【2016/04/22】SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY "初恋の嵐×メレンゲ"

初恋の嵐とメレンゲ、新宿ロフト40周年で念願の初2マン!中田裕二、堂島孝平も。
(photo Mami Naito / Live text イシハラマイ)





4月22日(金)東京・新宿ロフトにて、40周記念公演「SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY“初恋の嵐×メレンゲ”」が開催された。初恋の嵐のゲストヴォーカリストとしてメレンゲのクボケンジが参加するなど、かねてから交流があった2組だが、意外にも2マンライヴを行うのは初。満を持してのイベントとなった。

まず登場したのはメレンゲ。サポートに松江潤(Gt.)河野丈洋(Dr.)山本健太(Key.)を迎え、5人体制で始める。クボケンジ(Vo/Gt)のMCによると、なんとこの日が2016年の初ライヴだという。「みんな待ってた?」と照れ笑いするクボに、心待ちにしていたファンは、割れんばかりの歓声で応えた。タケシタツヨシ(Ba/Cho)のベースが効いた銀河系ポップナンバー「さらさら’90s」、松江がロックンロールなリフを連発させた「アンカーリング」と、序盤からハイテンションに畳み掛ける。

カラフルな照明に照らし出されて始まったのは、80年代の電子音楽を彷彿とさせるナンバー、「ミュージックシーン」。バンドメンバーとフロアが一体となって巻き起こしたハンドクラップが、曲の持つ高揚感をグッと引き上げる。「(ライヴの前は)普段は緊張してイヤになるのに、今日は早く出たいと思ってた」というクボ。ハンドマイクで体を揺らしながら歌い、歓びをあらわにする。

山本による美しいピアノの旋律と、河野の緊張感漂うドラミングの「楽園」で、ステージはいよいよ佳境に入る。アコースティックギターを爪弾きながら、「underworld」を歌い終えると、最後のMCへ。「ほんとに会えたら、“好きだわー”って言いたい」、とクボ。今は亡き、初恋の嵐の西山達郎に向けた言葉だった。ラストは「ムーンライト」。語りかけるように、訴えるように歌うクボの歌と、やわらかで壮大なバンドのアンサンブルが、会場全体を優しく包み込んだ。

続いて、初恋の嵐が登場する。鈴木正敏(Dr)、隅倉弘至(Ba)そしてサポートにHicksvilleの木暮晋也(Gt)、玉川裕高(Gt)、高野勲(Key)という布陣で、1曲目「どこでもドア」を披露。ヴォーカルは隅倉がとる。2002年に西山達郎が急逝して以来、幾人ものゲストヴォーカルとライヴをしてきた初恋の嵐。この日も2名のゲストヴォーカルを迎えた。1人目は、つい先日まで隅倉がサポートベースとしてツアーに参加していた中田裕二。初参加ながらも、まずはファンクチューン「ジョイント」を歌いこなしてみせる。歌謡曲調の「Good-bye」では中田節が炸裂。妖艶な歌声を、隅倉のムーディなベースラインが撫でて、息の合ったパフォーマンスで魅せた。

透明度の高い歌声で「君が待つ場所」を歌ったのは鈴木だ。全てをゲストヴォーカルに任せるのでなく、隅倉、鈴木の両名も歌う。この選択には、彼らの愛と決意を感じざるを得ない。そして2人目のゲストヴォーカルは、アルバム『セカンド』にも参加しており、ライヴでもお馴染みの堂島孝平だ。十八番の「Nothin’」を流石の歌唱力で聴かせる。続く「あの娘のことば」では、まるで少年のような堂島の歌声と玉川のコーラスとのハーモニーが心地良い。最後はフロアのミラーボールが回り、ロマンチックな「星空のバラード」を隅倉が歌って、締めくくった。

アンコールはスピッツがカバーしたことでも知られる、「初恋に捧ぐ」でスタート。ヴォーカルはメレンゲのクボ。弾けるサウンドに負けじと、西山の描く青くてあやうい焦燥を熱っぽく歌い上げた。隅倉が「ロフト、40周年おめでとうございます!最後にもう1曲、クソ長い曲をやります!」と宣誓し、「touch」へ。木暮と玉川の2本のギターが織り成すブルージーなグルーヴが、どろりと空気に纏わりつく。しかし、これだけでは終わらない。「ここからが本番だ!」と隅倉が吠え、次から次へと出演者がステージへ。中田は木暮のギターで、渾身のソロをぶちかまし、山本、松江とメレンゲのサポート陣も登場。堂島はハープを吹きつつ、トークでもファンを楽しませる。

そしてこの日、隅倉らは熊本地震への募金を呼びかけた。ステージ上でメンバーも募金し、鈴木は募金箱を持ってフロアに降り、協力を仰いだ。その間は中田がドラムを叩き、他の出演者たちも皆、ギロやシェイカーを手にパーカッション要員に。最後は一大セッションを巻き起こしての、大団円となった。


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