メンバー出演中の音楽情報番組『音神GIGTV!』内のドラマから飛び出したニュー・シングル! なんと、まさかの88〈ややうけ〉ライダー再登場。しかも88ライダードラゴンとしてパワーアップしての復活なのだ! ロック・バンドとしてここまで突っ走っちゃっていいのか、ニューロティカ!? …と心配してしまったものの、内容は特撮ヒーロー物の主題歌風の皮を被った完全なるニューロティカ・ソングだった。結成21周年を迎えてもなお一所に落ち着くことなく、ビンビンに突っ走っているニューロティカ、一体どこまで行っちゃうの!?(interview:北村ヂン)

ドラゴンに決まっとるやないか!
──今回のシングル『88ライダードラゴン』ですが、わりと急に作ることになったらしいですけど。
カタル:アルバムのレコーディングを先にしてたんだけど、そのアルバム用の曲作りが終わって、抜け殻のようになっている時に、シングル用に曲を作ることになっちゃったんだよね。
──これは完全に番組での企画が先だったんですか。
カタル:そうですね。『音神GIGTV!』っていう番組の中で88ライダーのドラマがあって、その中でオレが「カタル博士」っていう役だったんだけど、88ライダーが人々を勇気づける素晴らしい曲を作ってきて、オレがそれを気に入ったら改造してやるっていう設定だったんで。
──博士とか改造とか…この話、ドラマ見てなかったらロック・バンドのインタビューだとは思えませんよ。
カタル:(笑)まぁ、それで番組用に実際はオレが曲を作ったんだけど、せっかく作るんだったら、じゃあ発売しちゃえっていう感じになったんだよね。
──「88ライダードラゴン」っていう名前は誰が考えたんですか。
シズヲ:番組MCのスマイリー原島さんが…(笑)。
アツシ:「ドラゴンだろ、絶対ドラゴンだよ!」って何だか判らないけどすごいイキオイでね。
──元ネタが仮面ライダーだったら「V3」とか「X」とかなら判るけど、「ドラゴン」っておかしいですよね。
シズヲ:そうだよねー。まぁ「アマゾン」辺りが近いのかもしれないけど…。
アツシ:でも、会議の時のあのイキオイで言われたら絶対に口答え出来ないよ。「アツシーッ! 何言っとんじゃ、ドラゴンに決まっとるやないか!」って(笑)。あんだけ強く言われたらねぇ。草野球でアウトかセーフかで怒ってる原島さんと同じくらい怖かったから。
カタル:もう、メンバー的には何にも参加していない状況でタイトルが決まってたからね(笑)。
アツシ:最初、違う名前を出してたんだけど「違うんだよー、ドラゴンだよー」って原島さんが言った瞬間に、20人くらいのおっさんが「そうだ、そうだ!」って頷いちゃって。もうそうなったらロフトの上下関係的にオレも従うしかないから…。
──普通、シングルのタイトルを上下関係で決めないですよ。
シズヲ:すごいよなー。原島さんが世界のトップに立ったら争い事がなくなるよね。
──デザイン的にはやっぱり「ドラゴン」ってことで、ブルース・リーのトラックスーツをモチーフにしてるんですかね。
アツシ:衣装のデザインはゲルググのGENちゃんだから。でもイメージ的にはブルース・リーと『キルビル』なんじゃないかな。…まぁなんにせよ、夢見たタイアップですからねー!
──タイアップとはちょっと違うような気がしますけど。
アツシ:あ、変なこと言うなよ〜。オレたちの夢なんだからさー。ロック・バンドのみんなの夢を壊すなよー!
──「タイアップ、タイアップ」って言ってるバンドのほうが夢ないですよ(笑)。
シズヲ:確かにねぇ〜。

ニューロティカの歌だから
──カタルさん的には、タイトルだけ先に決まってて、それに合わせて曲を作ったっていう感じなんですか。
カタル:そうだね。前の「ややうけライダー」よりはもっと意識して、戦隊ヒーロー物とか、ボクらが子供の頃に聴いてたような、判りやすい主題歌っていうのを考えたんですよ。
ナボ:カップリングのエンディング曲もいい雰囲気だよね。
──すごいバンドだなって思いましたよ。注文通りに何でも作るなーっていう。コーラスの入り方もいいですよね。
カタル:もうアレはパフィーちゃんに歌ってもらいたいがために場所を用意したからね。考えて作ってるんだから!
──普段のライブではあそこをメンバーで歌うんですか。
カタル:うん、割り振ってね。
ナボ:でもあのかわいさは出ないよねー。
シズヲ:オレとナボちゃんじゃねぇ…。
──なるほど(笑)。楽器的にはどうなんですか、こういうタイプの曲って。
シズヲ:イヤ、別に。ニューロティカでやっている音楽には違いないんで、それはもうガチンコでやってますからね。
カタル:まぁヒーロー物をイメージしながらも、アレンジとかはロックにしているつもりだからね。
ナボ:そうじゃなかったら、ウチらが演奏しなくてもいいじゃんって話になっちゃうからね。
シズヲ:曲が出来て3人で合わせると、自然とそういう形になってるからね。
──曲作りからレコーディングまでってどれくらいの期間でやったんですか。
カタル:曲を作り出してからレコーディング含めて2、3週間って感じかな。まぁ短いっちゃあ短いんだけど、その間に毎日のようにスタジオ入ってガーッて合わせて、アレンジを作り込んだ後にそぎ落としたりとか色んな作業も出来たからね。
ナボ:今回は短期間でやったわりにはすごい集中してやれたと思うよ。
シズヲ:いい感じでね。
──歌詞的にもやはりヒーロー物的な内容を意識したんですか。
アツシ:やっぱり基本的にアニメ番組のオープニングとエンディングっていうイメージで書いてカタルに渡しました。
──あ、歌詞が先なんですか。
カタル:そうだよ。レポート用紙3枚分くらい、色んなタイプの歌詞を書いてきてもらって、その中からいいのを拾いながら曲を作っていったからね。
──まぁ内容的には「ドラゴン」はあんまり関係なく、とりあえず言っておけばいいかな…くらいで…。
ナボ:そこはやっぱりニューロティカの歌だからね。そこまで企画に合わせちゃうとニューロティカが関係なくなっちゃうからね。
──そもそも、88ライダー自体どうしてやることになったんですか。
シズヲ:…それを言ったら、まぁスイカマンもそうだけどね。
ナボ:あんまり意味を求められても困っちゃうけどね。
カタル:最初は例の如く話のノリで「175Rのパクリで○○ライダーをやりたい」とか言い出して…。で、175Rの半分より一個多いってことで88R。それで仮面 ライダーの格好にしようっていう。
シズヲ:で、いつもMCがあんまり爆笑って感じじゃなくてややうけだから、ややうけライダーっていう…そういうコンセプトですね。
カタル:打ち上げのバカ話からここまで来てるからね。
──でも88ライダーはキャラ的には成功なんじゃないですか。スイカマンはちょっと気持ち悪かったですけど、ややうけライダーは見た目キャッチーだし、子供が集まってきそうですもん。
ナボ:子供は寄ってくるよね。…近くで見なければね…。顔が笑ってないから(笑)。
──しかしコレ、毎回着替えるの大変ですよね。
カタル:ライブでの入れどころは難しいよね。やっぱり着替えなきゃならないから、この曲のためにコーナー作らなきゃならないからねー。だから、ちょっと長めのライブじゃないと登場出来ないかもしれない。20分のステージとかだったら、ほとんどあっちゃんがステージ上にいないっていうことになりかねないもん。

まだヘルプなんだよ
──ニューロティカ自体も21周年ですけど、カタルさんとナボさんもニューロティカ加入10年目なんですよね。
ナボ:10年目にして初シングルだからね。ノッてるよー!
──ああ、そう言われればそうですね。前のバンドってどれくらいやってたんですか。
カタル:うーん、6年とか7年とかかなぁ?
ナボ:10年もやんないよねー。大体10年もやってると解散しちゃうもんね。やっぱ飽きちゃうんだろうね。
──そもそもはアツシさんに誘われてっていう感じだったんですよね。
カタル:オレはそうだよ。
ナボ:…オレは誘われてないから、まだヘルプなんだよ(笑)。ただ電話で「よろしくお願いします」って言われただけだからね。
──最初は手伝いっていう感じだったんですか。
カタル:最初の半年くらいはそうだったね。でも、その後はバンドでどこまでやれるかっていうのもあったから、真剣にやらなくちゃって。
ナボ:ニューロティカって音楽的には全然通 ってないようなジャンルだったから。ドラム的に言うとズタズタズタズタ…っていうような、そういうのは全然興味なかったんで、よく続いてるなぁとは思うけど(笑)。でも今やニューロティカならではの、オリジナルな感じでやれてるとは思うよ。…あとは、やっぱり人だよね。みんな仲いいからね。…ただ、最近あっちゃんが酔っぱらうとムカつくんだけど(笑)。すっごいうるさいんだよ。
シズヲ:すれ違う女の人、みんなに挨拶してるからね。
カタル:みんなで酔っぱらってる時は楽しいんだけど、次の日の朝はみんな酔いも醒めてるじゃない? でも、あっちゃん、一人で酔っぱらってるんだもん。
ナボ:それが一番タチ悪いんだよね。
カタル:どこ行っても大声だしね。
ナボ:しかも半袖半ズボンで(笑)。
──アツシさん、飲んだ後何やってるんですか? 寝てないんですか。
アツシ:イヤ、寝てるんだけど、起きると若者ぶっていつもテンションハイテンション!?!?
ナボ:で、酔いが醒めると急にガクッて一気にテンション下がって、すごい愛想悪くなるからね(笑)。
カタル:なんかブツブツ独り言言ってるし。
──最悪ですねー(笑)。

悩む年頃だから…
──『絶体絶命のピンチ』を出したのって、入ってから何年目くらいでしたっけ。
ナボ:2000年に出したんで、4年目くらいですね。
──その間、入ったはいいけどリリースもなく、活動も少なくて、色々思うところがあったと思うんですけど。
カタル:最初はやっぱり探り探りっていう感じでしたね。入った当初はまだジャッキーもいて、曲はジャッキーが書いてたからね。そこにどうやって上手く馴染んで行こうかなっていうのが最初の2年くらいかな。
ナボ:しかも、年に4回しかライブやらなかった時期があったからね…。内心、大丈夫かなぁ〜って思ってたよ。
──それは、入ってすぐの頃ですか。
ナボ:入ったばっかりの時は結構ライブやってたんだけど、その後、2年目くらいの時だね。ずーっとスタジオでデモテープ録ってて、ライブもやらないで、音源も出さないで…って。あの時は色々考えたなぁ、やっぱり悩む年頃だから…。
カタル:入院もしたしね。
ナボ:ああ、バイクで事故ったんだよね。両手骨折しちゃって(笑)。
──ドラマーなのに!
カタル:だから全くスタジオにも入れない時期もあったもんね。
──じゃあシズヲさんが入ってからやっと本格的に動き出したっていう感じなんですかね。
カタル:うん。シズヲが入ってから、ライブのやり方とかも変えて行こうっていうことにしたんだよね。誘われたライブには、出れるものにはどんどん出てみるとか、対バンとかも色々考えたり、若いバンドのシーンに飛び込んでみたりとかね。その辺は色々考えましたね。
──それからわりと動きやすくなったっていう感じですか。
カタル:動きやすくはなったけど、ものすごく大変にもなったけどね。
シズヲ:年々忙しくなってるからね。
アツシ:最近なんて、ほとんど毎日一緒にいるんじゃない?
ナボ:嫁より一緒にいるよ(笑)。夜中スタジオ行って、朝シズヲを車で送って行く時「じゃあ後ほど」って言って別 れるからね。
シズヲ:ホントに数時間後にまた会うんだから。
──それじゃ最後に、今回のシングルについて一言ずつ。
ナボ:めっちゃいいですよ、音もいいし。キャラっていう問題じゃなくて、音楽的な面 でも色々見えてきたなっていう感じはするね。今まではポップになり過ぎるかなって思って、やらなかったことも、いざやってみたら全然ロックとして成り立ってたんでいい形に出来たと思うよ。
カタル:アレンジも気に入ってるしね。
シズヲ:オレもナボちゃんと同じ意見なんだけど、確かに番組の企画から生まれた曲なんだけど、そういったことも特に意識せずに、ちゃんとしたニューロティカ・サウンドとして確立されたなって思いますね。なおかつ新たに、斬新な曲の展開とか作れて非常に完成度の高いシングルだと思いますよ。
カタル:満を持してのシングルなんでね。これを売って、そろそろ両親を安心させたいですね!
アツシ:アニメ会社の人がいたら、コレ、アニメを作ってもらいたいですね。
──パフィーのアニメ的な感じで。
アツシ:うん。J-POP終わって、めんたい終わって、ヤマンバ終わって、メロコアが終わって、ジュリアナ終わって、スカが終わって、青春が終わって、お笑いが終わって…次はアニメですよ! やっぱり。
シズヲ:6時55分から、5分枠くらいで。
カタル:…なんで最初から5分枠狙いなんだ…(笑)。

■Release info.

燃えろ!88ライダードラゴン!!

GENEON ENTERTAINMENT
GNCL-0009 / 1,050yen (tax in)

収録曲:1. 燃えろ!88ライダードラゴン!! 2. ややうけライダーやってます 3. 燃えろ!88ライダードラゴン!!(オリジナルカラオケ)4. ややうけライダーやってます(オリジナルカラオケ)
*初回プレス盤のみ、CD-EXTRAでプロモーション・ビデオ収録&スペシャル・ステッカー封入!

Live info.

俺達いつでもロックバカ!ツアー
7月9日(土)大阪ビッグキャット
7月10日(日)名古屋ELL
7月15日(金)渋谷O-EAST
w/ 大槻ケンヂ・プロジェクト / ジェット機 / 水戸華之介&3-10chain
7月31日(日)大阪服部緑地公園野外音楽堂
8月9日(火)仙台パークスクエア【Vo.アツシ Dr.キース B.カタル G.ゴロー】
8月13日(土)新宿ロフト
8月22日(月)新宿ロフト
8月24日(水)名古屋クラブクアトロ
8月25日(木)心斎橋クラブクアトロ

ニューロティカ OFFICIAL WEB SITE http://www8.big.or.jp/~roteka/

ニューロティカの皆様から素敵なプレゼントがあります!
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