野外パーティーなどに呼ばれることの多いDACHAMBOは、当然のことながらはじめて観るお客さんの前で演奏する機会が多いのだが、目の前で突然鳴り始めたDACHAMBOの圧倒的なグルーヴが大波の如く会場中に伝わり、あっという間に熱気を帯びたダンスフロアになってしまう光景を、私は何度も目撃した。すぐには形容しがたい新種の植物のような音楽を生み出すDACHAMBOが、待望の2nd Album『Dr.Dachambo in Goonyara Island』をリリースする。謎の幻覚植物研究家・ダチャンボ博士と共に、是非、あなたの心の中に存在する理想郷「グニャラ島」を探検してみて欲しい。
(Interview:加藤梅造)

みんなが勝手に思い描いたグニャラ島
――レコード屋とかに行くと、DACHAMBOは日本のジャム・バンドとして紹介されていることが多いんですが、そもそもDACHAMBOにとってジャム・バンドってどういうものなんでしょうか?
AO なんなんだろう? 自由な空間とか音楽が好きで、それを作ろうとしているバンドというのかな。
Omi その瞬間瞬間の感情だったり雰囲気を表現したいとか?
AO メンタル的なつながりが会場全体にあって。だから音楽のジャンルとか形式はあんまり関係ないんだと思いますね。やっぱり、ジャム・バンドっていう言葉の出現以前に、その筆頭としてあげる事ができるのはグレイトフル・デッドだから、みんなデッドをイメージするきらいはあるけど。新しい世代の人達は、それだけじゃないぞという感じで、例えばデッドも好きだけどハードコアも好きっていう感じのバンドも出てきて、今は面 白くなってますよね。より自由になってきていると言うか。
――DACHAMBOもそうした新しい世代のバンドとして認知されてきていると思いますが、待望の2ndアルバム『グニャラ島のダチャンボ博士』がリリースされますね。ところでグニャラ島って何なんですか?
EIJI 多分、感覚的には南の島じゃないですか。
AO 現実逃避の島ですよ。
――あっさりした説明ですねえ(笑)
HATA 人によってイメージが違うものです。
AO 理想郷というか、ありえない島でありえない音楽を作ろうと思ってレコーディングに臨んだんだけど。結局、ありふれたものしかできませんでしたが(笑)
――そんな謙遜を。マジで素晴らしい作品じゃないですか。
AO でも、なんだか素直にできちゃったんだよ。
HATA 素直ってどういうこと?
AO いや、みんなが勝手に思い描いたグニャラ島のイメージが素直に投影されているアルバムっていうかね。
Omi うん、そうだね。
――グニャラ島って言葉はどこから出てきたんですか?
AO 地方でライブをするときに感じるのは、どの町もいろんな表情があるじゃないですか? じゃあ、DACHAMBO村っていうのはどんな表情をしているのかと思い描いていた時に、ぽっと島のイメージが出てきたんです

EIJI ひょっこりひょうたん島みたいなもんです。
――曲が70分以上ぎっしり収録されてますが、全体的にひとつの流れができていて非常に聴きやすいですね。
HATA 最初はこの3倍ぐらいの長さだったんです。それをまあ厳選して。
AO アルバム全体のイメージの統一とそれぞれのバリエーションの広がりは結構悩んで考えましたね。
HATA 統一感がマンネリにならないように、または広がりがとっ散らかりにならないようにうまくバランスがとれてると思いますよ。 EIJI 自画自賛ですか(笑)
AO なんだよDACHAMBO、えらそうに。
――そういうバランスって誰がとってるんですか?
HATA それは、みんなで好き勝手なことを言いながらなんとかなんとなく。
AO 誰か一人が決めれば楽なんでしょうけど、それだと面 白くないし、まあメンバー全員がリーダーという自覚を持ってやってますから。
EIJI 曲順がなかなか決まらなくて、カードに曲名を書いてそれをいろいろ並べ替えてあーでもないこーでもないとやってたんです。それで朝方になって、そのカードを適当にシャッフルして並べたら、偶然、今まで思いもつかなかった曲順になって、これいいじゃんって。
AO あの時はDACHAMBO様が降りてきたんだな。
――これぞジャム・バンドの醍醐味ですねえ。
AO 偶然性を肯定する!
HATA 偶然は必然なんですよ。
AO なんだよ、醒めるこというなよ。
――いきなり話を大きくしますが、地球そのものがあらゆる偶然がつながって必然になってると思うんです。
AO ああ、そうですね。酸素の濃度とか。21%以上でも以下でもだめらしい。
HATA あと、人間の魂の重さが21gとか。
AO そうそう、今、21って俺らの中では流行ってるよね。

携帯電話よりテレパシーを普及させるべき!
――ACHAMBOの事業計画として、人間が宇宙に捨てたゴミを拾うっていうのがあるじゃないですか? それは素晴らしい目的だと思うんです。だって、せっかく地球が偶然バランスをとって必然になってるのに、ゴミとかってそのバランスを壊すものじゃないですか。原子力発電所のゴミとか。
AO 人間って臆病なんだと思うんです。結局、便利なものを作り続けないと安心できないというか。携帯電話だってなくても生活できるけど、電池切れたらヤバイ〜とか。
EIJI 電波入んねーよ!とかいつもあせってるよね(笑)
Omi 俺、前から思ってるんだけど、携帯電話を普及させる前にテレパシーを普及させた方がいいんじゃないかって。なんか今、間違った方向に進んでると思うんだよな。
AO テレパシーをどうやって普及させるんだよ !?
Omi それは国をあげて研究してさあ。だって、携帯電話を使うことに慣れてしまったことで、ある感覚がなくなっていると思わない?
――いわゆる虫の知らせとかいうやつですよね。
Omi そうそう。感づくこととかね。
AO でもね、どんな手段でも人とつながりたいんですよ。僕なんかは(笑)
Omi いや、別に携帯電話なんか使わなくても、相手のことを思うことによって人とつながることはできるよ。その人とつながりたいと思えば!
AO うーん、それは愛だねえ。
――あと音楽って、携帯電話を使わないでも人と人をつなげることができるツールだと思いますよ。
EIJI まあ、携帯だと1対1だけど、音楽は会場にいる人全員とつながれるからね。
AO その場で発しているテレパシーだ。
――そこが音楽の偉大なところですよ。だって満員電車に乗ってても一体感なんかないじゃないですか。
HATA ないねえ。あっち行けって感じだからね。
EIJI 俺なんかオヤジ扱いされちゃうからなあ。
HATA だから今日自転車なんだ(笑)
EIJI それは関係ねーよ!
Omi 音楽を聴きに行ってよかった時って、やっぱりみんなと一体感を感じた時ですよね。今日来てよかったなーって。気が付いたら隣の奴と肩組んでたりとか。
HATA いつの間にか全裸になってたりとか(笑)
――やっぱりDACHAMBOの醍醐味はそういうお祭り感ですよね。
AO まあ俺は祭りでも合コンでもいいんだけど。
Omi 人がたくさんいて盛り上がればいいんだろうね。ライブやってる時、引いた感じで見てる人がいると、なんとか盛り上がってくれと思うよ。
EIJI そこでテレパシーを出すんだ。
Omi 調子いい時は出す! でも調子が悪いと自分の中に入っちゃう。虫に刺されて足がかゆい時とか(笑) でも、そういう時は落ちるなあ。
AO テレパシーかどうかはわからないけど、ライブの時ってそういう集中力や精神力を使ってるんだろうね。ライブ終わるとすげえ疲れるもん。
――この前DACHAMBOのライブ観てたら、盛り上がったお客さんがステージで踊ってましたが、そういうのってよくあるんですか?
AO よくあるよね。なんだか嬉しいよね。あんまりおっかない人が来たら困るけど。
HATA 水着のおねーちゃんだったらいいんだろ?
AO そしたら演奏なんかしてられないよ(笑)
――とにかくDACHAMBO村は楽しいので来ないとダメですよ〜ってことですね。
AO まあ、近所の神社のお祭りという感覚で来てもらえればいいと思うんです。
EIJI 手作り感覚だからね。
AO ライブはそこの出店みたいなもんだから。あそこのたこやきうまいよなってなぐらいで。


★Release info.

Dachambo
Dr.Dachambo in Goonyara Island

RTPC-006 2,415yen (tax in)
2004.9.15 OUT

★Live info.
DACHAMBO Goonyara Tour 2004
●09.05(SUN) SunSetLive2004 @福岡芥屋ビーチ
●9.09(THU) @横浜GRASS ROOTS
●9.12(SUN) 芸術祭 @東京芸術大学野外ステージ
●9.18(SUN) SUMIE BEACH 9MOSH @宮崎すみえビーチ
●9.21(TUE) @大阪BANANA HALL
●9.22(WED) @大阪DROP ●9.24(FRI)-26(SUN) 華鳥風月 @京都
●9.25(SAT)-26(SUN) KALAY HIGHLAND JAM @長野県鹿麗高原キャンプ場
●10.04(MON) ロフトノススメ @新宿LOFT
●10.05(TUE) in the city TOKYO 2004 PLEASURE-in-PLEASURE @渋谷チェルシーホテル
●10.08(FRI) 濱JAM祭 @横浜THUMBS UP
●10.10(SUN) NAGISA PRE PARTY@CUBE 326
●10.11(MON) NAGISA @お台場海風公園 / FREE LIVE
●10.15(FRI)-17(SUN) STAR GATE presents @下田銀河高原キャンプ場
●10.16(SAT)-17(SUN) PEACE TRIBE @三河高原キャンプ場
●10.23(SAT) Voyage @恵比寿MILK
●10.24(SUN) ULTIMATE MUZIK! FES'04 @青山CAY