GREEN DAY ビリー・ジョーのレーベル、ADELINE recordsからの海外盤アルバムリリース。昨年末のコロラドツアーなどを経て、一回り成長したLINKが2005年第一弾となるシングル「GOLD FIELD e.p.plus」をリリースした。アルバムへと通じる新たな片鱗も感じさせる今回のシングルについて聞いた。 (interview : 北村ヂン)

──アメリカツアーが昨年末にありましたけど、アデラインからのアメリカ盤が出てからのライブという事で反応とか違いましたか。
小森 対バンの人からは「CDすげーよかったよ」とか言ってもらえたんですけど、正直お客さんにはそこまで浸透してなかったすね。今回行ったのはコロラドの田舎町だったんで、もしかしたらサンフランシスコの方まで行けばもうちょっと違ったのかもしれないですけど、ちょっと残念でしたね。やっぱりアメリカでリリースしてもツアーをしないと全然知名度がないんですよね。
──でもまあ、今回そのアメリカ盤を持ってツアーが出来たという事で、その点では違ったんじゃないですか。
小森 確かにメチャメチャ売れましたね。こっちで持って行った分は三日間で売れちゃって、オフが三日間あったんで、すぐアデラインに連絡して取り寄せたんですよ。本当に日本じゃあり得ないくらいの勢いでしたね。アメリカってまだ二回しか行ってないんですけど、直接ライブをやってみた感じとしては、やったらやっただけ全部返ってくるっていう感じがするんですよね。悪いライブやったバンドには拍手も起きないし、いいライブをやったバンドにはものすごい拍手が起きるんですよね。
──あんまり知らないバンドに対してもちゃんと反応してくれるんですね。
小森 そうですね。それで、いいライブだと思ったら、みんなTシャツじゃなくてCDを買ってくれるんですよ。日本だとわりと逆じゃないですか。そういうのが一番嬉しいですよね。ライブ終わった後も皆すごい話しかけてくれるし。あっちはものすごいんですよ、ホントにメチャメチャよかったんだよっていうのが、英語で言ってても伝わってくるんですよね。あそこまで目に見える反応してくれると、ああ行ってよかったなって思いますね。
──ライブハウスの文化自体が日本とは違いますもんね。
小森 もっとラフに来てますよね。そこまで気合いを入れてないというか。
──日本だと目当てのバンドを観るためにっていう部分が多いと思いますけど。
小森 あっちはライフスタイルの中に音楽が入り込んでて、ちょっと飲み行こうかってっていう感覚でライブハウス行くみたいな感じなんですよね。だから皆すごい酒飲んでるし。ライブハウスが近い存在だなって思いましたね。
──日程的にはどんな感じだったんですか。
小森 ライブを四連チャンやって、三日間オフがあって三連チャンっていう感じでしたね。
──移動は結構あったんですか。
小森 予想以上にありましたね(笑)。オレらコロラドの近辺だけだろうと思ってたんですけど、確かにコロラド周りだけだったものの、コロラド自体がデカイんですよ。移動に12時間とかかかりましたからね。
山上 あったね。普通に山越えたりしてましたから。
小森 空気が薄くて、マラソン選手がトレーニングしに来てる様な場所とかでもやりましたからね。
山上 だからライブが大変でした。ライブが終わったら酸欠状態になってましたから。
小森 一曲終わったらもう胸が痛くなってましたからね。あそこでやったらバンドも鍛えられますよ(笑)
──日本でそこまで環境の違うライブハウスってないですもんね。ところで、今回のライブは日本でも何回かやっているGAMITSと一緒に廻ってたわけですけど、どうでしたか。
小森 今回GAMITSの解散ツアーの同行だったんですけど…でも、最初は解散ツアーの予定じゃなかったんですよね。オレらのツアーでGAMITSが一緒にやってくれるっていう話だったんですけどね。去年GAMITSが来日したときに、ボーカルのクリスと一緒に話してて「コロラドってツアーやろうよ」って言ったら「じゃあハコ押さえてツアー組んであげるよ」っていう事になって、日程も全部決めてくれてたんですけど、ツアーの一週間くらい前に解散発表しやがって(笑)。急に解散っていう事になったからかなりテンパって、ツアーなくなるんじゃないかって心配してたんですけど、急遽GAMITSの解散ツアーに切り替えて、それにオレらが同行するっていう形になったんですよね。だからGAMITSは結構気合い入ってましたよ。でも、解散ツアーなのに全然カラッとしてましたけどね。
──普通だと湿っぽくなりそうですけどね。
小森 全然なかったですね。最終日とかもステージでシャンパン撒いたりして。
山上 あっちのバンドってそういうノリなのかな。
小森 日本で解散っていうと、ちょっと重い感じがするけど、ホント、陽気な感じでしたね。全部で七カ所廻って、最後がデンバーっていうコロラドのデカイ町だったんですけど。
山上 かなり広かったよね700くらい入るんじゃないかな。
小森 すごいデカイ所で…。愛されてましたね、GAMITSは。
山上 ライブもすごいよかったんですよね。一番最後、アンコールでお客さんがドンドン上がって来ちゃって、最終的にステージに50人くらいいたんじゃないかな(笑)
小森 GAMITSがどこにいるかわかんないっていう(笑)。
──LINK的にはあっちのライブハウスはどうでしたか。
山上 前に行った時はライブは一本しかなかったんですけど、今回は何本かやって思ったんですけど、日本の方がPAの機材とかは整ってるなって思いましたね。
──ああ、システムが。
山上 あっちはほとんど生音で、さらに場所によっては、本当に飲み屋さんの端っこの方にアンプが置いてあるだけみたいな所もあるんで。お客さんも飲みに来てる人しかいなかったり。こっちでライブやってるのに、カウンターの方では誕生日パーティーやってたりするんですよ(笑)。日本じゃありえないですよね。でも、あっちのライブハウスってリハとかないんですけど、やりやすかったですね。ちゃんとバランス取れてたし。なによりも客層がやりやすかったですね。反応がいいし「何やっても大丈夫だろう、アメリカだから」みたいな空気もちょっとあったし(笑)。あと、結構コミュニケーション取れたんですよね。普通 に会話するっていうだけじゃなくて、ステージと客席っていう部分でのコミュニケーションが上手く取れました。MCの英語とかは通 じてないのかもしれないけど、ホント雰囲気はよかったですね。今回は本当に勉強になりましたね、音楽的な部分以外のところでも。今後に通 じる意味のあるアメリカツアーだったと思いますよ。だから、これからも年に一回くらいはコンスタントに行きたいですね。あっちでライブやっても結果 を出せる自信も出来たから。
──これから行きたい地域とかありますか。
小森 ニューヨークとか行きたいですね。
──ライブ以外で行ったことはあるんですか。
小森 ないですね。ボクら全員、ライブ以外での海外旅行経験がないんですよ。だから香港とサンフランシスコとコロラドっていう…。全員パスポートの期限も一緒ですから。
──じゃあ、CBGBとか行きたいっていう感じですか。
小森 そうですね。行きたいなぁ〜。あとは、西海岸でもちゃんとツアーしてみたいですね。
──今回のシングルですけど、以前ツアーで先行発売したものとはちょっと内容が変わってますが、それはどうしてなんですか。
小森 先行発売した時からリリースまで時間が開いちゃったというのもあるし。あとは、せっかくライブハウスに来て買ってくれたんだから、先行発売したCDを特別 な物にしたいっていう気持ちもあったんですよね。それで今回のバージョンでは一曲減らして二曲増やしたっていう感じですね。
──今回のではTHE CLASHのカバーなんかも入ってますよね。
小森 「The Prisoner」はずっとやりたかったんですよ。今までもライブではTHE CLASHのカバーは結構やってるんですよ「Garageland」とか「I Fought The Law」とか。で、今回の「The Prisoner」は、ウチのバンドで言うと柳井の声がジョー・ストラマー声で、オレがミック・ジョーンズ声っていうバランスになってるんで、ミック・ジョーンズがボーカルの曲をやりたいねって前から言っていて、「The Prisoner」は昔から好きだったんで、このチャンスにやれたんでよかったですね。結構イイ感じにやれたと思いますけどね。
──LINKって昔からクラッシュへのリスペクトは出してましたけど、ちゃんと収録されるのは初めてですよね。
小森 そうですね、だからレコーディングは楽しかったですね。今までカバーはBUZZCOCKSとかTHE JAMとかはあったんですけど、THE CLASHは初めてだったんで気合いを入れてやりました。…でも知ってるんですかね「The Prisoner」って。曲はポップだけど「Black Market Clash」とか皆あんまり聴いてないですからね。
──そうですね。でもTHE CLASHを知ってる知らないじゃなくって、単純にいい曲だと思いますからね。
小森 そうですね。それにオレらがやる事によって聴きやすくなってる人もいるだろうし。だから沢山の人に聴いてもらいたいですね。昔、THE JAMのカバーをやった時とかは、ルーツを辿ってくれたら嬉しいな、みたいな思いもあったんですけど、今回はルーツ云々じゃなく、単純にいい曲だなって思ってくれればいいやって思いましたね。
──タイトル曲でもある「ゴールドフィールド」っていうのは、やはり歌詞の中にもある「金田」から…。
柳井 そうですね(笑)。ある漫画の金田っていう主人公から取ったんですけど、ちょうどその曲を作っている時にその漫画を読み直してたんですよ。もともとは高校一年の時に読んでたんですけど、改めて読んでみたら新しい発見があって。そしたら、たまたま作っている曲と感じが似てるなって思って。
──感じが似ているというのは。
柳井 その漫画の中での、金田とその友達との友情具合とかがすっごいよくって。世界観とか、曲の内容とかにつながる部分があったんですよね。
──シングル曲は出来るまでに苦労したらしいですけど。
柳井 候補が何曲かあったんですけど、なかなかアレンジがまとまらなかったんですよ。
小森 結構前からシングルの曲のイメージはあったんですけど、なかなか上手くいかなくって、試行錯誤の末っていう感じですね。
山上 曲を作る時に、例えば「ポップな」みたいなイメージがあるわけですけど、同じ「ポップ」って言っても三人の中でズレがあるんですよ。その辺を合わせていくのに苦労しましたね。
小森 ポップパンクもポップだし、Jポップとかもあるし一言で判断するのは難しいんですよね。だから結構話し合ったりしました。
柳井 それで出来上がったのが今回のシングルに入ってる曲なんですよ。他の候補だった曲はアルバムの方に入っているんですけど、でも結果 的にシングルの曲としてはこれでよかったんじゃないかなって思ってます。ボク自身もすごい歌いやすいんですよ。口回りが。
──歌詞を乗っけた感じが合ってるんですかね。
柳井 そうですね。いいものが出来ました。
──柳井くんの書く歌詞のイメージってその時々によって違っているという印象があるんですけど、今回の場合はどんな感じですか。
柳井 今回のシングルでは直線的なイメージの歌詞が多いですね。直線的で柔らかい感じ。…まあ、分かりやすい歌詞だとは思いますね。
小森 ストレートなんだよね。変にひねくれてないんで、そのままの意味に取ってもらえると思います。
柳井 シングルに関しては抽象的な歌詞とかそういうのはないですね。アルバムにはちょっと入ってますけど。
──今回も英語日本語の曲が混在していますけど、その辺の区別はあまりしていないんですか。
柳井 やっぱり英語の方が歌いやすい事と、日本語の方が歌いやすい事ってあるんですよ。
──それは音的にですか、内容的にですか。
柳井 内容的にですね。
──あ、そうなんですか。普通に考えると内容的には日本語の方が表現しやすそうですけど。
柳井 日本語で歌った方が伝わりやすい曲もあるんですけど、最近気付いたんですけど、英語でやった方が伝わりやすい曲もあるんですよね。もちろんライブでパッと聴いた時には、日本語の方が伝わるとは思いますけど、歌詞を見ながら聴いた時に英語の方が、自分の気持ちを正確に伝えやす事もあるんじゃないかっ…ていうのがあるんですよね。日本語にするとどうしても全体的に柔らかい印象になっちゃうじゃないですか。
──くさくなり過ぎたりもしますもんね。
柳井 仮に今やってる英詞の曲を、そのまま日本語に置き換えて歌っても意味合いは変わってくると思うんですよね。英語だと、ちょっとひねくれた様な事や抽象的な事を書いても大丈夫なんだけど、それを日本語でやっちゃうとわけわかんなくなるかもしれない。
──自分の中でも表現しづらい事を、英語だと表現できる、みたいな感じですか。
柳井 そうかもしれないですね。日本語の曲はどうしても日本人ターゲットになるんだろうけど、英語の曲はターゲットを絞ってないから自由にやれてるっていうのもあるかもしれないですけどね。まあ、特にターゲットとか関係なく、これがオレのやりたい事だっていうのはありますね。
小森 英語じゃなきゃ表現できないっていう事もありますからね。英語の曲の持ってる力みたいな、ずっと英語の曲を聴いてきたんで、そういう雰囲気も好きなんですよね。同じように日本語の曲にも独特の力があるし、でもそれは全く違う別 物なんですよ。
──それじゃ最後にこのシングルについて一言。
柳井 心の奥底の引き出しを開けた様な曲が出来たので是非聴いてもらいたいですね。
小森 シングルはオレと柳井で二曲づつみたいな感じで作ってるんですけど、今まであんまりそういうのやってなかったからそれもまた面 白いかなって思いますね。内容はかなり自信作なんで聴いて下さい。
山上 結構全体的に聴きやすい曲になってると思います。 もちろんイキオイもあって、いい感じでやれてるし。まあ聴いて下さい!

◆Release info.

LINK
GOLD FIELD e.p.plus

THCA41
1,050yen(tax in)
2005.1.15 OUT

◆Live info.
2005.2.6(Sun) 横須賀PUMPKIN
<LINK&PEALOUT PRESENTS!!>
LINK/PEALOUT/Dr. DOWNER/+ 1band

2005.2.10(Thu)  新宿LOFT
<ACROSS THE POP>
LINK/TRIBAL CHAIR/惑星/Jr.monster/etc...
open 17:30 start 18:00


LINKの皆様から素敵なプレゼントがあります!
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