来ればいいとは絶対勘違いしないように。航空券は誰でも買えるので俺が買ってしまってけれど、これからは全て君自身がやってもらうからね!」「私、別に旅には興味ないし、タイの隣の国がどこかも知らないし、、、気も弱いし、体も弱いし、英語は全くしゃべれないし、、、」と続く。「おいおいこれはどういうことだんべ!」と我々は絶句してしまった。だがもう後戻りは出来ない。この人選、あるパワーのある男(21才)を連れていくはずだったのが、奴はシャブでぱくられていて、現在執行猶予中でダメと分かったときたまたまそばを通りかかったのが彼女だったのだ。瞬間的に素人女性を連れていったら面白そうだと思った。彼女もプラスワンのアルバイトなのだ。「おい、大内、一緒に旅にいくか?」「はい、行きます!」これだけの会話しかしていないのだ。この企画、テレビ局やビデオメーカー(ビデオカメラまで借りている)、出版社にも出してしまったし、ある女性誌では連載の企画まで上がっているのだ。
「悠さん、大丈夫ですかね〜?」「うん、彼女が日々たくましくなっていくのを見るのも面白そうだし、でも、やばそうだから保険だけは入っておこうよ」と私。

 さて、ウクレレ氏の決意を聞いて私も焦ってきた。みんなのお荷物になるのは避けたいと思った。確かに本当のバックパッカー道とはしんどいものなのだ。だが、バックパッカーって決して「探検家や冒険家」ではないのだ。だたそこの住民と同じ行動形態をとって旅をしようと言うことなのだ。
 そして、私は過去エチオピアでマラリアにかかっている、この20年間で2度再発しているのだ。マラリアの再発は体力が消耗したときに起こる。なんとか体力は作らねばと、アスレチッククラブで走って、泳いでと短期間の体力作りに挑戦したはいいけれど、現在完全体を壊してしまって、風邪まで引いてしまった。現在54才果たしてそんな旅が出来るのかどうか?一番初めに根を上げて、「もう、こんな旅いや!」というのが私のような気がしてきた。

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