BUNGEE JUMP FESTIVAL2年ぶりのニューアルバム『CRUITHNE』。荒々しいサウンドにストレートなメッセージは直球で聴く者の心を刺激する。2年という期間は長い時間ではあったけれど、待った甲斐があったと素直に思わせてくれる作品。今回は、このアルバムリリース後初の3人インタビューってことで、他では聞けないお話をいっぱい聞いてきました。(interview:やまだともこ)

●音楽楽しいなって思いたいから。
―――12/2にニューアルバム『CRUITHNE』をリリースされたんですけど、まず『CRUITHNE』ってどんな意味?
町田直隆(G/cho)  CRUITHNEっていうのは地球軌道を回っている小惑星なんだけど、軌道が不規則でまだ不明なところが多い星なんですね。その星の存在が人の生き方と通 じるものがある気がして、このタイトルにしました。
―――人の生き方というと…?ひさびさのアルバムってこともあるし、そういう不規則な感じが今のバンジーを表してるのかなっていう気はしたんだけど。
町田 バンジーの生き方もそうだな。落ち着く場所っていうのがなくて、常に動いていてさまよっている状態。今回入ってるアルバムの曲のテーマにもつながる気がしたし。
―――ところでこのアルバムはいつぐらいから制作していたの?
町田 5月・6月ぐらいだったかな。そのスタジオがレーベルが持っているところだから、予約が入ってなければいつでも使っていいって言われてて、時間にも制限がなかったからのんびりやろうかって。ただ、そのスタジオが歌録りとミックス用だからすごく狭いんだよ。そこにドラムセットとかムリヤリ突っ込んでベースアンプはトイレに突っ込んで…。
―――えーーーーー!! そこからできた音なんだ…。
町田 でも、そういう狭いスタジオでもとれるんだってことが実践できたからすごいよかったかな。今まではけっこう広くて設備が整っているところでやってたから…。あんまり広いところでやると音も広がっちゃうからね。
―――じゃあ今回はバンジーの音を直接伝えることができるスタジオでできたってことだね。
田辺純平(Dr/cho) そうだね。スタジオも狭かったから跳ね返りの音も入て、飽和した感じでドラムがいい音になったし。
町田 飽和したサウンドのほうがバンドの雰囲気にあうんだよね。
―――ファーストぐらい綺麗にさせすぎてなくて荒々しい感じがして、すごくいいアルバムになったなと思ったんだけど、他に何か変化があったりしたの?
町田 環境的なものもあるけど、精神的なものもでかいかな。原点に立ち返ったような気持ちがあったからこそできた音。入ってる曲は全然ファーストに近くないんだけど、雰囲気的なものがね。勢いとか近くなったんじゃないかな。
―――確かに今回いいアルバムだよね! 
田辺 “今回も”って言ってよ(笑)! 
町田 今回はいい! これ太字ね(笑)! でもさ、よくあんなにだらだらしてたのにいいもの作れたと思うよ(笑)。
―――せっぱつまってやるよりよかったんじゃない?ということは、トータル的な手応えもだいぶいいと…。かなり満足?
町田 だいぶいいね。やり残しがないCDにしようと思って。悔いは残したくない。悔いって絶対残るものではあるんだけど悪い方向に残したくない。悔い残してもバンドにとってプラスにならないから。
田辺 それに関しては今回一番自分で自分を詰めたかもな。
町田 しわ寄せがくるのは俺達だし、集中するときはしなきゃならなかった。楽しんで結果 的にいいものを作ったと思いたいし、音楽楽しいなって思いたいから。今回はすごくそれができた。

●2年かかったけど充分に満足がいく作品になった
―――もともと12/2に出す予定ではあったの?
田辺 年内にっていう予定があって。
掘越武志 (B/cho) 9月ワンマンもあるし、僕がNY行きたかったしそれまでに上げたかったんだ。それはせっぱつまってたんだけど、全然苦しい感じはしなかった。
田辺 アセリはあったけど嫌なものじゃなかったよね。
町田 でも、実際年内に出せて良かったなって思いますね。遅れちゃったってなったらだれるんだよ、絶対に。気持ちだれると絶対だれたアルバムになるっていうのが無意識にみんなの中であったし。あとは、前作から約2年ってことで。
―――でも、2年ってお客さんとしては長いよ。
町田 うーん。日本は業界の流れが速いんだよね。1年は感覚的に約3年ぐらいじゃない。だから待つ側としては長かったんじゃないかな。それは本当に申し訳ありません(苦笑)。だけど、今って1年に3枚シングル出して1枚アルバム出すってのが当たり前になっていて、それができるのは本当に才能がある人とかビジネスが出来る人かだと思うんだ。俺等がホントに集中していいもの作りたいってのがあったら1年にそんなにいっぱい作れないと思うんだよね。
田辺 マシンガンの乱射ばっかりしててもよくないから。
町田 今回は2年あったからこれだけのモノが作れたけど、これが1年だったら今の『CRUITHNE』の良さが半減だったかもしれない。だからと言って次のアルバムが2年後になるってわけじゃないけど、それは俺達の調子が良ければ1年後には出すし。でも満足できそうになかったらもっとかかるだろうし、そういういかに充実したものを作るかのほうのがすごく重要だな。2年かかったけど充分に満足がいく作品になったと思うし。
田辺 一発のモノで撃ち抜かないと。
町田 だから今回手応えはすごくありますね。これでお客さんが「今回のアルバム最悪ですわ」ってなったらどうしようかと思ったけど。反応もいいからよかったなと。
―――そういえば今回も鍵盤が入った曲があったりしたけど。
町田 今回はスクーデリアエレクトロの吉沢さんがすごく貢献してくれてて、サウンド的なものでもすごく完成度が高いかもしれない。もともとキーボードの音が好きなんで、この曲鍵盤あったらいいなて思ってて、それを見事に再現してくれた。
田辺 あと協力者も良かったよね。
町田 『沈黙』はOCEANLANEのKay君に弾いてもらって、最初はピアノを入れるのがいいかなって思ったけど、ピアノの曲ってけっこうあるからギターを弾いてもらった方がいいんじゃないかなって。Kay君はすごくいいギタリストだってのは知ってて、声かけたら気持ちよく引き受けて…。曲の雰囲気も彼のギターがすごくあってたし、すごく気に入ってますね。
掘越 Kay君のギターはバンジーにはないやさしさがあって、イギリスの血も入ってるからUK的なものを感じて、曲がすごく映えたんですよ。重い曲なんだけどKay君のギターで広がりもあったしね。
町田 イメージの中で、パーっと大地が広がるような感じにしたかったのね。でも、どうしても俺がそのギターを弾けない。そういうギタリストじゃないのよ。そしたら彼がイメージ以上のことやってくれて、すばらしかったですね。
―――それでこの曲をしめの曲に持ってきて…。ということは、他の曲順も練って練って作り上げたものなんですか?
町田 ずーっと曲順が決まらなかったんだよ。今までのCDはライブを意識して作ってたんだけど、今回は1曲目に静かな曲でもおもしろいんじゃないかなって案はあった。新しいバンジーのオープニングナンバーとしてはすごく良かったんじゃないかなと思う。流れとしても途中で「少年少女」みたいな曲が入るよりは頭にあったほうがいいし、最後に「沈黙」聞いてからまた頭に戻れるし。
―――いつまでもループして聞けるってこと?
町田 ループしても苦じゃないよ。普通は視聴機効果 とか考えるだけど、今回はそこは考えず、あくまでも流れ的なものを考えました。
―――『少年少女』みたいな静かめの曲が最初に来たら次はなんだろうって思うかもしれないよね。
町田 うん、それで2曲目から本領発揮。面 白みがあるでしょ?

●2005年はバンドとして勉強の1年
―――ところで1月からツアー回るんだけど、初日がシェルターってことで、意気込みとか話して下さい。
町田 ツアー初日だから気合い入れるのは当たり前なんだけどいいライブにしたい。
掘越 まあ、今年のことで精一杯なんだけど(注:この取材は12月に行ってます)来年のことは来年がんばります。ツアーに関しては…運転で気が重いです(苦笑)。それが唯一のね…。
町田 そうそう。僕らようやく自分たちの車を手に入れるんですよ。これでようやくツアーバンドとしてのスタート地点に立ったかな。今までは東京でたくさんライブをやらざるおえなかったけど、今年は車があるから積極的に地方にも行けるし、効率よくツアーができるのかということも考えられるし、いろいろ勉強の1年になるんじゃないかな。気持ちとしては毎回今日楽しいライブにしようって思うだけですね。
―――ところで最近の自分たちのライブをどう感じてる? 
町田 まだアルバムを出てから1回しかやってないからわかんないけど、アルバム出してよかったなって感じですね。
―――お客さんのノリも変わってきたんじゃない? 12/10に吉祥寺のスターパインズカフェのワンマンではノリが戻ってきたのかなっていう気はした。
町田 こないだのワンマンは盛り上がってたもんね。やっぱり半信半疑だったと思うんですよ。バンジーこれからも続けていくのかなって。それがアルバムが出て安心というか、心を開いてくれたんじゃないかな。
―――これからもっと楽しみだな。そういえば、さっき堀越君は9月にNYに行ったって言ってたけど、ライブとかもいっぱい見てきたの? 
掘越 うん。やっぱり向こうはすごかった。音楽が生まれた国だからさ。ライブでもお客さんのノリも全然違うし。
町田 日本って音楽を楽しむ文化っていうのがどうしても遅れをとっているというのはありますね。
掘越 正直ニューヨークでも活動したいなって思ったけど、こないだワンマンやって、日本でやることいっぱいあるなって思ったから。でも、一度は海外のライブもバンドやってる以上は経験してみたいね。
―――そうだね。たぶん、考え方とか全然変わるんじゃないかな。じゃあ2005年の目標ができましたってことで…。
掘越 かなり強引なしめだね(笑)。
―――(笑)他に何か伝えたいことある?
田辺 明るい話題が欲しければウチのライブに来い! 以上! 

◆Release info.

CRUITHNE

DDCZ-1089
¥2300(with TAX)

◆Live info.
「CRUITHNE」アルバムレコ発ツアー
<SET YOU FREE VOL.129〜BUNGEE JUMP FESTIVAL"CRUITHNE"レコ発〜>

1月13日(木)下北沢SHELTER
BUNGEE JUMP FESTIVAL
GUEST:LINK / No Regret Life
adv. \2300 / door \2500
open18:30 / start19:00

1月21日(金)松山サロンキティ
1月22日(土)佐世保ガーネット
1月24日(月)鹿児島SRホール
1月25日(火)宮崎SR BOX
2月22日(火)名古屋HUCKFINN
2月23日(水)十三FANDANGO
3月16日(水)新宿LOFT

オフィシャルサイト:http://www.thinksync.co.jp/records/BJF/


BUNGEE JUMP FESTIVALの皆様から素敵なプレゼントがあります!
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