【2016/09/01】 SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY
40YEARSx40LIVES FIRST DAY SPECIAL 2 MAN
「ザ・クロマニヨンズ / ニューロティカ」

 新宿ロフトならではの好2マン! ザ・クロマニヨンズとニューロティカが対決する日が来るなんて考えたこともなかった。新宿ロフト40周年記念企画「40YEARS x40LIVES」初日にふさわしい、最も意外で最もレアな2マンだろう。
 この日についてのMCは、こうだった。
「クロマニヨンズのメンバーの皆さんがニューロティカを押ししてくれて、40周年ロフトの記念に対バンが出来ました、ありがとうございました」と、あっちゃんが感謝の言葉を述べると暖かい拍手が送られた。ロティカは84年の結成以来、新宿ロフトがホームといってもいいほど多くのライヴ、イベントを行ってきている。そんな彼らをザ・ブルーハーツ時代から知る甲本ヒロトは、「今日はロフト40周年。昔、ロフトは小滝橋通りってところにあって、今日は小滝橋通りにあった時の空気を分かちあえる、ニューロティカと一緒にできてよかった。(岡山から)東京に憧れて出てきたんですけど、僕が憧れた東京は、六本木でも銀座でもなくて、新宿ロフトでした」
 新宿ロフトの歴史は、彼らアーティスト、バンド達がオーディエンスとともに作ってきたのだ。そして彼らは今夜もその1ページを記していく。

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 先攻はニューロティカ。あっちゃんがスイカの扮装で歌う「スイカマン」を幕開けに、続く「ガンツタレナガシ」でお馴染みの白塗りピエロになったと思ったら「夏・渚・17歳」では首にかけたサーフボードをブン回し、9月になった途端にぶり返した残暑を吹き飛ばす。「今盛り上がんなくてどうすんの、今でしょ!」と煽り、最前列のオーディエンスが一斉にテープを投げれば一気にロティカ・ワールドだ。楽しくてアツい、これぞ日本のファン・パンク。


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「検索すると”15の夜”が出てくるから。そのために作った曲」とネタを振っての「五十の夜」で大人の悲哀を明るく歌い、「ロック酒場」で気炎をあげる。タオルが威勢良く回った「気持ちいっぱいビンビンビン」は、お客さんのメガネを借りて定番シンバル蹴りも大成功。
 熱気とともに名調子になるMCで9月25日に敢行する新宿アルタ前フリーライヴを告知し、そこでも歌うと宣言したメジャー・デビュー曲「ア・イ・キ・タ」は、10代から50代まで世代別コール&レスポンスで盛り上げて、ラストの「飾らないままに」まで突っ走った。


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「オーライ、ロックンロール!」
 カーキ色のアーミージャケットを素肌に来たヒロトの掛け声で始まったザ・クロマニヨンズは「弾丸ロック」「タリホー」「ギリギリガガンガン」と加速して、「紙飛行機」は重量級のぶっ飛び方でフロアを揺らし、「今夜ロックンロールに殺されたい」はリアルな叫びになった。
 目の前で汗を飛ばしながらヒロトが跳ねて、マーシーはクールにギターを弾いている。コビーの汗が光り、カツジのベードラの音が体にぶつかってきた。東京ではホールやデカ箱でのライヴが殆どだから、こんな距離で彼らのライヴを見るのは本当にレアな体験だ。4人が全力でステージに立っている迫力に、鳥肌が立った。冒頭に紹介したMCに続けてヒロトが、
「あっちゃん、メチャクチャ喋ったから、僕も一言ぐらい、いいこと言って帰ろうと思った。じゃあ、最後まで楽しんで行ってくれ!」
フロア中で腕が上がって応えると、「スピードとナイフ」「炎」とポップな曲が続き、「オートバイと皮ジャンパーとカレー」でマーシーのギターがご機嫌に鳴った。ハープを手にしたヒロトが「エ・エ・エ・エイトビート!」と叫び、拳を突き上げればサビは大合唱だ。一息入れてヒロトが言った。
「ここに立つと、アナーキーの(中野)茂とか、おりそうな気がして。ふふふ」



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 マーシーのサイケなギターとヒロトのハープのアガリっぷりが半端なかった「草原の輝き」に、パワフルな「底なしブルー」でブルース魂を見せつけられて、ワンマン観てるような気分になっていたら、それを見透かしたようにヒロトが言った。
「ニューロティカ素晴らしいライヴでした。勝負する気はありません。せめて曲の数で、珍しく勝負させていただきます!残り5曲ぶっ飛ばしていくぜ!」
 「突撃ロック」「雷雨決行」、ジャケットを脱いで上半身裸になったヒロトのハープで始めた「ナンバーワン野郎」、マーシーが切れ味抜群のギターを聴かせた「エルビス(仮)」、ラストの「クロマニヨン・ストンプ」まで言葉の通りぶっ飛ばした。
「ありがとう、LOFT、ありがとうあっちゃん、ニューロティカ、また絶対やらせてください!ロックンロール!」
 いつものように「またねー」と優しく手を振ってステージを降りたマーシー、コバとカツジも満足そうだった。大きなイベントとはまた違った密度の2マンは、格別の手応えだ。ライヴハウスならでは、新宿ロフトならではの、「40YEARSx40LIVES」は見逃せない。(TEXT:今井智子 PHOTO:柴田恵理)


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