別冊宝島『交通取り締まりのタブー!』 BOOK
寺澤有+小谷洋之(宝島社)1400円+税

理不尽な取り締まりには異議を唱えろ!
 な、なんと。私が住む京王線桜上水の駅前本屋で、この本が一番良い場所に平積みになっていたぞ。まさか私の大好きな寺澤有の著作が平積みなんて信じられなかったな。と言うことはこの本は注目赤丸急上昇なのだ。ホント警察は天下りのお金が欲しいだけなのに、やっかいな奴を捕まえてしまったもんだと思う。今や警察の交通 取り締まりは、日本の「道路行政」の無策に乗っかって、違反者摘発、有無も言わさずの反則金の徴収はまさに「入れ食い」状態なのだ。寺沢の方も「例え冤罪でも数万円の罰金を払えば済むのに」彼は何十万のお金と時間がかかる裁判に持ち込む。日本の裁判の有罪率は97.7%(一審・1973年)なほど、日本の裁判は警察、検察が出した証拠を追認する儀式でしかない状態の中で寺沢の戦いは続く。
 この有名な警察官僚の不正疑惑摘発専門家「反権力の一匹はぐれ狼の寺沢有」がかの悪名高き「オービス」で12キロの速度違反に引っかかったのだ。寺沢氏の自負は過去15年間毎日の様に自動車は運転しているが今まで無事故無違反であった。2000年10月寺沢は通 知書の通り埼玉県警交通課に出頭する。寺沢は取り調べの警察官から証拠写 真等を見せられ驚愕する。なんとその時出していたスピードも15キロ、そのオービスのある現場を通 過した時間すら違っているのだ。寺沢は当然否認し、警察はオービス(速度計量 機)に絶対間違いはないという。機械に間違いはないと言う警察に、あの反オカルト教授の大槻義彦教授まで引っ張り出しての「機械神話」に挑戦する。これがとてつもなく面 白い。寺沢は声高に言う。「速度違反、駐車違反不尽理な取り締まりには敢然と異議を唱えろ!」。(平野悠

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季刊「TATSUORO MANIA」no51 2004 autumn  MAGAZINE
山下達郎ファンクラブ会報誌
90円切手を同封の上、次の宛先まで申し込むと詳しい案内が。〒150-0001 東京都 渋谷区神宮前3-34-6 スマイルビル 山下達郎オフィシャルファンクラブ「入会」係

達郎も昔苦労したロフト時代を忘れていなかった

 その昔、荻窪や西荻窪ロフトのブッキングをやってくれて、当時のロフトにユーミンや大瀧詠一、細野晴臣さん達までブッキングしてくれた前田祥丈(エンサイクロペデア代表)と会って、山下達郎さんのフアンクラブ会報の写 真提供を頼まれた。そして実は先日その写真を返して貰うついでに一杯飲んで、この会報をいただいた。なんと、豪華な会報だこと。表紙がとり みきさんだし、オールカラーだ。「達郎ゆかりの地を訪ねて」というコーナーの見開きに「ロフトはやっぱりいちばん思い入れのあるライブハウスだね」というタイトルがついていて「そうか?達郎も昔苦労したロフト時代を忘れていなかったか?」って思ったら何かうれしくなった。う〜ん確かに達郎のシュガーベイブが解散したのは荻窪ロフトだったな。「ロフトでユーミンを見に行った事があるな。……ユーミンと僕と松任谷正隆と3人で焼うどんを食べた記憶があるよ。……ロフトでシュガーベイブ見たって言う人が、今業界のいろんな場所にいるからね。まあ、凄いことだよ。テレビのプロデューサーだとか広告代理店の社長とか、そういう人たちがロフトの客だったからね」(記事中より)なんて書いてある。ふむ、何かそんな記事を引用して威張っているみたいで嫌なんだけど、、ロフトも来年で35年を迎える。長いことやっているとこういう事もあるよな〜って言うのが正直な感想。。わたしゃ『ソングス』しか聴かないが、最近の達郎さんはどんな活躍をしてるんだろう? 影響力のある人なんだから、坂本龍一みたいに社会的なメッセージを発信して欲しいと思うのは私だけか…?(平野悠)
全裏手口!「オレオレ」事件簿 −誰も逃れられない…  BOOK
日名子 暁:著/藤波 俊彦:漫画(廣済堂出版社) 1500円+税

詐欺だと判ったときの安堵ったら。。。。。
 「電話一本でカネ出す方がおかしいんだよ」って私も思ってた。本当に本当に本当にっ!
 でもあの日の電話を境に、私のその自信は文字通り音を立てて崩れたし。少なくない時間、電話不信(一緒にいたおばあちゃんは、電話恐怖症)にもなったりした。そうです、先日私も“オレオレ”もとい“振り込め詐欺”未遂に遭遇しました。本書でいえば、恐喝型。文字にすると笑っちゃうんだけど、「妹が彼に少なからぬ お金を借りて、返済不能となり、このままだとさる所(ソープなど)の指定の場所で働いてもらう事になるが?! どうするよ」っていうシナリオ。泣きじゃくる偽妹と偽債権取り立て係(最初は丁寧、話を進めるごとにその筋の人と思わせるくらいの恐喝姿勢に)とに、まんまとだまされました。向こうの仕掛けて来る戦術にまんまとのせられました。
 「その筋の人なんだ」って理解してしまってからは、金額と言うより「なんとかして妹を助けねば!」しか頭にない。「簡単に振り込むな!」ってさんざんTVなんかで言ってるのに、お金をおろす段階まで“オレオレ”のストーリーを詐欺グループと一緒に紡いでしまったのだー! 本書にその手口が余す所なく紹介されているので、“オレオレ”未経験のかたは、対策を立てるべし。こちらの個人情報をパーフェクトに近い所まで握っているケースもあるし、大体、今の“オレオレ”詐欺師は“オレオレ!”から電話はじめる事なんかしないよ。日に日に進歩して巧妙の一途辿っているのだからね。世間では“オレオレ”詐欺という呼称をやめて、“振り込め”詐欺にした方がいいよ。それと、「“オレオレ”なんか今更じゃない〜&終わったよね〜」って思った、お気楽極楽&我関せずな大多数な皆様……その安穏とした今日に感謝しなさい! 明日は我が身です。 私はあの電話忘れられないし、詐欺だと判ったときの安堵ったら無かった、一生忘れられないよ。 (PLEASURE-CRUX あらちえ)

「中島らもの誰に言うでもない、さようなら」  BOOK
中島らも/鮫肌文殊(メディアファクトリー)1400円+税
笑って、歌って、語っていた
  「悲しさも、情けなさも、愛しさも、恋しさも、野蛮さも、ズルさも、若さも、老いも全部の気持ちに正直な人間。流れ込んでくる自分や人の想いを見つめるだけで日がくれちゃう。そんな面 倒すぎる作業を、らもさんは日々しているのかもしれない。そして、鮫肌さんやアトムさん、ゲストの人たち、主催のダ・ヴィンチの岸本さん、らもさんの周囲にいる人たちも。みんなその面 倒を、笑いをもってやっている。そんなオトナがいてくれると思うと、この世にいることが『ああ、よかった』と思えて仕方がない。」
 暑苦しい文章です。2003年の今頃に書きました。「らもはだ」が初めて本になった時にROOF TOPに書いた文章です。出所後にお渡しした際も「ははは」って笑ってましたけど。私は3巻目のこの本を読んでも、やっぱり同じ気持ちになります。
 そのうちイベントやります。らもさんが「そこ遠いし、めんどう」って言っても、やりますから。(斉藤友里子)
モーニング娘。×つんく♂2 BOOK
能地佑子 (ソニーマガジンズ)1800円+税
それでもモーニング娘。はおもしろい
 デビューして既に8年目を迎えたモーニング娘。
 現在のメンバーはいわゆる4期から6期までで構成されていて、浅ヤンの頃とはグループ自体もかなり変容している。「ラブ・マシーン」「恋愛レボルーション21」などの大ヒットを飛ばしていた黄金期に比べると、人気が低迷していることは否めないが、じゃあ最近のモーニング娘。がつまらないかと言われれば、全然そんなことはない。確かに初期のメンバーは既にいないが、逆に永遠のエースだと誰もが思っていた安倍なつみが卒業してしまう所にこそモーニング娘。の魅力がある。それは存在理由と言い換えてもいいだろう。
 常に変容し続けるグループ、モーニング娘。の魅力に迫った本として各メンバーへ徹底インタビューした『モーニング娘。×つんく♂』という本があるが、その第2弾が今回紹介する『モーニング娘。×つんく♂2』だ。著者は前作同様、能地佑子。音楽ライターとしては一流の能地さんだが、この本について言えば、音楽ライターというよりは、娘。たちの成長を見守るお姉さん的な立場でインタビューを行っている。普段の取材では絶対に訊かれないようなつっこんだ質問に対して、各メンバー達が真剣に答えている様が手に取るように伝わってくる。特に、5期、6期のメンバーは、一人でインタビューを受けることはめったにない機会なので、この取材に臨む意気込みは相当なものだろう(そして期待通 りその内容は面白い!)。現メンバー+つんく♂の他に中澤裕子ら卒業生のインタビューも収録されている。カラーページの写 真もかなりいい出来上がりで、モーニング娘。関連本としては最も濃密な内容を誇るアイテムと言えるだろう。(加藤梅造)
涙の怪獣パーティー BOOK
著:スケートシング/監修:円谷プロダクション(飛鳥新社)2300円+税
神髄はウルトラ・ファイト?
 ウルトラ怪獣のコラージュ写真(飛び出る立体写真!赤青メガネ付き)に物語調のセリフが書かれていて、昭和の怪獣ソノシート現代版? 本を手にとった時には「オシャレに特撮を扱うことも大丈夫になってきたのね」と思ったぐらいだったけど、読んでみてたら「この人たち本気だ!」に変わった。
 かつてビデオがなかった時代に記憶でしか留めることができなかった頃の特撮番組体験者。だからこその自由さか、怪獣ダンス・パーティーという設定で物語調のセリフは斬新だけど、その神髄はウルトラ・ファイトのよう。なにより高木完さんの文章で、ウルトラシリーズ造型の祖・成田亨さんと高山良策さんのことが触れられているのがうれしい。
 お二人の名をこういった本で見ることができるとは思わなかった(「原宿ガール」と「円谷操演」という文字が並ぶとも思わなかったけど)。「怪獣」を好きな人が刷り込まれた記憶を頼りに、「空想特撮番組」を部分的でも何とか違う形で引き継ごうとしている精神を感じたのは確か。まぁ、そんなお堅いこと言わずお酒を呑みながら、ウルトラ怪獣に合いそうな音楽をかけて3Dを楽しんでみるのもおつ!「ストリート系ウルトラ怪獣」をチェキラ☆(斉藤友里子)
半径50センチのできごと BOOK
Oka-Chang (主婦と生活社)1400円+税

 mixiという空間だからこそ生まれた日常
 僕が最初にOka-Changに会ったのは、敬愛する作家・石丸元章から奥方として紹介された時で、もう何年も前の話だ。その頃『an an』等のモデルをやっていたOka-Changは、それはもう別世界の人のような美人で、以来、僕にとって石丸夫妻は、渡部篤朗&里佳子など足下にも及ばないようなカッコイイ夫婦第1位 となった。
 昨年の秋頃だったか、何年かぶりにOka-Changに再会した。それもプラスワンで。なんとOka-Changはモーニング娘。のファンだということで(この日も確かその手のイベントだった)、それを聞いてグっと親近感を抱いたりした。しかし、それよりもっと驚いたのは、石丸さんと離婚していたという事実だった。そりゃぁ、何年もたてば男女の関係なんてどうなるかわからないが、しかし… 憧れていただけに少しのショックを覚えた。石丸さんがシャブ中で捕まった時も別 れなかったのになぁ、などと。
 本書『半径50センチのできごと』は、昨年、石丸さんと別居した頃からの日記とそれより少し前から連載していたエッセイ、そして、写 真家・吉永マサユキ撮り下ろしの素晴らしい写真から成っている。しかもこの日記というのがmixi上に書かれたもので、日記へのコメントも部分的に掲載されている。そのコメントをつけているのが吉田豪、掟ポルシェ。、宇多丸、ドーベルマンといった(ロフトプラスワンではお馴染みの)曲者達で、日記の内容はもとよりその後のコメントのやりとりがまた面 白い。もともとOka-Changのmixi日記はすごく評判だったのだが、今回本という形で読んでみて改めてその魅力を実感した。もっともOka-Chang本人にとっては離婚や愛猫の死などつらい内容が多いのだが、読者としては、それがこうした作品に昇華されたことに惹かれてしまうのだ。現在、Oka-Changはmixiから退会してしまったが、「mixiって何? おもしろいの?」って言う人がいたらまずは本書を薦めてみようと思う。(加藤梅造)

ともだち刑 BOOK
雨宮処凛 (講談社) 1400円+税
「ともだち刑」を中学時代にくらったら、 それは最も重たい刑だ。
 「ともだち刑」を中学時代にくらったら、それは最も重たい刑だ。ともだちだった関係が次第にバランスを崩していき、支配・被支配という関係に変わる。ともだちだった「あなた」の存在は「わたし」の中で大きくなっていく。 先日ロフトプラスワンにて行われた、映画PEEP"TV"SHOWの公開記念イベントも大盛況だった、雨宮処凛の最新作。初めて本を読ませていただいのだけど、最初に彼女のことを知ったのは維新赤誠塾というバンドで、その後、ミニスカ右翼と呼ばれていた頃の印象が強くパフォーマー(?)という認識だった。文庫を含めると10册目となるこの作品は、彼女自身の原体験ともいえるいじめがテーマ。現在の私と中学時代の私とが交互に現れ物語りは展開する。「ともだち刑」を書いた理由がとても興味深いので、その一部を引用してみる。 福井県で三十三歳の男がしかけた手製爆弾が爆発した。しかけられた家は男の高校時代の同級生で、爆弾をしかけた動機は「自分をいじめた同級生に仕返しをしたかった」からだという。男は逮捕され、昨年九月、懲役十二年の判決を受けた。(中略)その男の家にしかけられた、消化器を改造して作られた爆弾は、しかけた本人が過って安全回路を切ってしまったため、いじめをした男を傷つけることなく、本人だけが大やけどを負い、そして逮捕されるという結果 になった。手製爆弾には、二キロの火薬が詰められていた。遂に成し遂げられなかった復讐の結末はあまりにも無惨で、そうして私は密かに決意した。彼の仇を討とうと。(天野宇久)
「エロイカより愛をこめて」の創りかた  BOOK
青池 保子 (マガジンハウス)1500円+税
人気漫画家が語り尽くす秘話! ああっ少佐が丸狩りに!!!
 「エロイカより愛をこめて」…言わずと知れた超有名スパイアクション少女漫画。いや、その枠でくくっていいのか?と思えるほど、ストーリー、絵柄、モチーフは緻密で、徹底的取材に裏打ちされ考証がしっかりしている(ドイツ軍人も「隅から隅まで正確だ!」と驚いたとか)。それゆえファン層も幅広く、背広着たお父さんまで含む文字通 りの老若男女にも愛されてきた。私個人的には、主人公エーベルバッハ少佐が黒髪長髪の美青年だったことも大きなチャームポイント…さすがにドイツ軍人らは「長髪の軍人?!」とびっくりしたらしいけど(笑)。
 冷戦終結で東西のスパイが暗躍する時代が終わったのと機を一にして、この作品も終わっちゃった…と思ったら95年、見事復活した時は本当に嬉しかった。絵柄は変わり、繊細な足長美青年らは筋骨たくましく、おじさんぽくなっていたが、それもまた良し。そんな大傑作の制作秘話を「ここまで?!」てくらい、著者青池さんが見せてくれる。
 まずはキャラモデルの解説…私、勝手にエロイカ伯爵のモデルをフーのロジャー・ダルトリーと思い込んでいたけど、考えるまでもなくZEPのロバート・プラントだったね。部下の名もジェイムズ君にボーナム君だし。同じ青池さんの名作ギャグ『イブの息子たち』はエマーソン・レイク&パーマーがモデルだし、ロック好きにも興味深い。
 当然007が元ネタであろうとは分かるのですが、まさかマカロニウエスタンまで小ネタに仕込まれていたとは! ほかにも新旧アシスタントさん事情、プロットやネームの練り方(実際の手書きネーム写 真付き!)、紙やインク事情まで公開され、ファンならずとも漫画家/創作家志望者にも実践的に役立つ。おまけに執筆中の怪異現象、アンドロメダ女の恐怖?!等思わぬ 怪談も飛び出すおいしさ。
 大島弓子描く「チビ猫」が少佐の黒髪を三つ編みする合作漫画のお蔵だしもあり、遊び心満載。でも、ホロリとさせる青池さんの家族との思い出などもあってもうお腹いっぱい、死角ナシです! (尾崎 未央)
ドキュメント「超」怖い話〜富士樹海編〜  DVD
竹書房より3990円で発売中!
樹海の中心でほがらかに叫ぶ出版界の風雲児
 プラスワンでもすっかり「ゴミ鍋」でおなじみになった平山夢明氏、実録怪談、小説、映画…と山火事のようにその活動範囲を拡げている夢やんに目をつけたある男がいた。そう、IT界の風雲児ことホリエモンである。ある日ライブドアの招きで高級料亭に呼ばれた平山氏、ふすまをタッとあけるとそこにはTVで良く観た不遜なデb…もといホリエモンが。もちろん初対面 の二人、特に会話もなく黙って酒を酌み交わす。庭からは「カコーン」とシシオドシの音だけが響いてくる。腕組みをし、何やらうつむき加減だったエモン。カッと目を見開いて一言、「平山くん、樹海行ってみないか?」 …というような密談がされたかどうかは全く定かではないですが、怪談界とIT界の風雲児ががっちりタッグを組んでお送りするシリーズ第1弾、「富士樹海編」がDVDになったわけっす。これがまた今までの心霊スポット史をくつがえすような作品でして… 普通 はいけにえとなったリポーターがコワいよ〜とリアクション芸人のように進む…のが常ですがそこはさすが夢っち。「こっちこっちー」と極めて朗らかに樹海の奥へ奥へと入っていってしまうのであります。進むにつれ次々と遺品やドシャレにならないブツが見つかってスタッフは青ざめ、吐く者まで現れる中、「がんばるぞー、エイエイオー」と独り気勢を上げ、傍らに打ち込まれたワラ人形を「プレゼントにしようよ〜」とグルグル(素手で!)回したりしている夢っちの姿は、悪しきオーラを逆に吸収してメキメキと力を満たしていっているようにさえみえましたね。なるほど、かようにならなければ怪異なるものの蒐集はできぬ な、と思わせたのでありました…。 次なるプロジェクトは沖縄ロケ、そして平山氏監督の劇映画… 因果 スポットを巡ることによってそれらの活動への活力を吸収している?とまで思ってしまうのでありましたよ。(多田遠志) ※5/9に「ゴミ鍋」、6/23に「平山映画」のイベントあります。
SRL-DVDプレミアムBOX DVD
6090円でアップリンクで発売中
巨大鋼鉄機械大戦闘の有様を是非御自宅で! (会場だと死ぬから)
 SRL=サバイビング・リサーチ・ラボラトリー。アメリカ西海岸を拠点に活動している巨大ロボット戦闘パフォーマンス集団である。巨大な刃を回転させながらマシンが吊るされた肉を切り刻み、轟音を上げてロケット、火炎を噴射し破壊しあうロボットたち…ハードコアな「ロボコン」だ。劇場の外には「ここから先、命の保証は無い」と看板が掲げられている通 り、観客にもマシンの破片や爆風が容赦なく襲い掛かってくる。危険なのは主催者も同様で、リーダーのM・ポーリンは事故によって片手の指全てを失い、足指を手に移植している、と言う豪の者であります。文明批判のメッセージ等々難しい事を考えなくても、ロボ同士が織りなす破壊のドラマと轟音を浴びているだけでもかなりハッピーな気分になります。何せ「マシーン・サーカス」ですから。このDVDに多数収録されたSRLのパフォーマンス集で、怪我や死亡の危険なく御自宅でSRL体験ができますな。 アウターケースは総金属製。凶器になるくらいの重量は十分にあります。DVDやCDはLPよりジャケ映えがしない、なんてもう言わせない素晴らしい出来映え。このケースの為だけにでも買いかと。
 彼らは日本に1度だけ(NTTの招きで!)呼ばれてるんですよ。やはりと言うか日本の税関は火薬の持ち込みを許可しなかったようで、ミサイル大爆破は見られなかったのですが。それでも1999年冬の代々木に詰め掛けた3000人の観客(しかも無料!!)には容赦なく爆音が襲いかかり、火器の代わりに導入された角材発射マシンによって観客の女子が怪我をした、とも言われている伝説の公演、このDVDにはその模様も入っています。また呼んでくれないかなぁ。筆者も当然会場にいたクチなのですが、ライナーによるとSRLメンバー達は中央のタワーに日本側スタッフには内緒で大量 のガソリンを仕込んでおき、フィナーレに爆破することを目論んでいたらしいんですよ、未然に防がれたけど…姉さん、俺、死んでたかも… (多田遠志)
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ライフ アクアティック  MOVIE
ブエナ ビスタ インターナショナル配給 5月7日(土)〜恵比寿ガーデンシネマ他全国順次ロードショー
一度見たら癖になる。
 ビル・マーレー扮するズィスー船長は海の神秘に挑む冒険家。その冒険を記録映画として発表していたが過去の栄光空しく、50歳を過ぎようとしていた。しかも前の冒険では右腕だった仲間を“ジャガーサメ”に食われてしまった。「初めまして、あなたの息子です」という青年も現れて……。過去の栄光を取り戻すため、仲間の復讐を果 たすため、チーム・ズィスーを引き連れて再び航海に出る。“ジャガーサメ”を目指して一一というお話。このズィスー船長のビル・マーレー。彼じゃなかったら、この空気は出ていただろうか。“ジャガーサメ(自分で勝手に命名)”を目指してるくせに途中で忘れるし、女好きだし、嘘はつくし、人のモノは盗むし、めちゃくちゃ。でも悪い噂に傷ついたり妙に繊細(竹を割ったような性格だけど、割ったら内から餅がでてくる感じか)。でもってかわいいんだこれが……。憎めない。『ゴーストバスターズ』を見て「こんな人、好きになっちゃいけない…」と思ったものだけど、『ロスト イン スペース』然り、その母性本能鷲づかみの力はお年とともに増すばかり。そんなビル・マーレーの空気感を盛り上げる、衣装や美術も非常に気が抜けていてかわいく、緻密で幻想的。そんな不思議な空気感の中、人間臭いドラマが展開する。一度見たら癖になりそうな『ライフ アクアティック』。音楽も、素敵。(劇中、船員の一人として登場し、何故か要所要所ギターの弾き語りをしているセウ・ジョルジは元サンバ・ファンク・バンド「ファロファ・カリオカ」。デビット・ボウイ70年代名曲をポルトガル語でカヴァーしている。他DEVOの人も楽曲参加したりしている)(斉藤友里子)
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プライド 栄光の絆 MOVIE
UIP配給 5月14日(土)より全国ユナイテッド・シネマにてロードショー
誇張じゃない、すがすがしくない。 だからこそ伝わる「青い春」。
 スポーツをテーマに青春時代を描いた作品があまり好きでない。「そんな綺麗なもんじゃない」──このジャンルの作品を鑑賞し、今まで何度思っただろう。所詮、映画は造られたものだから実際のスポーツ経験には及ばない。スラムダンクをきっかけに、10年近くバスケを続けている私はそう思い込んでいた。そんな考えを、この映画は圧倒的な迫力とリアリティをもってふきとばした。原作である「FRIDAY NIGHT LIGHTS」は、州チャンピオンを目指した高校フットボールチームの実話を描いたベストセラー小説である。そして、この映画も米国映画協会の「2004年作品ベスト10」に選ばれている。これってすごいことだと思う。実在する17歳の青年たちの青春や、その青さゆえの苦悩と成長が、それだけ多くの人を共感させ、感動を生んだのだから。しかし、いくつの賞をとったとかは、この作品の前ではたいして重要ではない。実際に鑑賞すれば、目の前で繰り広げられる試合に本気で興奮し、その人間模様に自然と涙がでた。このことを伝えたい。
 大舞台に挑む時、人はまずプレッシャーと戦うことになるが、街全体がフットボールに異常なまでの情熱をもつテキサスのチームでは、選手は街のどこにいても声援を送られ、記念写 真をねだられる。そんな有名選手ばりの重圧を17歳の高校生一人ひとりが背負って試合に挑まねばならない。それぞれのプライドをかけたワンシーズンの大会を通 して、彼らは監督に支えられながら、そのプレッシャーを個人として、またチームとして乗り越えていくのだ。こう書くとベタなストーリーに思われるかも知れないが、そこはベースとなった実話の重みとアップテンポな展開により、全く退屈させない内容となっている。
 「完璧はスコアボードの結果ではない。仲間を失望させないと自信をもつこと。ベストを尽くし、生きる喜びを持ち続ければ、それが“完璧”だ。」ここにもまた、安西監督に並ぶ名監督とそれに応えるチームがいる。 (杉浦もも子)
ロフトプラスワンでイベントも開催!!
「楳図かずお 恐怖劇場」
▲「絶食」「蟲たちの家」より
(c)2005 楳図かずお/「楳図かずお 恐怖劇場」製作委員会

●5月29日(日)@ロフトプラスワン 映画
「楳図かずお 恐怖劇場」公開記念!
「楳図かずお 恐怖劇場 ナイト」

画業50周年を迎える楳図かずおの傑作6篇を映像化した『楳図かずお 恐怖劇場』の公開を記念してのトークイベントを開催! 公開に先駆けて一足早く『〜恐怖劇場』の映像も披露、楳図センセイご本人による貴重な作品執筆秘話や今回映像化に携わった監督・脚本家・キャストによるオフレコトークなどが繰り広げられるぞ!
【出演】楳図かずお(漫画家)
【予定Guest】中川翔子、高橋真唯、山口雄大、黒沢清、小中千昭ほか当日飛び入り
Open/18:00 Start/19:00 \1,500(飲食別)
※ 6月から公開の『楳図かずお 恐怖劇場』鑑賞券 (\1,400)ご購入の方はチャージ¥500引き!

楳図かずお デビュー50周年! 2005年初夏、日本が凍る・・・。 ホラーコミックの先駆者<楳図かずお>と、日本が世界に誇る<異才監督たち>による戦慄と恐怖のコラボレーションが実現!

■『蟲たちの家』(『楳図かずお 恐怖劇場』より)
監督:黒沢清/脚本:村井さだゆき/ 出演::西島秀俊、緒川たまき
■『絶食』(『楳図かずお 恐怖劇場』より)
監督:伊藤匡史/脚本:高橋洋/ 出演:上野未来、中川翔子
■『まだらの少女』(『楳図かずお 恐怖劇場』より)
監督:井口昇/脚本:小中千昭/ 出演: 成海璃子、中村有沙
■『ねがい』(『楳図かずお 恐怖劇場』より)
監督:清水厚/脚本:村井さだゆき/ 出演:笠原織人、遠山景織子
■『プレゼント』(『妄想の花園』より)
監督:山口雄大/脚本:林民夫/ 出演:高橋真唯、須賀貴匡
■『DEATH MAKE』(『妄想の花園』より)
監督:太一/脚本:小中千昭/ 出演:アリス、三輪ひとみ

●主題歌(全作品オープニング&エンディング): ルルティア(東芝EMI)

●原作:楳図かずお
●製作:松竹/衛星劇場/ポニーキャニオンエンタテインメントエンタープライズ/小学館
●制作協力:円谷エンターテインメント
●配給:松竹 WWW.UMEZU-MOVIE.COM

6月、渋谷ユーロスペースでロードショー