初のワンマン・ライヴを新宿LOFTにて遂に決行!!
「髭ちゃんですよ〜」。一度観たら忘れられない、妖艶でありながらとことんロックを追求するバンド・髭(HiGE)が、1月30日、新宿ロフトにて遂に待望のワンマン・ライヴを決行する。2004年は精力的にライヴをこなした彼らに2005年1発目となるインタビューで、魅惑の根元(笑)須藤 寿を徹底解剖!? 髭ちゃんのつかみどこない魅力が少しずつ紐解けてくる……かも!(interview:和田富士子)

今年はすごくいい音源をプレゼント出来ると思う
──2005年1発目のインタビューと言うことで、髭ちゃんにとって2004年はどんな年でしたか?
斉藤祐樹(guitar, piano)「楽しい1年だったすね。メンバーもみんな健康で元気に音出して過ごせたのは良かったです」
──今まで行ったことない場所にもライヴで行ったりして。
須藤 寿(vocal, guitar)「そうですね。地方はだいたいどこも初めてだったんですよ。そういう意味ではいろんな人に会えてすごく良かったと思ってます」
──昨年の10月にはミニ・アルバム『BATTLE OF MY GENERATION』も出ましたね。
須藤「あれは“おひさしぶり”的な感じで。そういう意味合いというか、すごい気軽だった気がするんですけど」
──2004年のリリースは実はその1枚だけなんですね。話題が多かったせいもあって、てっきりもう1枚くらい出してたかと思ってました。
須藤「音源出してみてびっくりしたのが、作ってから発売されるまでがすごい時間があるということ。俺達はもっと早いタイミングで完成したものを聴いているから。俺は完成したら1週間後にはみんなが聴けるものなのかと思ってました。そういうタイムラグに驚かされましたね」
──(笑)そう考えると1年があっという間だったんじゃないですか?
須藤「あっという間ですよ。あっという間におじいちゃんですよ、このまま」
──実は、今またレコーディング中っていうお話を伺ったのですが。
須藤「もう俺は今までの中で一番興奮しているんだけど。単純にいい感じで出来ているんです。今回は新しく絡む人達ばっかりなんだけど、それがすごく相性がいいなっていう」
──何合目くらいまで出来上がっているんですか?
須藤「今ちょうど真ん中? 5合目くらいですかね。どうなるか判らないけど、ただ、今年はきっとみんなにすごくいい音源がプレゼント出来るような気がして」
──その曲はライヴで既に聴けている曲もあったりするんですか?
須藤「そうですね、今度出すのはライヴで聴いてもらっているものとか、今までインディーで出したものとかもリメイクしたりして。もっと多くの人達に聴かせることができることになるかな? と思っているんですけど」
──ん。なんかそれいい話っぽいですね(笑)。
斉藤「だから、今まで作って来たもののベスト盤的な意味合いもあったりして、それを今めいっぱい集中して作ってて。春頃には聴いてもらえると思います」
須藤「で、すごいわくわくしてる」

愛嬌を持ちながら毒を伝えるのは難しい
──実は今回のインタビューで須藤さんを少しでも“解剖”出来ないかと思っているんです。制作過程も含め、ライヴでも“この人一体何考えているんだろう?”っていつも思うんですよね(笑)。そういう?マークを持った多くの人に代わって私が紐解きたいと思いまして。まず、同じバンドの中にいる斉藤さんから見た須藤さんってどんな人ですか?
斉藤「非常にナイーブな少年ですよ」
須藤「そんな言うほどでもないですよ。っていうか全然特別 な感じはしていないし(笑)。俺からするとバンドのメンバーも変なのが多いけどね。“ちょっと違うんじゃないの?”って」
──それも教えて下さい(笑)。
須藤「“社会不適応だな、みんな”って。俺は社会に適応できるタイプだから」
──おぉ! 自信満々に言いましたね。
須藤「俺はね(笑)。他のメンバーとかは“こいつほんとに無理だな”っていう人間が多いですよ」
──いいんですか? そんなこと言われて。
斉藤「いるからね、そういう人」
──あ、自分じゃないんだ(笑)。
斉藤「須藤は須藤で俺から見れば変な人間に見える時もあるけど、みんなもあるからね。もちろん普通 の部分もあるよ。でも、やっぱり未だに判らないところもいっぱい」
──あと須藤さんがステージに上がった瞬間、会場が甘い。
須藤「うんうん、判る!」
──あれは何でしょう? だってこういう話をしている時は甘くないじゃないですか。
須藤「選ばれちゃっているからかなぁ? 判りますもん、俺も。自分が出た時“甘いなぁ”って」
──あはははは。でも、その濃厚なところに加えてあのバンド力というか。会場に濃密な液体が流れるようなあの空間は他にないと思うんですよ。
須藤「俺もいろんなバンドの友達もいるし、いろいろな人達のステージも観るし、みんなそれぞれ独特な色を持っているけど、うちらはほんとに独特だなと。あれはなんだろうなぁ。俺、すごい紳士なんじゃないかなと思う。自分が好きだったロックとか、今まで好きだったアーティスト達っていうのはみんな刹那的で暴力的だったりするので、俺もすごいそういうものに憧れてロックやってて。でもそれだけのテイストだと俺っぽくないんだな、ってどっかで気づいた時があって。それで自然にやってみた時、多分ああいう風になったんだと思う」
──あれこそライヴの魅力だと思います。ちなみに自分達から見て髭のライヴの魅力とは?
須藤「やっぱ何かひとつのことを共有することだと思う。髭の音楽を共有することだと思うし、そういう共有感が楽しいと思う。実は僕らもね、結構判らないで物事をやっていると思うし、手探りだと思う。何も確信がないし」
──あ、それって意外。
須藤「ってよく言われる(笑)。でも何も判ってないし」
──すごい意外でした。自信を持って進んでいる気がしていたから。
斉藤「自信を持ってやったりするけど、それが一瞬のうちにもろくも崩れ去ったりする時もあるわけ。内面 的に。それがあるから“これが俺達の形だ”みたいに自信のみで突き進むほど完璧ではない。普通 の人間が誰でも持っているようなものを持ちつつ」
須藤「まぁ、要するに紳士なんですよ(笑)」
──そう言われると髭ちゃんっていうバンド自体が人間って感じがしますね。ところで、須藤さんが描く歌の題材になるモノってどんなものですか?
須藤「曲によっていろいろあると思うんだけど、例えばそれは自分に向かっていたり。だけど人が聴いて判るものがいいと思う。自分の頭の中にあるものばかりを発表すると、それは純粋度が高ければ高いほど伝わりにくくなるし、どんどんウソをついている自分に気づくというか。“そんな高尚なこと思ってないだろう”ということに気づき始めるから、本当の自分はちょっと妥協してでもみんなと気軽に共有したい。だから言葉遊びとかは多いと思うよ。それといつも忘れたくないなと思っているのはユーモア。ユーモアがなくなったら俺の場合は特にダメだな」
──ユーモアにも種類があると思うんですけど。
須藤「それは今まで通ってきたものがデカいかも知れない。どちらかというとブラック・ユーモアというかキッチュなものというか。20歳くらいの時にモンティ・パイソンか何かを観てものすごい衝撃を受けて。あとはビートルズで言えば、中期の『サージェント・ペパーズ』とか。ああいうモノもすごいバックボーンになっていると思う。全然違うじゃねーかよって言われたらそうかもしれないけれど(笑)。ピースフルだし、何かを寄せ付けない毒があるし」
──軽く毒をもった感じですかね。
須藤「そう。だから何でもかんでも中指だけっていうのは俺はあんまり好きじゃないんですよ。それは俺は簡単に出来るから。だから、難しいのはそういう毒がちゃんとみんなに愛嬌を持って伝わることだし。そういうクールな人間でいたいと思っていますよ」
──判る気がします(笑)。髭の歌の世界で迷える感じとかもそうですよね。きっと。
須藤「見方がひとつだけのものとか、あんまりよろしくないと思いますから。それを見た時にいろんな感情が人によって生まれたりして、またそれを歌っている俺も聴いている人とは違う感情でいるっていう。いろんな多面 的に見れるものを音楽を通してじゃなくても自分から発して行きたいと思ってますよ」

初ワンマンはハッピーでユーモラスに
──オン・ステージとオフ・ステージでやっぱりメンバーは変わったりします?
須藤「どうなんだろう? よく“イメージと全然違いますね?”と言われますけど。“あ、そうですか?”って感じ」
斉藤「細かいことはよく判らないけど、ステージに立っている時のほうが体が起きているような気がする」
──斉藤さん、すごい判る(笑)。
斉藤「普段のほうが眠いまま生きているようなことがあったりするんだけど、ステージ上で眠いとはもちろん思わないから、ということはやっぱり全部が起きている状態なのかなっていう。それが多少差になるような気がするけど。意識的にこうしてやろうとかじゃないけど、ただ、伝わればいいかなと思ってやっているだけだから」
──ステージ上の斉藤さんは光ってますからね。
斉藤「だからギャップが凄すぎて、夜なんかは家に帰るともう涙が出て来ますよ。淋しくて。ライヴでみんなの顔を見れるのが一番幸せだから。そのギャップがね」
──いい話だ(笑)。
斉藤「それくらい好きだね。人前で演奏するのが」
──そんなライヴが(笑)1月30日にロフトでありますが、遂に! 初ワンマンですね。
須藤「そうそう。すごい楽しみ。今、もうスタジオ内はしっちゃかめっちゃかだよ。いろんな曲をやったり新曲も書いているワケだし」
──ワンマンだと時間がたっぷりありますからね。
須藤「まぁお喋りで2時間くらい潰すことはできますね」
──喋りですか!?
斉藤「だから4時間くらい観ていただければ収まるかなと」
──喋り2時間……じゃそれはプラスワンで是非(笑)。
斉藤「(笑)でもほんと今までCDに収録した曲で、なかなかライヴで聴かせられなかったものとかもやるつもりでいるし。なのでそのあわてふためいている俺達を目の当たりにして楽しんでもらえたら(笑)」
──楽しみですね。何しろ“初ワンマン”ですからね。
須藤「それはほんとに大きいと思う。まだ予想も出来ないし、どういうものになるか。でも素敵なものにしたいなと思ってますね。すごいハッピーでユーモラスで」
──いつもと何か変わったことがあるかもですか?
須藤「そういうことはでもあんまり考えてないかな。特別 なことをやろうと思ってないっていうと宣伝になってないかもしれないけど(笑)。でもいつも通 りの俺達で楽しくできたらなと思ってますね」
──じゃ、最後に飛躍の年になりそうな今年に一言どうぞ。
須藤「またこれから多くの人に会えるってことがすごい俺にとっても楽しみ」
斉藤「2004年は少しずつ行けたけど、2005年はほんとにいろんな人に会いに、遊びに行こうと思っているので楽しみにしてて下さい。多分すごい各地を回ると思うから」
須藤「みんなに会いに行きたいなと思います」
──……なんかちょっとずつ紐解けて来ている感じしますね。
須藤「でも、僕らの底は浅いですよ(笑)」
──ウソ!
斉藤「浅くて狭い(笑)」
須藤「すぐ判っちゃうっていう(笑)」
──いや、期待度としては、紐解いた先に更にすごいものがあると思ってますから。それが例えまやかしであったとしても期待しちゃいますね。

■Release info.

BATTLE OF MY GENERATION

3rd Stone Records
JHCA-1002
1,800yen (tax in)
IN STORES NOW

Live info.

<髭ワンマンLIVE 〜BATTLE OF MY GENERATION〜>
1月30日(日)新宿LOFT

OPEN 18:00 / START 19:00
PRICE: advance-2,500yen / door-2,800yen(共にDRINK代別)
【total info.】HOT STUFF:03-5720-9999

1月26日(水)十三fandango
GUEST: BAZRA OPEN 18:00 / START 19:00
PRICE: advance-2,500yen(DRINK代別)
【total info.】GREENS CORPORATION:06-6882-1224

髭 (HiGE) OFFICIAL WEB SITE http://www.higerock.com/

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