“元祖艶歌系メロコア・バンド”30% LESS FATがMEGA STOPPER(3ピースのホーン隊を含む、関西発9人編成の“HYBRID ROCK BAND”)とのスプリット・アルバム『パじゃねえ!!』をリリース。30%が提供した3曲は“演歌×メロコア”というバンドのコンセプトをさらに煮詰めたグッとくるナンバーばかり。特に20年ぶりに復活した「修豚哀歌 〜30% LESS FAT version〜」は男の純情が溢れる超名曲。修豚さん、かっこいいっす!(ギターの弦は自分で張れるようになったほうがいいと思いますが…)(interview:森 朋之)

壮絶! 「修豚哀歌」に込められた20年越しの想い!
──『パじゃねえ!!』、楽しませてもらいました!
修豚:あ、そうですか。すいません。
──何で謝ってるんですか(笑)。えーと、今回のスプリットって、どういう経緯で実現したんですか?
修豚:何でだっけ?
サトパー:ウチらの曲が足りないからじゃないですか?(笑) いや、MEGA STOPPERはレーベルメイトなんですよ。知り合ったのは去年なんだけど、音を聴かせてもらったらすごく良くて。売れそうだし。
──金のニオイがする(笑)。
サトパー:そうそうそう(笑)。一緒にアルバム出したら、いいことあるかもなって。で、レーベル的にはウチらのほうが先輩なんで、“一緒にやらない?”って声をかけて。断れないじゃないですか、そうなると(笑)。
──今回のキモはやっぱり、「修豚哀歌」ですか?
修豚:まぁ、それもたまたまなんですけどね。
サトパー:たまたまってことないでしょ?
修豚:説明したほうがいいかな? えーと、この曲を作ったのは20年くらい前で、ちょうどニューロティカを組んだばっかりの頃なんですけど…。めんどくせぇな、話すの。
──いやいや、教えて下さいよ(笑)。
修豚:あのですねぇ、デブルズっていうバンドもやってたんですよ、ニューロティカとは別 に。デブばっかり集めたバンドだったんですけど、最初はそっちでやろうと思ってて。でもね、できなかったんですよね、演奏があまりにヘタで(笑)。で、ニューロティカでやることにしたんですけど……この曲、要するに好きな女に捧げるっていう曲で、何て言うんですか? 下ネタじゃなくて…。
サトパー:下心?
修豚:そうそう!
──“下”しか合ってないじゃないですか(笑)。
修豚:(笑)で、ライヴでやろうと思ったんだけど、やっぱり“その女”を呼ばないとダメじゃないですか? 自分からは誘えないから周りのヤツに「連れて来い」って言ってたんだけど、来なかったんですよ、その子。
──それが20年前の話?
修豚:そうなんですよ。でね、今回、この曲をカヴァーするって決まった翌々日くらいにたまたまメールが来たんですよ、その人から。今はほら、パソコンっていう便利なメディアがあるから。
サトパー:パソコンはメディアじゃないけどね。機械だから。
修豚:あ、そうなの? で、ちょっとメールでやり取りしてたら、その人、まだ独身だったんですよ。“これはやばい!”ってことになって、これは何かのアレだから、ライヴでやろうと思ったんですよね。あ、違う、その前に一緒に飲んだんだ、高円寺で。
──おー、20年ぶりの再会ですね。
修豚:ふたりじゃないんですけどね。俺はSHONと一緒だったし、向こうも友達を連れて来てて。そしたら「何であの時、ライヴに来なかったんだよ?」って話になるじゃないですか? 俺はてっきりフラれたと思ってたんだけど、どうやら家の事情でたまたま来られなかっただけだって判って。「じゃあ、今度のライヴでやるから、聴きに来てよ」って……あれ、いつだっけ? まっちゃん:5月の14ですね。(註:新宿ロフトで行われた『厳しい業界2005 〜谷津薫 fuckin birthday party〜』)
修豚:そこでやっと聴かせることができたわけですよ、20年ぶりに。20年前っていったら20歳ですからね、私。向こうは17とか18くらいで。
サトパー:まっちゃんは何歳だった? まっちゃん:5歳ですね。
──(笑)曲を聴いた時の彼女の反応はどうでした?
修豚:感動してくれたみたいですよ。私としても「もう、これでバンドをやめてもいいかな?」ってくらいの達成感があったし(笑)。まぁ、でも、私は惚れた女には曲を作るんですけどね、基本的に。
サトパー:スナックの女にも作ってますからねぇ。
修豚:そうそう。だから20くらいまであるんですよ、「修豚哀歌」は(笑)。その1曲目だけが捧げられてなかったから、それがようやく実現できたっていう。きわめて個人的なことなんですけどね。
サトパー:あとのメンバーは修豚さんに付き合わされただけ(笑)。しかも、原曲とまったく同じアレンジでやらされましたからね。アルバムの宣伝ってことを考えると新しいアレンジでやったほうがいいと思うんだけど、「絶対に原曲のままでやる!」って言い張るもんだから、仕方なく。 まっちゃん:でも、事情を知ってるだけに、ちょっと泣きそうでしたけどね。
修豚:今じゃすっかりメル友ですよ。

パンク界初! My譜面台を使うヴォーカリスト!
──想いが伝わって良かったですねぇ。
修豚:そうっすね。まぁ、バンドをやってる人は“何かを伝えたい”って思ってやってるんじゃないですか、恋愛に限らず。
サトパー:(『パじゃねえ!!』に収録されている)「魁代次郎」は何を伝えたいのか判んないけどね。
修豚:あ、それは俺の先輩をモチーフにした歌ですね。高円寺の“ほにゃららスペシャル”っていう暴走族の総長だった人なんですけど、その人の生き様を歌にしてみました。それも個人的な歌ですね(笑)。あとは昔の映画みたいな雰囲気で妄想を膨らませてるだけの歌とか…。だから、メッセージ性はほとんどないです。「みんなで頑張ろう!」とか「元気で生きろよ!」なんてことは一切歌ってない。
──最近の若者は、そういうことを歌いたがるみたいですよ。
修豚:そうみたいですね。でも、お客さんのほうが頑張ってますからね、私なんかより。私はお客さんを煽ることもしないし、マイペースなんで。ホント、申し訳ないなって思ってます(笑)。ただ、もともとシャカリキになって頑張るバンドじゃないですからね。
サトパー:初めの頃は、年に4回くらいしかライヴやってないし。体力的な問題がでかいんじゃないですか? 修豚さん、糖尿病だし。夜6時以降はごはん食べちゃいけないんですよ。
修豚:……長生きしたいですねぇ。
──重いなぁ(苦笑)。でも、最近はバンドも人気が出てきて、楽しんでるんじゃないですか?
サトパー:ジジイのゴルフみたいなもんですよ。たまに集まってコンペやってるのと同じ(笑)。
修豚:そういえば最近、ゴルフに行けないんですよ、ライヴが多くて。まぁ、私の本業は熱帯魚屋さんなんで、(バンドは)趣味的な要素が強いかもしれないですね。
サトパー:だから続いてるんじゃないですか? これでバンドだけになっちゃうと…。
修豚:疲れちゃうね(笑)。今くらいのテンションとペース配分がちょうどいい。
──曲を作るってことに関しては、どうですか?
修豚:それも前から変わんないですね。昔から演歌が大好きで、村田英雄が大好きだったから、そういう部分を最近のメロコアと合わせたらどうなるか? ってところで。俺はメロコアなんてほとんど聴いてないけど、他のメンバーはバッチリなんで。演歌とパンクの融合なんて、今だから出来ることだと思うんですよ。昔だったら絶対にあり得なかったと思うし。
──そうですね。
修豚:20年くらい前だったら、「演歌が好き」なんてとてもじゃないけど言えなかったですからね。原宿の学校に行ってたんですけど、原宿あたりではハードコアを聴いてるんですよ、カーステで。GBHとかディスチャージとか。でも、原宿を離れて、武蔵野あたりに来ると松山千春とか演歌を聴いてて(笑)。俺は両方好きだったんだけど、言えなかったですよね。取材を受けて「どんな音楽が好きですか?」って訊かれても…。
サトパー:デッド・ケネディーズとかね。
修豚:そうそう。そういう意味では、今はいいですよね。何をやっても許されるから。歌いたいですもん、演歌。
サトパー:レコーディングしてても「何でそこでコブシを回しちゃうかなぁ?」ってことがよくあって。合わないんですよ、ギターと。メジャー・コードの上でマイナーを歌おうとしたり。(『パじゃねえ!!』収録曲の)「夢はぐれ 恋しぐれ」って曲でも1ヶ所、どうしても気になるところがあるんですよ。「そこのヴォーカル、絶対に合ってないですよ」っていう。俺も意地張って、絶対にギターは変えないんですけどね。
修豚:それがいいんですよ。そこでギターをマイナー・コードに変えてもらうのも、違うと思うし。
サトパー:不協和音にしか聞こえないんだけど…。
──(笑)ライヴではどうしてるんですか?
サトパー:ライヴの時、全然ギター聴いてないんですよ、この人。
修豚:聴いてないね(笑)。リズムしか聴いてない。
サトパー:譜面台が倒れたら歌わないし。
──譜面台を使ってるんですか?
修豚:使ってますよ。パンク界初だと思うんだけど。覚えられないんだよね、歌詞が。たまにさぁ、客が飛んでくるじゃないですか、ダイヴして。足とかが当たって譜面 台が倒れちゃうと、歌えなくなっちゃう(笑)。
サトパー:この前も、まだ曲が終わってないのに次の曲の譜面 の準備してましたよね? 客がガーッと盛り上がってる時にひとりで「えーと、次の曲の譜面 は……」って(笑)。
──すごいなぁ(笑)。
サトパー:歌詞は覚えない、セッティングはしない、モノは運ばない…。
修豚:ギターの弦も張れないし。一度やってみたことがあるんですけど、逆さまに張っちゃったんですよ。細い弦が上になっちゃって、「これじゃあ左利き用だよ!」って。 まっちゃん:“松崎しげる”用ですか?(笑)
サトパー:物販をお願いした時も、「こんなもん、タダであげちゃえよ」って言い出すし。
修豚:ナチュラルなんですよ。自然体。
──いやぁ、パンクですねぇ。
修豚:そう、パンクですよ、私は。むっちゃくちゃパンク。
まっちゃん:ホントですよねぇ。
サトパー:ダメだよ、同意しちゃ。反面 教師にしないと(笑)。

■Release info.

Split Album
パじゃねぇ!!
MEGA STOPPER / 30% LESS FAT

1 タンバリンマン(MEGA STOPPER)
2 魁 代次郎(30% LESS FAT)
3 グラスホッパー(MEGA STOPPER)
4 夢はぐれ 恋しぐれ(30% LESS FAT)
5 SUNNY 〜H.S version〜(MEGA STOPPER)
6 修豚哀歌I 〜30% LESS FAT version〜(30% LESS FAT)

JAC POT RECORDS BAT-017
1,600yen (tax in)
IN STORES NOW

Live info.

"CHECK THE MARTEN" CD発売記念 CHECK 3 ツアー2005 〜チェック始めました。〜
7月2日(土)代々木Ther the ZOO

w/ ロリータ18号 / オナニーマシーン / ONANIE SIP CABARET / アリンコ∞ギャング
OPEN 18:00 / START 18:30
TICKET: advance-2,500yen / door-3,000yen(共にDRINK代別)
【info.】Ther the ZOO:03-5358-4491

錦・魁・男道 vol.2
7月14日(木)高田馬場CLUB PHASE

w/ G.D.FLICKERS / ゲンドウミサイル / THE SNEAKERS
OPEN 18:00 / START 19:00
TICKET: advance-2,000yen / door-2,300yen(共にDRINK代別)
【info.】CLUB PHASE:03-5911-2777

今年もやります ほぼワンマン
9月23日(金・祝)高田馬場CLUB PHASE

詳細発表は後日発表!!

30% LESS FAT OFFICIAL WEB SITE http://30.apricott.org/


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