INSK@UT 超弩級のポップでカラフルでハッピーな衝撃!!  
DOMINO88のKeyossieが主宰するレーベル“P.O.S”期待の有望株、それがこの女性ヴォーカルを含む男女混合7人組ブラス・ポップ・バンド、INSK@UTである。プロデューサーにKeyossieを迎えて制作されたファースト・ミニ・アルバム『GET HAPPY』は、極めて単純明快なアレンジがどこまでもポップで親しみやすいメロディに彩 りを与え、スピード感溢れるホーン・フレーズがいい塩梅に緩急を付けたメリハリある好作品に仕上がっている。スカの門外漢ですら問答無用にサのヨイヨイと楽しめるこんな大らかな音楽を真面 目に論じても野暮なだけなので、早速フロントマンの2人の話を聞くことにしましょう。(interview:椎名宗之)

楽しくて勢いのある音を重視して詰め込もう
──こうしてINSK@UTの名刺代わりとなる1枚が完成して、どうですか。
SHINY@(Gt, Cho)「レコーディングはDOMINO88のKeyossieと大騒ぎしてバシバシやってたんで。苦労してひとつのアルバムを作り上げたっていう達成感みたいなものはありますね」
SAE(Vo)「Keyossieがまるでお父さんみたいにみんなをまとめてくれてたんで、凄くやりやすかったんですよ。こっちは好き勝手にやらせてもらって」
──Keyossie氏のプロデューサーとしての手腕はズバリ、どうでしたか?
SHINY@「プロデューサーと呼ばれる方と関わったことが余りないので基準がよく判らないんですけど、プロデューサーっていうのはきっとこんなものじゃないんだろうなぁ…というか(笑)」
──(笑)でも、レコーディングは円滑に進んでいったんですよね?
SAE「いやぁ…いろいろありましたよ(笑)」
SHINY@「決して円滑とは言えなかったですね。ホーン録りあたりで一部揉めたりして(笑)」
SAE「ある日、スタジオに着いた途端、Keyossieにカンペを見せられて“ホーンのみんなをどうにかしてくれ!”って(笑)」
──プロデューサーもサジを投げたわけですね。全然“GET HAPPY”な雰囲気じゃないですね(笑)。
SAE「今振り返ると笑い話なんですけどね。でもあの時はとにかく真剣だったんで」
──だけど、メンバーが7人もいればまとまるのが大変でしょうね。
SHINY@「個性強いのが多いですからね。奥底はネガティヴなタイプが実は多いのかもしれませんけど、基本的にはバカな連中なんで。僕ら2人は比較的まだマシなほうですよ。まともなほうの1位 、2位かってくらいで。あとは本当に…才能のあるバカどもですよ(笑)」
──INSK@UTにはバカの精鋭が集結している、と(笑)。
SHINY@「ええ、バカのサラブレッドですね(笑)」
──どういう経緯を経て今のメンツになったんですか?
SHINY@「もともとは、INSK@UTの前身にあたる女性ヴォーカルのバンドを僕がやってまして。そのバンドをやっていく過程でいろいろとメンバーが替わって、今のヴォーカルのSAEとドラムのTECCHINとサックスのTAICHIが入りまして。その後バンドはすぐに解散してしまったんですけど、何人かで“もう1回やろうよ”って話になって。それからベースやホーンを募集して、2年前にINSK@UTを結成したという感じです。だから前のバンドの末期は今のINSK@UTと音楽的にも近いものがありましたね」
SAE「学校の友達でもないし、仕事の同僚でもないし、何というか微妙な関係なんですけど、バンドの仲間ってやっぱり一緒にいて楽しいですよね。普通 だったら出会えないような顔ぶれですからね。私はステージの一番前で唄うからメンバーの姿は見えないんだけど、後ろを振り向けばみんないるし、横を向くと暴れてるし(笑)、面 白いですよ。このメンバーでいると安心しますね」
──結成当初から今のようにポップでカラフルなサウンドを目指していたんですか?
SHINY@「最初はそれほど深くは考えてなかったんですけど、曲を書いていくうちにポップで楽しい感じの曲ばかり溜まっていったんですよ。どうやらそういうタイプの曲しか書けない人間のようで」
──本格的なレコーディングというのは今回が初めてですよね。
SHINY@「そうですね。オムニバス用の音源を1〜2日で録るのは今まで何回かあったんですけど、半月くらい時間をかけてミックスまで立ち会うのは今回が初めてですね」
──収録曲はどれもライヴではお馴染みのナンバーばかりで。
SHINY@「はい。結成からずっとライヴでやってる曲を中心に、少し新曲も書き下ろしたりしながら8曲入れました」
──どの曲も明るくポップで単純明快というか、Keyossieの意図する“P.O.S”のカラーにピッタリのサウンドですね。
SHINY@「まぁ、彼のレーベルの趣旨も、どこへ行こうとしているのか僕らもよく判ってないんですけど(笑)。DOMINO88との相性という面 ではわりと近いものは感じますけどね。とにかく聴いて楽しめればっていう部分を狙ってるところとかは」
──ライヴでもそれは貫かれてますよね。小難しいことを考えるのではなく、とにかく楽しんじゃえ、っていうか。
SHINY@「そうですね。“コイツらバカだな”って思われながらお客さんに楽しんでもらえればいいし、面 白おかしくやってますね。ここまで開き直ってやってるバンドも今時なかなかいないんじゃないかと我ながら思いますよ(笑)」
──そういうライヴでの勢いをアルバムに封じ込めるのって、なかなか難しいですよね。
SHINY@「確かにそうですね。キレイに録れたものよりも、楽しくて勢いのある音を重視して詰め込もうっていうのはKeyossieとも話してたんですよ。失敗した部分もあえて残そうとしたりして。そういう未完成的なドタバタしたところもしっかり表現していこう、ってことで。…まぁ、言い訳としてそう書いておいて頂ければと(笑)」

求められているのは単純明快な判りやすさ
──レコーディングの過程でKeyossieさんから受けた具体的なアドバイスは?
SHINY@「“常に聴く人のことを考えろ”ってことを話してくれましたね。自分達がもっとコアな方向に行きたいと思っても、“それよりお客さんはもっとヴォーカルを聴きたいだろう”とか“もっと明るいほうがいいだろう”っていう部分には凄くこだわっていて、的確に流れを作ってくれましたね」
SAE「あと、“この曲はちょっと長いだろう”とかね」
──やりますね、敏腕プロデューサー。
SHINY@「あとは……“牛乳を飲め!”って言われましたね」
──はい?(笑)
SHINY@「僕は昔から全然飲めなかったんですけど、Keyossieに“ちょっと飲んでみろよ”って言われて飲んだらこれがなかなかイケたんですよ。それから毎日牛乳飲んでますから(笑)」
──(笑)こうしてアルバムが仕上がると、“次作はもっとこうしたい”とか欲が自ずと出てきますよね。
SHINY@「そうですね。改めて完成したアルバムを聴いてみると、“もっとこうしたらイイんじゃないか?”とか思うところが出てきたりして、イメージが膨らみますね。余り難しい方向には行かないように…っていうのは変わらないんですけど。INSK@UTを聴いてくれる人が求めているのは、単純明快な判りやすさだと思ってるんですよ。ライヴで言えば“ここで手を挙げるように見せかけて…”みたいなのは絶対にないんで。ここで手を挙げるぞと思ったら必ず手を挙げるようなライヴをやってるつもりですから。裏切りはナシ、っていう」
SAE「思う存分、手を挙げてほしいよね。違ったポイントで手を挙げてくれても一向に構わないので。このアルバムも、カセットに録音してそれを車のなかで聴いてもらえるのでも何でもいいので、シチュエーションに合わせてたくさんの人に聴いてほしいんですよね」
──アルバムを聴くとライヴを観たくなりますね。スピード感満載で躍動感にも溢れていて。
SHINY@「ありがとうございます。そう言われるのは凄く嬉しいですよ」
──これもやっぱりプロデューサーの手腕でしょうか?
SHINY@「いや、それは恐らく……自分達の手腕ですね(笑)」
──実際には、DOMINO88というバンドに対してどんな思いを抱いてますか?
SHINY@「それはもう、偉大な存在ですね。素直に思いますよ。バンドの結成から8年経ってもああいう音楽の最前線をずっと走ってるわけですから、何やかんや言ってもやっぱり尊敬してますよ。同じバンドマンだからこそDOMINO88の凄さが判るっていう部分もありますしね。きっとその思いはこれからもずっと変わらないと思います」
SAE「私は昔、ファンとして普通にライヴを観てましたからね。それが今や一緒に仕事をできるようになって、素直に嬉しいですよ」
──でも、まさか牛乳を勧めるような人だとは思わなかった、と(笑)。
SHINY@「思ってたよりはカリスマ性がなかったかなぁ、なんて(笑)」
SAE「いい意味でね(笑)。ホント親しみやすいキャラクターですから」
──今後の展望を聞かせて下さい。
SHINY@「P.O.Sでお世話になることが決まった時に、“フル・アルバムまでを見据えて勝負しよう”ってKeyossieに言われたんですよ。P.O.Sのオムニバス(『P.O.S COMPILATION』)があって、SUNNY SIDE UPとAll about ska perfomersとのスプリット・アルバム(『NEW S.O.S』)があって、その流れで今回の『GET HAPPY』があって。まずはこのミニ・アルバムをINSK@UTの名刺代わりとして全国のみなさんに知ってもらうようにして、次はフル・アルバムでこのバンドの答えを提示したいと今は思ってます」
SAE「自分達で企画するライヴも今後定期的にやっていきたいですね」
──年末にかけてのレコ発ツアーが実に24本。長くて大変じゃないですか。
SHINY@「Keyossieに騙されたんですよ。“ツアーっていうのは普通 40本は廻るもんだぜ”って言われて、“これくらい廻るのが普通なんだなぁ、俺達はちょっと少なめだけど頑張ろうよ”なんて言って(笑)。そしたら世間一般 ではかなりの量らしいことを後で知りました(笑)」
──まんまとプロデューサーの策略にハメられましたね。
SAE「私達、本当に何も知らないんで。言えば黙って付いていく子供のような(笑)」
SHINY@「まぁでも、騙しながらも今のところはいい方向へ導いてくれてますからね」
──最後はキッチリ立てますねぇ(笑)。
SHINY@「今の部分は必ず使っておいて下さい(笑)。でも今度のツアーはホント楽しみなんですよ。全国の人に僕達の“楽しい!”って気持ちを伝えることができると思うと」


■Release info.

GET HAPPY

LASTRUM CORPORATION
LAPOS-0005 1,680yen (tax in)
IN STORES NOW


■Live info.
<『P.O.S NIGHT』>
11月27日(土)新宿LOFT
w/ DOMINO88 / Yum! Yum! ORANGE / SUNNY SIDE UP
*BARステ−ジ : All about ska performers
OPEN 18:00 / START 19:00
PRICE: advance-2,000yen / door-2,500yen(共にDRINK代別)
【info.】shinjuku LOFT:03-5272-0382

<GET HAPPY TOUR 2004>
10月23日(土)名古屋APOLLO THEATER/10月24日(日)松本RIDE OUT/10月26日(火)横浜FAD/10月28日(木)宇都宮VOGUE/10月29日(金)熊谷VOGUE/10月30日(土)本八幡THE 3rd STAGE/11月3日(水)江坂MUSE HALL/11月5日(金)奈良NEVER LAND/11月6日(土)神戸STAR CLUB/11月7日(日)滋賀B♭/11月10日(水)広島Cave-Be/11月11日(木)岡山PEPPER LAND/11月12日(金)福岡CB/11月14日(日)京都WHOOPEE'S/11月16日(火)福井HALL BEE/11月19日(金)金沢vanvan V4/11月21日(日)富山Soul Power/11月22日(月)水戸club SONIC/11月25日(木)郡山CLUB#9/11月28日(日)浜松MESCALIN DRIVE/12月1日(水)甲府CONVICTION/12月2日(木)新潟JUNK BOX mini/12月3日(金)仙台RIPPLE/12月11日(土)高田馬場CLUB PHASE

<OTHER LIVE SCHEDULE>
10月2日(土)高田馬場CLUB PHASE “Yummy!!! LOVEWAGON『Instead Of You』レコ発”
10月9日(土)柏CLUB ZaX“SPECIAL LIVE『Shall we dance?!』”

INSK@UT OFFICIAL WEB SITE
【PC】http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Drum/8433/
【MOBILE】http://k.excite.co.jp/hp/u/inskaut


LOFT PROJECTトップへ戻る←→ROOF TOPトップへ戻る