1999年、STRAIGHT UP RECORDSからのアルバム「晴天の霹靂」以降、不定期にシングルやスプリットのリリースはあったもののアルバムのリリースはなかったYOUTH ANTHEMが、実に六年ぶりとなる、まさに待望のニューアルバムを完成させた。ボクは彼らの本当に初期のOi!時代から注目し続けてたんだが、今まで端から見ていてもじれったい程地道な活動を続けていた彼らが遂に動き出したのだッ! (interview : 北村ヂン)

──すごい久しぶりのアルバムですが、今回のを聴いたら、今まで抱えていた色んな物が吹っ切れたのかなっていう印象を受けました。
SHINYA ああ、確かにそうかもしれないですね。今の自分の自然体を表せたっていう感じはしますね。もう「こういうジャンルだから、こうじゃなければいけない」っていうんじゃなくて、歌いたい事を歌えばいいんじゃないかって。その結果 、ジャンルとか関係なく、自然にYOUTH ANTHEMのロックになったとは思います。
──初期YOUTH ANTHEMはモロにOi!サウンドでしたけど、それから日本語詞を取り入れたりしてきて。今回、むしろ自身の原点に返ったという感じですか。
SHINYA そうですね。ボクらも、もともとOi!ばっかり聴いてたわけじゃなくて、10代の頃には普通 に日本のロックとか聴いてたんで、その頃に戻ったっていう感じですね。
SHINTAROW 10代の頃に戻ったと。
SHINYA 顔とかは全然戻ってないけどね(笑)
SHIMA イヤ、ボクは変わってませんけどね。小学校から(笑)
──今回、完全に日本語詞のアルバムとなっていますが、いわゆる日本語パンクとかの流れでもないですよね。
SHINYA はい、全然違いますよね。
──日本語化されてく段階で歌メロは日本的になってるんですけど、バックのサウンドはUK色が出ていたりして。
SHINYA そういう感じは意識してやっているわけじゃなく、自然にそうなってるんですけど、やっぱり基本的にはTHE CLASHなんかをはじめとして、イギリスのロックが好きですからね。だから曲的にはそういう所が出ているんじゃないですか。曲作りの仕方なんかも、メロディーから作っていくタイプなんで。
──多分、英詞でやっていた頃ってメロディー先という曲作りではなかったんじゃないかと思いますけど。
SHINYA 確かにそうですね。まずリズムだったりコードだったりが先にあって、そこに英語の言葉を乗せていくっていう感じでしたね。逆に今は完璧にメロディーとか歌の世界観が先にあって、その内容に合わせた肉付けをしていってます。
──歌詞を日本語にしたというのは、何か言いたいことがあったからだと思いますけど、いわゆるメッセージソングっていうわけでもないですよね。
SHINYA メッセージソングではないですね。自分に対して言っているという歌詞もあるし、相手に対して言っている場合でも「ああしろ、こうしろ」って言うんではなく、自分はこう思っているっていう事を伝えたいっていうだけですからね。それを理解してくれる人がいてくれればいいし、解らない人がいてもいい。なんとか解ってもらおうっていう媚びた感じではないですから。
──自分の中での葛藤だったり、答えの見えない事を表現しているっていう感じですか。
SHINYA そういうのは出てますよね。若い頃は照れとかもあってそういう事を言えなくて攻撃的な歌詞とかを書いてたんですけど、年取ってからは自分の内面 的な悩みとかも言える様になりました。そういう意味では成長してるのかなって思いますね。楽曲作りにしろ、バンドの状態にしろ、いい意味でフラットな位 置にいたいんですよ。ジャンルも、対バンも、音楽も「これ」って決めつけちゃうんじゃなくて、どこに行っても勝負できるような、そういう柔軟さは持っておきたいですね。
──その辺はSET YOU FREEなどに出るようになって、色んなバンドと一緒にやるようになってから思うようになったんじゃないですか。
SHINTAROW セッチューは大きかったですね。
SHINYA 自分らってすごい狭い世界で活動してたんだなって気付きましたね。狭い世界の中では「このジャンルでは上だ」みたいな感じで天狗になろうと思えばなれてたんだけど、一歩外に出てみたら、全然知らないお客さんや知らないバンドが沢山いたんで。外で色んな空気を吸ってみた時に「こんな世界もあるんだ」「こんなバンドもいるんだ」みたいな刺激はすごく受けましたね。それで、自分がこれから先に進んで行くに当たって、もっと広い視野で見ていきたいなって思うようになったんですよ。それが自然と曲とか歌詞にも影響したんじゃないかと思います。「こうじゃなくちゃいけない」っていうのはナシにして、もっと色んな形で表現出来るんじゃないかって。
──それまでは色んなジャンルのバンドのライブを観たりとかなかったんですか。
SHINYA なかったですね。Oi!とストリートパンクみたいな限定された物ばっかり聴いてました。でも今はどんなジャンルでも聴けるようになりましたね。
──確かに昔と比べてフットワークはすごく軽くなりましたよね。見た目も随分変わりましたし(笑)
SHINYA 格好は最初のオムニバスに参加した頃から比べるとエライ変わってるよな、あれはキツかった(笑)…今考えれば。でも当時はああいう世界しか見てなかったからね。
SHINYA あれしか知らなかったんですよね。だからバンドをやるに当たっても、そういう事をやるしかなかったし、そこに没頭して、自分たちで型を作ってそこにはめ込んじゃってたんですよ。でも今は、格好も音楽もしたい事をやればいいんじゃないかなって思いますね。「このジャンルだからこういう格好しなくちゃいけない」みたいに、ユニフォームになっちゃってる部分ってあるじゃないですか、でもそういうのがどうでもよくなってきたんですよね。もちろんそういう事も全然否定はしないけど、自分らの場合は、ファッションもスタイルも自分の自由な事をしてたら、それがYOUTH ANTHEMになるって思ってますね。
──YOSHIYUKIさんはそうやって変化していったYOUTH ANTHEMを外から見ていた立場だったわけですが、交流を持ち出したのはいつ頃からなんですか。
YOSHIYUKI SHINYAくんとやり取りをし始めてから、同時にYOUTH ANTHEMも知ったという感じですね。「終わりなき疾走」っていうデモのCD-Rが出た頃…二年くらい前かな。ボクは当時まだ九州にいたんですけど。
SHINYA 最初は、たまたまサイト上で書き込みとかしてて、それで知り合ったんですよ。そしたら聴いてる音楽の遍歴がやたら似てて。
YOSHIYUKI それこそ小学校の頃に歌謡曲を最初に好きになって、音楽に興味を持つようになって、でも昔はCD買うお金もないから、テレコを持ってテレビの前でじっとしてベストテンを録音したり…っていう、やってることからしてSHINYAくんと全く一緒で(笑)
SHINYA 離れてるのに一緒の事やってるヤツがいるんだなーって感じで、ちょっとアンテナに引っかかってたんですよね。その頃はまだメンバーチェンジしてなかったんだけど、それから色々事情があってメンバーが抜けて、ギターを探してた頃に、時を同じくしてボクの友達のバンドが九州のツアーに行って「こんな面 白いヤツがいたよ」って話をしてて、そしたらそれがコイツだったんですよね。それでちょっと連絡をとってみようかなって思って、冗談半分で誘ってみたんですけど(笑)
──YOSHIYUKIさんはそれまではどんなバンドをやっていたんですか。
YOSHIYUKI 前のバンドではストリートパンク寄りのバンドをやってましたね。でも別 にボクは音楽のジャンルに対してこだわりはないんで、何をやってるから…というよりはYOUTH ANTHEM自体に興味があったんですよね。
──今回のアルバムではそのYOSHIYUKIさんが作った曲が一曲入ってますけど。
YOSHIYUKI まあ、あれも自然な流れで入れる事になりましたね。
SHINYA 今までYOUTH ANTHEMではボクが全て歌詞も曲も作ってたんですけど、そこに曲を作れる人間が入ってきたんで、それもやってみようよっていう感じですね。実験的な部分もあり、これから自分たちがやっていくに当たってそれが戦力になればいいなとも思ったんで。ボクも初めて人の曲に歌詞を乗せたんてで、すごい新鮮でした。
──たしかに今までの曲とはタイプ的には違うのかなって思いましたね。
SHINYA 敢えてそういうのをチョイスしたっていうのもありますね。せっかく新しいことをやるんだから、自分にない部分の幅を広げるっていう。だから自分的にも面 白いなって思いますね。聴かせる感じの曲だし、歌詞も彼の気持ちを自分なりに感じ取って表現してみたつもりです。
SHINTAROW でも、この曲は結構苦労しましたね。プリプロを録って、コーラスを入れてみたんですけど、それがあんまりよろしくなくて、本番のレコーディング前に歌メロとか全部入れ替えましたからね。
SHINYA でもそれを経たことによって、こういう曲も出来るんだっていう自信にはつながった思うんで、苦労したなりに得るものはあったと思いますね。
SHINTAROW 曲調としては今まであまりなかったから、ああいうのができればライブにしろアルバムにしろ、流れの中で武器になると思うんですよ。そういうコンセプトを持って入れたかったんで。苦労したけど、がんばりました。
──今までのメンバーでは出来なかった曲という感じですか。
SHINYA 確かにメンバーチェンジしたからっていうのはありますね。メンバーが変わったといっても、今までと同じ事をやってくれって言ったら、それはそれで出来るのかも知れないけど、次のステップに行こうって思った時に、やっぱりどこか変えたいし、せっかく違う人材が入ったんだから、そこで自分たちの新しい一面 を出せた方が楽しいですから。外から違う空気が入ってきて風通しがよくなったっていう感じはしますね
──メンバーチェンジしてからレコーディングまではどれくらい時間があったんですか。
YOSHIYUKI 三月にボクが大阪に出て来て、それから十一月くらいに録ったんで、半年くらいですね。その間にライブを死ぬ 程やってたから、実質曲作りの時間っていうのはそれ程なかったけど。
SHIMA 時間なんて、ないなりになんとかなんねん!
SHINTAROW 逆に今まではなんとかしてなかったからね。…ダラダラしちゃって。
SHIMA ホンマ、前のアルバムから何年経ってんねん。
SHINYA 出す出すって言いながら五年も経っちゃったからね。でも、たまたま今年でバンドを結成してから10年目なんですけど、いい意味で新しいスタートをいい時期に迎えたかなって思いますね。もちろん今までやって来れたのは色んな人の協力があってのものだけど、バンドが自然に変化していく中で、気付けば10年やっていて、メンバーチェンジがあったり、苦労した時期もあったし、辞めたいなって思った時もあったけど、結局続けてた事によって、今またここにいる事が出来ているっていうのはすごい嬉しいですね。 SHIMA 継続は力なりって、よく言ったもんやね!
──今回のアルバムは、自分たち的にはいいタイミングだったと。
SHINYA そうですね。試行錯誤しながら、グルグル回ったけど、結局自分のシンプルな形に戻ったって感じです。これからは活動もリリースもコンスタントにやっていきたいと思ってますよ!

■Release info.

YOUTH ANTHEM
永遠の軌跡 / EVER LASTING

TRACKS FHYE-0502
2,000yen(tax in)
2005.4.6 OUT

Live info.

2005.04.09(SAT) 久留米ガイルス w/SUGAR HILL / PIRATES RADIO / GOBLIN SLAPPERS / TREATERS / SELFISH RHYTHM
2005.04.16(SAT) 神戸ブルーポート w/DR.SNUFKIN / EASY GRIP / WALKABOUT(ex. BOMB SHOP) / NO MEAN THE THREE
2005.05.14(SAT) 岩国SQUAD(ex.666)  w/STRONG CROWD / BUILD / 4LOOPS / HEAD CASE / others
2005.05.15(SUN) 広島Cave Be w/未定
2005.05.29(SUN) 下北沢シェルター w/LAST TARGET / THE VICKERS / others
2005.06.12(SUN) 十三ファンダンゴ w/LAST TARGET / others
2005.06.19(SUN) 米子ベリエ w/未定
2005.06.26(SUN) 名古屋ハックフィン w/LAST TARGET / NOT REBOUND


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