小倉優子 / フルーchuタルト
KICS-1108 3,000yen (tax in) / IN STORES NOW
 こりん星からやって来たお姫様、りんごももか姫こと小倉優子が遂にフル・アルバムを完成させた。昔と違い、アイドルのお仕事がグラビアやバラエティにシフトしてしまった今の時代に、あえて歌で勝負しようという試みは、OLDアイドル・ファンにとっても非常に頼もしい。思えば、イエローキャブを始めとした巨乳グラビア全盛時に、貧乳、ロリエフィスで勝負を挑んだゆうこりんが、今や雑誌売り上げを左右するグラビア・クイーンにまで成長したのは周知の事実。そのゆうこりんが今度は、歌とダンスのレッスンを基本としたハロプロ軍団(モーニング娘。、あやや、etc)に対し、稚拙な歌唱とおしりフリフリダンスで勝負を挑んだのが、今回のアルバム・リリースだと言えるだろう。しかも、最初のシングル「恋のシュビドュバ」に比べれば格段の成長を遂げており、特に新曲「ビタミンLOVE」は、ゆうこりんの魅力全開のキラキラ・ハッピーチューンに仕上がっている。今後どこまで成長を遂げるのか、大いに期待したい。(LOFTアイドル研究会:加藤梅造)
華原朋美 / あなたがいれば
UICJ-5039 1,100yen (tax in) / IN STORES NOW
 あるアーティストの作品が本人の私生活と必ずしも一致しないのは当たり前のことであるが、ユーザー心理からすればついつい同一視、あるいは近い部分として受け止めたくなるもの。ましてやそれが、誰よりもドラマティックな人生を歩んでいる孤高のアイドル・華原朋美となればなおさらだ。下積みのB級アイドル時代、小室哲哉との運命的な出会いと大ブレイク、小室時代終焉による没落とその後の復活。どこか中森明菜をも思わせる激しい人生だが、朋ちゃんは明菜のようにうらぶれたりはしない。むしろ松田聖子のような不屈の精神が彼女の資質なのではないだろうか。このニュー・シングル「あなたがいれば」は、月9の人気ドラマ『東京湾景』主題歌のカヴァーだそうだが、そんなことはどうでもいい。これはもう、まぎれもなく朋ちゃんの心境を切なく歌い上げた名バラードだ。歌中に引用されるパッヘルベルのカノンが、同じく情念のアーティスト・戸川 純の名曲「蛹化の女」を連想させずにはいられない。カップリングが、かつての大ヒット曲「I BELIEVE」のニュー・ヴァージョン(こっちのほうが断然カッコいい)なのも素晴らしい。朋ちゃんはこのシングル1枚で薄っぺらなアーティストのボックスセットを軽々超えてしまうのだ。(LOFTアイドル研究会:加藤梅造)
漁港 / 鮪(マグロ)
UICZ-5011 1,500yen (tax in) / 11.03 出港
 漁港ってどんなの? ってよく訊かれるので最初に説明すると、本当に築地で働く魚屋さん達により結成された打ち込みのバンドで、曲は魚に関すること以外は一切歌わず、ライヴでは実際にステージでマグロをさばいたりあらゆるヤバいパフォーマンスが繰り広げられ、その超強烈なインパクトによりアッという間に火がつき、何とレコード会社15社でデビュー争奪戦が繰り広げられたがリーダーの森田船長が“冷凍食品は出さない”とCDを出すことをずっと拒み続けた為(笑)、こんなに遅れてしまってたんだが、今回遂に満を持して初の音源リリース&メジャー・デビューとなった。  そんなめでたいこのデビュー・マキシなんだが、いきなり驚く程ポップでメジャーな音として完成されていて、ヘタすると今にもヒットチャートに食い込んで、お茶の間、子供達に浸透しそうな作品に仕上がっている。だからあの漁港の異様なライヴを観たことがある人は戸惑うかもしれないが、それは船長が常々大マジで“みんなが魚をもっと食べてくれれば漁港なんかどうでもいい”と言ってる意志がちゃんと貫かれてるし、それが立派な戦略として今回成立している。なのでこうなったら氣志團くらい…いや、『おさかな天国』くらい大売れブレイクしほしい。応援して鱒!!(LOFT/PLUS ONE:シンスケ横山)
GLEAM GARDEN / future generations
HRR-007 1,500yen (tax in) / 10.06 IN STORES  
 98年の結成以来、幾多ものステージをこなし、実力派のライヴ・バンドとしてその名を広く知らしめてきたGLEAM GARDEN。そんな彼らが6年目にしてやっと、1stアルバムをリリースです。本当に本当におめでとう!! たくさんのファンや仲間がこの時を待ち焦がれていたと思います。20代前半の3人が奏でる、どこか懐かしい雰囲気を持ちつつも斬新な印象を受ける粋で骨太なメロディック・サウンドは、生温くなってしまったメロディックパンク・シーンに強烈な一石を投じるものであると確信しています。「こんな音楽が聴きたかったんだ」と、思わず笑顔がこぼれてしまうのです。「最近、格好良いバンドいないからなぁ」、なんてぼやいている其処のキミ。GLEAM GARDENを聴いたらそんなこと、言えなくなってしまいますよ。彼らはマジでちょっとね、ヤバイです。(TOMO
THE ZOOT16 / RIGHT OUT!
ZT-0009 2,300yen (tax in) / 11.03 IN STORES
 THE ZOOT16は、渡辺俊美が2001年にTOKYO NO.1 SOULSET活動休止中にスタートさせたバンドであり、同時に、彼の店〈ZOOT SUNRISE SOUNDS〉を拠点に活動してきたプロジェクトである。クラッシュやポール・ウェラー、スペシャルズが好みの方にはこの新作『RIGHT OUT!』はたまらない作品となるだろう。一聴してTHE ZOOT16と判る独自の世界を持ったROCKERなサウンドだ! 昨年、ZOOTショップのみでリリースされた限定のライヴ・アルバム『THE ZOOT16 / LIVE』にて聴けるキラー・ステッパー・ダブ「619」も収録されている。ジャマイカ産ではなく、UK経由〜東京培養の、スカやダブのビートが揺れる。その上を滑る、極上に甘いメロディと声! 最高に御機嫌です。(新宿LOFT店長:東田慎二)
曽我部恵一 / STRAWBERRY
ROSE-0008 2,500yen (tax in) / 10.08 IN STORES
 1曲目の「サンデイ」からいきなりギャンギャン攻めてくるこのアルバム『STRAWBERRY』はとてもスウィートでメロウでロックンロールな1枚だ。ライヴではすでにお馴染みとなっている珠玉 のラヴァーズ・ロックンロール「スワン」「シモーヌ」「ストーミー」、どこまでも繊細で儚く奏でられる旋律と優しい歌声が心地よい「ブルーのこころ」、ポップなレゲエのリズムがひたすら気持ちいい「LOVE-SICK」など、曽我部さん渾身のキラー・チューン満載でもう言うことなしです。「STARS」は新曲なのにライヴ音源で収録されておりますが、それも納得の熱気と盛り上がりと楽しさが伝わってきます。曽我部さんノリノリだもんなぁ。そして歌詞も相変わらず良くて激ヤバ・フレーズのオンパレード。“恋のはじまりは 雨のひとしずく”“見てよ 夜が明けるこの瞬間 なんてきれいな色” 何かと人恋しい秋の夜長にぴったりなアルバムですよ。(LOFT/PLUS ONE:白井絢介)
TOKIO / TOK10
UPCH-1368 3,000yen (tax in) / IN STORES NOW  
 9月21日にデビュー10周年を迎えたTOKIOが、ジャニーズ事務所所属アーティストの歴代ヒット曲をカヴァーしたアルバム『TOK10』(これでトキオと読みます)をリリースしました。初代ジャニーズから郷ひろみ、たのきんトリオ、そして彼らのデビュー曲『LOVE YOU ONLY』をセルフ・カヴァーしたものまで、これぞ“ベスト・オブ・ジャニーズ”って言っても過言ではないかも。プロデューサーには曽我部恵一さんや高見沢俊彦さんを迎えて、とにかく聴いて楽しい全14曲。シブがき隊の曲『100%…Soかもね!』はアレンジがガラリと変わっていて、この曲はこういうふうにもなるんだぁって感心したのと、違う一面 を見れた感じがしました。私は男闘呼組の『DAYBREAK』と郷ひろみの『よろしく哀愁』、フォーリーブスの『ブルドッグ』が特に気に入ってます。あとは、もちろん『LOVE YOU ONLY』。10年経った今だからこそできるアレンジで、あの頃とは違うしっとり大人のTOKIOを感じ取ることができるし、TOKIOは本当に音楽が好きなんだなってつくづく思いました。
 世代もジャンルも越えて楽しむことができるこのアルバム。家族で楽しんじゃって下さい。(Rooftop/LOFT WEB班:やまだともこ)
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Dog'gie Dogg Tida / Ronrico
Masao-001 700yen(tax in) / IN STORES NOW

 All Abord!!遂に発売ッ!! ハニーバケットレコーズ第一弾、Tida/Ronrico。
ドッギードッグ16周年&マーチンご生誕ン0年&シェルター2days大成功万々歳記念ってメデタイずくしの7inchッ!!
 Side A Tidaはスチールパンもどきも効果的なラティーノ&沖縄テイストタレナガシのトロピカル・カウビリー・ナンバー。メロや歌は熱いが、爽やかに仕上がっているのがニクイね、こりゃまた。side BのRonricoは同名のラム酒をテーマにしたポップなナンバー。ワントラ、ルーザーズ 、グッドマナーズ、ブレイブライオンから選りすぐりのユニット“Porlies”(tp、tb、t.sax、key)をゲストに迎えたスカでもジャイブでもないドッギー・テイスト満載のナンバー。ザッツ・カウ・トラッシュッ!!
 アドゲンや、グローイング・アップをパロったジャケも、素ン晴らしいッ!!!
 去りゆく夏の思い出に、男気あふれるこの一枚ッ!!! (ハニーバケット・レコーズ主催:おれ様とら様)

TRIBAL CHAIR / there is something in the mind....
MTCS-1002 2,300yen (tax in) / IN STORES NOW  
 本誌内で“EMO”番記者担当みたいなことを揶揄としてよく言われる手前、そもそも“EMO”って何なんだろう? といつも考える。第一、この呼称自体が気に食わない。エモーショナルじゃないロックなんてあるのか? わざわざ“EMO”と括られるロックは他と何が違うのか? 音楽という表現手段も結局のところその人間が発する熱量 にかかっている。その熱量が尋常ではなく高く、聴き手の情感に深く訴えかける音楽を“EMO”と呼ぶのなら、このTRIBAL CHAIRはまさしくエモーショナル・ロックの最右翼と言えるだろう。7月に発表したシングルがTOWER RECORDSの全国インディー・チャート5位にランク・イン、地元・大宮での自主企画の動員は既に200人を超えるなど、めきめき頭角を現してきた彼らの1stフル・アルバム。「LOYALTY」の歌詞にもあるが、彼らの揺るぎない意志と音楽に賭ける魂が全編に鳴っている。“EMO”の狭義にはとても収まりきらない大きな可能性を「Sabotage」という曲に僕は見た。LAST ALLIANCEとの帯同ツアーが現在各地で行われているので、お近くの方は是非に。(Rooftop:椎名宗之)
TRANSPLANTS / TRANSPLANTS
EICP-141 2,520yen (tax in) / IN STORES NOW
 トランスプランツはランシドのティム、ブリンク182のトラヴィス、ラッパーのロブの3人からなるバンドで、正に新しい感じのサウンドが詰まった1枚なのだ。まずメンツからして相当ヤバい! 曲はパンクのインストにラップもあればコテコテのギャングスター・ラップもあり、NYハードコアあり…とまぁ何でもありな感じです。「D.J. D.J.」って4曲目のPVは本気でヤバい。ティムがモーテルの上でギター弾くシーンが格好良すぎる、トラヴィスなんて最強にブッ飛んでる、ロブの2曲目、11曲目のラップもかなりヤバい。つーか最初から最後までブッ飛んでる。この“ミクスチャー”の一言で終わらない独自のスタイルでジャンルから独立した音を出すトランスプランツは、パンクもヒップホップも好きな僕には持ってこいの1枚なのである。2ndが楽しみで仕方ない。(下北沢SHELTER:玉 村尚人)
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HUSH / センチメンタルドライヴ
CKH-006.007 3,150yen (tax in) / IN STORES NOW
 現MEMBERでの最後のALBUMとなる『センチメンタルドライヴ』。このALBUMを聴いていると、私の中で様々な想いが駆け巡る。スピード感のあるアップテンポな曲を聴いていると、楽しそうにジャンプをしながらLIVEを観ているお客さんの光景が思い浮かぶ。そして、ステージ上で満足そうに微笑みながら演奏しているMEMBERの顔が思い浮かんで楽しくなる。
 また、スローテンポな曲を聴いていると、優しい気持ちになり、安らかな気持ちになり、曲によってはちょっと悲しい気持ちにもなる。
 私の中の様々な想いが駆け巡るのだ。  9月24日のLOFTでのワンマンLIVEで、現MEMBERでのHUSHのLIVEは最後となってしまったが、次はどんな“HUSH”を見せてくれるのか、このALBUMを聴きながら楽しみに待っていようと思う。(新宿LOFT:キラ☆)
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The ピーズ / The ピーズ in HIBIYA
KIBM-72 4,800yen (tax in) / IN STORES NOW  
5月16日、雨の野音。オープニングのアビさんによる影アナから、アンコールまでMCも含め28曲、132分のもはや超大作ライヴ・ムーヴィー。当日はこの日を待ち望んだテルテル坊主姿のお客さんで満席。そこにいた誰もがこの日ばっかりは天気でありますようにと願っていたハズなんだけども……。ただ、ずぶ濡れでもなく、しとしと降り続ける雨がこの日のライヴをより強く印象づけたのは間違いない。その生々しい雨の様子も、細かいMCも、当日は気付かなかったあれこれも、ほぼ完全収録のDVD。こざっぱりしたステージといつものピーズのR&R。もうかっこよくて目が眩むよ(笑)。しかし、悔しいほどのこの雨は、やはり野音に住む魔物の仕業でしょうか? だとしたら、魔物さん、これは伝説の野音だと思うんですけど、どうでしょう?(LOFT/PLUS ONE:和田富士子)
髭 / BATTLE OF MY GENERATION
JHCA-1002 1,800yen (tax in) / 10.06 IN STORES  
 SEX&DRUG&ROCK'N ROLLっていう言葉を代名詞にする人達がいるとして、その言葉に負けていない人達ってどのくらいいるだろうか? 確かに1つ2つは誰もが認めるくらいイキきってたとしても、何かが一つ欠けていたりして。でもこのバンド、髭(HiGE)は違った。掴もうとしても掴めないあの感じ、須藤から発せられる妖艶な声、ライヴに漂う怪しい匂い(笑)もみんな含めて、特に代名詞にもしてない“SEX&DRUG&ROCK'N ROLL”に勝っちゃってる。いや、別に薬やってます、とか、超エロでヤバイらしいっすとかそういうワケではもちろんなく、ロックを奏でることで人の気分をこうまで変えてしまう覚醒感は現在のバンド・シーンでは希だと思うわけです。そんなUK、サイケ、グランジを織り交ぜちゃった髭ちゃんによる6曲入りミニ・アルバムが堂々完成! それはハッピーな1枚ですよ。(LOFT/PLUS ONE:和田富士子)
FUGAZI / RED MEDICINE
DIS-90CD 1,985yen (tax in) / IN STORES NOW  
 知り合いの女性に山本、高石、稲永という女性トリオがいる。この人達を知らなければシェルター・カウンターで常連顔するのは止めて頂きたい。シェルターのパブ伝説を作ってきた3バカトリオ(ヘラさん命名)だ。この3人に共通 するものは、
 1:酒飲みだ
 2:Tシャツがかぶる(例:SPIRAL CHORD)
 3:ジャニーズに遅咲きだった
 この3点だ。彼氏がいないというのは高石が打ち破ってしまった。最近は引っ越しなど若干シェルター離れが感じられるが、西村はいつでもこの3人を心配している。こういう人こそ幸せになるべき人達だと思う。そう思わせる何かがある3人だ。V6のビデオで引きこもりになるのはそろそろ止めなさい。そういえばこの3人に共通 点がもう1つあった。DISCHORDが大好きなのであった。西村はまだFUGAZIライヴCD買ってません。買った方感想聞かせて下さい。っつか買うけど。(下北沢SHELTER店長:西村仁志)
Hermann H. & The Pacemakers / FIREWORKS
BWRCD-001 1,890yen (tax in) / 10.20 IN STORES  
 待望の新作が1年5ヶ月振りに私達の元に届いた。昨年、苦悩のメンバー・チェンジを経て、新生ヘルマンの音は装い新たに、更にポップにロックにと変貌を成し遂げた。
 リリ−ス迄の間は、変らず精力的なライヴ活動、我が新宿LOFTのステージにも何度も踏んでもらっております。このミニ・アルバムのリード曲にもなっている「プラネタリウム」は言葉遊びが冴えているのはもちろんのこと、サビのメロディが頭の中にこびりつくような毒性があり、なかなか離れない。そして、スロー・ナンバーの「シンガー」はしっとり聴かせ、「切捨御免のブルース」はタイトル通 りバッサバッサと斬っていく様が気持ちよく、メロディもとても愉快な感じ。「RUSH TRAIN」は、朝の憂鬱な気分を吹っ飛ばしてくれるかのような勢いある楽曲。そして「その気になればNO PLOBREM」はライヴで盛り上がりそうな1曲。
 とにかくひと癖もふた癖もある捻りが効いたメロディ、そしてポップに軽やかな鍵盤、それらの楽曲を盛り上げるダンス&コーラスのウルフの存在! その捻くれっぷりがたまらなく私を楽しませてくれる存在である。(SONG-CRUX:樋口寛子)
PAUL WELLER / STUDIO 150
V2CP-200 2,520yen (tax in) / IN STORES NOW  
 ジャム時代にキンクスの「David Watts」を始めカーティス・メイフィールドの「Move On Up」やフーの「So Sad About Us」、スタカン時代にはジョー・スムースの「Promised Land」、ソロになってからもトラフィックの「Feeling Alright」やボブ・ディランの「I Shall Be Released」等々、敬愛して止まない先人ミュージシャン達のカヴァーを発表してきた“前科”のある師匠、こうして1枚丸々をカヴァーで埋め尽くしたアルバムを発表するのが遅すぎたくらいである。V2レコーズ移籍第1弾となる本作、ノーラン・ポーターの「If I Could Only Be Sure」からニール・ヤングの「Birds」に至る全12曲(日本盤はさらにスライ&ファミリー・ストーンとエヴァリー・ブラザーズの2曲を追加)はまた随分と滋味渋な選曲だが、フォーキーなサウンドを基調とした枯れた味わい深さでウェラー独自のものへとしっかり昇華している。あの塩っ辛い個性的な歌声が益々堂に入った感があるし、つまりはどんな曲をやろうが表現者としての核たる芯の部分がより強まったということだろう。全曲カヴァー集を出した後に隠遁生活へ突入したレノンの真似はせずに、このアルバムを足掛かりにより意欲的な作品を量 産してほしいところだ。(Rooftop:椎名宗之)
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MAnKInD / 逆さライオン泳げない
PRMK-0002 1,800yen (tax in) / IN STORES NOW
 音から感じる。
 音から想像する。
 空、砂漠、ジャングル、深海…………。
 1曲1曲に、音でつくられた背景があり、自分がその異空間に取り残されたような錯覚を起こす。
 誰も居ない。居るのは、自分だけ。
 弱い自分。汚ない自分。哀れな自分。優しい自分。幸せな自分…………。
 このアルバムを聴いて、自分というものを改めて直視した気がする。
 とてもマニアックで一筋縄ではいかないバンドだ。
 是非ライヴにも足を運んでみて欲しい。(新宿LOFT:びち)
メレンゲ / 初恋サンセット
WPCL-10132 1,890yen (tax in) / 10.20 IN STORES  
 メレンゲと親しくなるきっかけを与えてくれた『ギンガ』、そして私が制作に関わった『カッシーニ/初恋のオマケ』、『少女プラシーボ』。またインディーズ時代での音楽活動が功を成した『サーチライト』。本作品はそれらが混ぜ合わさり、現在進行形のメレンゲがギッシリと詰まった1枚になったに違いない。
 言葉で上手く言い表せない程の感動が聴き終った時にはあった。そして、ライヴで演奏をする度に好評な「タイムマシーンについて」も収録されているではないか。実は私はこの曲を聴いたのは、昨年メレンゲと一緒に行った名古屋でのライヴでした。アコースティックな感じで聴かせてくれたんだけど、その時この歌で唄われている歌詞が当時の自分に凄く染みて。痛かったのを記憶している。メンバーに気付かれずにひっそりと泣いてしまったあの頃の自分。「タイムマシーンがあればあの頃に戻って、出来なかったことをするのにな」って振り返る日々、悔やまれる日々だった。この歌の歌詞にもある「だけどタイムマシーンは僕の心の中に棲む弱さだって言われたよ/ホントにそうなら僕は弱い人だ」という部分が凄く染みた。そうだ! この歌詞によれば、私は弱い人なんだって開き直った。だけど、そうした弱さが時には人を強くもしてくれる。メレンゲはやっぱりズルい。そうこうして、いろんな人に魔法をかけてくれるのだ。醒めることのない魔法を私にいつだってかけてくれるのだ。(SONG-CRUX:樋口寛子)
MO'SOME TONEBENDER / The Stories of Adventure
COCP-50819 3,000yen (tax in) / IN STORES NOW
 福岡出身の3ピース・バンド、MO'SOME TONEBENDERの移籍第1弾となる5thアルバム。いよいよモーサム新章に突入! 美しいメロディに乗り最高のロック音楽が鳴っています! 前作『TRIGGER HAPPY』は、冷たいビートを境界に交錯するPUNKとNEW WAVEとDUB。そのクールネスは完全にオリジナルな世界を築き上げた。今作は美しく静かで優しい楽曲に、その他、様々な音楽の要素が入っていますがモーサムらしい狂気のエッジ感は失われていません。アルバム1枚通 して美と狂気が入り交じる振り幅のデカイアルバムです。最高傑作、遂に誕生!(新宿LOFT店長:東田慎二)
YOUR SONG IS GOOD / YOUR SONG IS GOOD
KAKU-02 2,625yen (tax in) / 10.06 IN STORES  
 おおおおっ! 遂に遂に出ますかYOUR SONG IS GOODのフル・アルバム!!!
 世の中には毎月毎日、星の数くらいのCDがリリースされていますけど(それはステキな現状なのですが)、その中に悲しいかなキラキラ星は少なくて、待って待って待ちこがれちゃうような流れ星はと言ったら、もう言わずもがな〜なのです。このYOUR SONG IS GOODの『YOUR SONG IS GOOD』はそりゃーもう、前作から2年振りな彗星級の1枚な訳です。私の好きな音楽は? といったら音楽っぽい音楽で、いろんな意味だとか枠だとかメッセージだとか存在意義だとか、そんなものどうでも良くて、誰もが単純に気分が高揚して楽しくなれて、隣の人と笑い合えて、更に燃えてみんなで踊ることが出来たら最高! そんなエッセンスてんこもりなYOUR SONG!(YOUR SONGにメッセージ性がないという訳ではないです。念のため) この秋、一番嬉しいニュースな1枚です。ありがとーやったーっ!(PLEASURE-CRUX:荒木智絵)
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THE ROYAL FUNHOUSE. / THE ROYAL FUNHOUSE.
ROYFUN-2004 200yen (tax in) / IN STORES NOW
 『物語や絵を音にしてんだぞーコンチクショー!』
 ってまさかレビュー第一声で使われるなんて思ってなかったであろうVo&Gの高崎君の声が少し、ほんの少しだけ大人びて聞こえる(チッつまらん)程度で後はまさにライヴのパッケージに成功したようなCDを完成させやがったもんだから載せてしまいました。
 彼ら全員21歳。若! しかし、バンド歴7年。長っ!! 幼い顏してるから忘れがちだけど、思春期哲学者的詩・情景豊かな楽曲・世界観のアンバランス、その安定感は抜群で新人の域なんかではなかったっけ。 「ロイファンてどんな感じ? って訊かれたら何て答えるの??」って質問の答えが↑のアレ。ちなみに古着って感じって思う人は私の他には居ないものカナ…?
 10/20(水) MARZ de ライヴです。スクリューアップ、メトロオンゲン、URiTA等と対バン。随分面 白そうなイヴェントに呼ばれましたナ。
 嗚呼、〆切が! ぁぁ、文字数がっ!! たはぁ(←Bの村井君の真似)。(経理:中南沙月)
V.A. / BIG SHOT Presents SKA CLASH!
HMS-0047 2,420yen (tax in) / 10.06 IN STORES  
 オーセンティック・スカ・イヴェントと言ったらBIG SHOT! から、ありそうでなかったすごい企画もの良コンピ登場〜♪  スカパラ川上つよし氏&“CLUB SKA”主宰のKING NABE 氏がそれぞれ6組ずつをレコメンドしサウンド・クラッシュするという、本作品。南は沖縄、北は札幌といった日本全国から、それも若手からヴェテラン・バンドがそれぞれのスカ・ミュージックへの思いを何と新録で収録。これだけでもスゴイことなのですが、さすがはレコメンドした両巨頭氏! 集まってきた音源がハンパないですぜ。よくあるコンピの寄せ集めじゃない! キラー・チューンだらけです〜。この歴史的クラッシュ、どちらに軍配が上がったのか……うーーーん……甲乙付けがたーーい、言うなれば、この場を作ったGUCCI 氏の圧倒的勝利でしょうか!?  とにかく、ジャパニーズ・オーセンティック・スカの正に決定盤! これは文句なく買いです。(PLEASURE-CRUX:荒木智絵)
V.A. / u-regista vol.1 〜Post Cafe〜
ICJU-001 1,575yen (tax in) / IN STORES NOW  
 このCD制作に携わっている鈴木涼子という女性がいる。co-compileってナニ? 鈴木涼子は謎が多い。いったい何を軸に動いているかが全く判らない女性だ。実際知っていることがあることは2つ。元々はK.O.G.A.でスタッフをやっていたことぐらいだ。今でも年に1回ぐらいはK.O.G.A.のイヴェントに顔を出すのでまだスタッフなのだろう。あと現在世田谷代田に住んでいる。その他のバンドでスタッフやっていたり、ナゼか仕事で海外に行ってお土産を買ってきてくれたりする。酔っぱらうと爆弾発言多数あるので注意したほうがいい。  
このCDは“未来の純喫茶音楽選”とのこと。BEST MUSIC、jun (from ASPARAGUS, AVANTI)、ASA-CHANG&巡礼がブッチャーズのカヴァーなどアーティストが14組と多数。頑張ったね涼子ちゃん。(下北沢SHELTER店長:西村仁志)
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V.A. / MY FAVORITE SONG
WRITERS VSO-0010 2,400yen (tax in) / 10.02 IN STORES  
 eastern youthのアメリカ盤もリリースした、LAのインディ・レーベル“Five one”による企画盤。アメリカ、ノルウェイ、日本から、レーベルと親交のあるバンドのソングライター達12組が参加、「バンドの枠にとらわれず自由にやりたいことを表現して欲しい」というテーマに沿った作品で、日本からはeastern youthの吉野氏+M.A.G.OとHUSKING BEEの磯部氏+Cornerが参加。他にも参加者のバンドには、No Knife、Sparta、Cursive、Pollen、Cave in、Hey Mercedesなどの名前があり、それぞれのバンドが好きな人は、バンドとはひと味違うところが味わえます。また、アルバムを通 して、アコースティックと電子音の合わさったメロディアスな曲が多く、清涼な雰囲気になっているので、そういったコンピとしても聴くこともできます。個人的には、Cursive / Good LifeのTim Kasherと元JejuneのArabella Hrrisonが入っているのが嬉しかった。(TIGER HOLE/LOFT RECORDS:大澤慎太郎)