昼下がりの下北沢はんなり対談

これまでとは一味変わったライヴをお見せします!  
シュガー・ベイブ(山下達郎)、サザン、スピッツ、ブルーハーツ、スガシカオ……その選曲やアレンジに独自のセンスやルーツを垣間見ることのできる2枚組全14曲のカヴァー集『COVER GIRL』を発表したつじあやの。初のライヴハウス・ツアー“LIVE GIRL〜車移動はアカン!〜”初日は我が下北沢シェルター。これを記念して、店長・西村仁志とのご挨拶を兼ねたうららかではんなりな対談が下北のとある喫茶店で始まったのでした……。

実はシェルター出演2度目なんです
西村「はじめまして」
つじ「よろしくお願いします」
西村「意外といえば意外なんですけど、確か一度、シェルターに出演してもらってますよね?」
つじ「はい、“LD&K Night”の時に。[註:1998年9月17日、Roboshop Mania、Raymondsらと共に出演] かれこれもう5年以上前ですね」
西村「記憶にはうっすらあるんですよ。今度のツアーのワンマンが確かシェルター初めてじゃなかったよな? って思ってて。その頃はもう、東京でライヴを頻繁にやってました?」
つじ「いや、そのシェルターが京都から東京へ来て初めてやったライヴなんですよ。東京へ来ること自体も初めてのことだったんです。東京に知り合いも全くいなくて」
西村「へぇ。東京の生活にはもう慣れました?」
つじ「ええ、だいぶ慣れましたし、ここ2、3年で落ち着いてきましたね。京都の実家には今もよく帰ってますけど」
西村「今回のライヴハウス・ツアーはどんな経緯で決まったんですか?」
つじ「2年くらい前から私がやりたいって言ってたんですよ。デビューしてから、特に地元の京都とかではなかなかライヴができなかったりしていて。磔磔というライヴハウスが京都にありまして、是非そこでやりたいと思っていて。だったらいっそ全国のライヴハウスを廻ってしまおうと」
西村「以前はライヴハウスでよくライヴをやってたんですか?」
つじ「そうですね、大学までずっと京都やったし、その頃は磔磔とかメトロとか拾得でちょこちょこと」
西村「京都の人ってホント磔磔好きですよね」
つじ「そうですね。酒蔵を改装した雰囲気のあるところですよ。出るのはメジャーもインディーも一緒くたな感じで」
西村「僕は行ったことないから気になるんですよね。京都といえば磔磔、大阪でいえばファンダンゴ、北海道でいえばカウンターアクション、九州ならビブレホールとか、その土地土地に皆が好きだっていうライヴハウスがありますよね」
つじ「うん、そうですね。シェルターは今までどんなアーティストが出演されてるんですか?」
西村「自分はシェルターに入る前からパンクが好きで、シェルターにはそういうバンドが出るイメージがあったんですけど、特にジャンルを限定してるわけではないんですよ。つじさんが今度名古屋クアトロで共演するイースタンユースも、昔は定期的にシェルターで“極東最前線”っていうイヴェントをやってたんです。それにしてもよくイースタンと2マンでやるって言いましたね?(笑)」
つじ「(笑)前からやってみたかったんですよ。デビュー前はよく対バン形式でライヴをやってたんです。チェルシィとかと一緒によく京大吉田寮でライヴをやってましたしね」
西村「エッ、チェルシィとですか!?(笑) じゃあ、異ジャンルのバンドと対バンするのは特に気負いもなく?」
つじ「全然なく。だから今回のイースタンユースとのライヴも是非にと」
西村「吉野(寿)さんはつじさんの音楽、好きそうだもんなぁ。チェルシィはシェルターでも即満杯で凄い人気でしたよ。普通 にお客さんの上を歩いてましたからね(笑)。足がまるで手みたいに曲がるんですよね、凄い接地力だなと思って(笑)。でも、物が壊れるのがイヤなんですよね、店の人間として」
つじ「ああ、そうですよねぇ」
西村「ただそれ以上に、逆にパフォーマンスが大人しすぎるとそれはそれで面 白くないんですよ。店の物が壊れてほしくない気持ちと、でもライヴではハプニング性みたいなものがあってほしい気持ちとが常に両方あって…」
つじ「店長としての悩みどころですね(笑)。もともとよくシェルターでライヴをやってはって、今凄い活躍していらっしゃるアーティストはどんな方がいますか?」
西村「さっきも話題に出たイースタンとかですかね。個人的にも凄い好きで。あとはエレカシとか。一度メジャーと切れた時にライヴハウス・ツアーをやってて。今でも時々打診をもらいますけどね」

打ち上げは紅茶で乾杯!?
西村「ツアーのサブタイトルにもありますけど、やっぱり車移動は苦手なんですか?」
つじ「ダメですねぇ。東京へ初めて来る時も、車は絶対にアカンから“ぷらっとこだま”切符っていうチケットとホテルの宿泊券が付いてるのを買って(笑)。電車はまぁ、嫌いではないですね。本とか読んでいられるし」
西村「つじさんは車っていうよりもヴェスパとかが似合いそうなイメージありますね」
つじ「そうですか?(笑) チョイノリとか、注目はしてるんですけど…。ただ走ってはるとちょっとコワイですけどね、246とかは。ちっちゃい道やったら良さそう」
西村「失礼かもしれませんけど、自転車はあまり似合わないような気が…」
つじ「エッ!?(笑) 私、自転車は凄いよく乗ってますよ?」
西村「自転車よりも一輪車のほうが似合いそうな気がするんですよ(笑)」
つじ「似合うって言われたことないですよ(笑)。そんな、中国雑伎団じゃないんですから(笑)。近所移動はもっぱら自転車ですね」
西村「今日もここ(下北沢)まで電車移動ですか?」
つじ「はい」
西村「下北へはよく来ます?」
つじ「時々ですね。友達とお茶を飲んだりごはんを食べたりとか。下北はシェルター以外にもライヴハウスが結構ありますよね?」
西村「そうですね。でも意外とうまいこと棲み分けができてるんですよ。それが凄く心地よくて。シェルター・ワンマンの日はバンド形態ですか?」
つじ「そうです。ライヴハウスはお客さんとの距離が近いので、今までのライヴとはまた違ったものになると思いますよ。今回は編成も少し変えて、チェロを入れたり、ちょっと打ち込みっぽいのも入れたりして」
西村「エッ、打ち込みも入るんですか?」
つじ「そんな、むっちゃディスコとかむっちゃテクノとかではありませんけどね(笑)」
西村「ツアーは好きなほうですか?」
つじ「あまりビッチリ立て込むと、正直疲れちゃいますね(笑)。今回は9本ありますけど、これでも私の中では多いほうなんですよ。いつもは大体3ヵ所くらいですから。だから、1年間ずっとツアーをやってはる方とか凄いなぁと思いますよ」
西村「ちなみに、バックを務める方は大酒呑みですか?」
つじ「そうでもないですね。全く呑めない人もいますし。私も好きは好きなんですけど、嗜む程度で。そんなに量 を呑めるわけではないですし…」
西村「じゃあ、打ち上げはシェルターで稀に見る酒の少なさになるかも(笑)」
つじ「私ね、紅茶が凄く好きなんですよ。だから打ち上げは紅茶メインで(笑)」
西村「紅茶かぁ……紅茶は店に置いてないなぁ(笑)」
つじ「じゃあ今度持っていきましょうか?(笑) なかなか美味しいですよ。落ち着きますし」
西村「スタッフを含めて全員が紅茶で乾杯してたら、それはそれで面 白いですね(笑)。ところで、最近お気に入りの音楽あります? 僕、ずーっとシェルターにいるもんで、シェルターに出てるバンド以外の音楽を知る機会がなかなかなくて…」
つじ「そうですね、最近だとシカラムータっていう大熊ワタルさんのユニットが凄く格好よくて、この間もライヴを観に行きましたね。凄い良かったですよ」
西村「シカラムータか…今度チェックしてみます。…じゃあ最後に、シェルターへ来るお客さんにメッセージをお願いします」
つじ「シェルターはオール・スタンディングですよね? そういうライヴ自体、今まで全然やったことがなくて。大体が座りですから。立ちと座りではやっている側も全然違うから、今回のツアーはこれまでのライヴとはガラッと違うと思うんですよ。しかもシェルターは初日なんで、今までとは異なる新しいステージを真っ先にお見せできると思いますので、期待していて下さい。私も凄く楽しみにしてます。いつもは座ってウクレレを弾いてますけど、シェルターでライヴをやることによって、今度からは立ってウクレレを弾いたほうがいいのかな? なんて考えたりするかもしれないし(笑)」
西村「ウクレレは別に立って引けない楽器ではないですよね?」
つじ「ええ。ただ、ストラップがないんですよ。小脇に抱えてずっとできるかな? っていうのがあって。そう考えると、やっぱり座って弾くのがいい気もするし…。リハがこれからなのでどうなるか判りませんけどね。それは当日までのお楽しみということで(笑)」


■Release info.

COVER GIRL

SPEEDSTAR RECORDS
【2枚組CD】VICL-61378〜9 / 3,045yen (tax in)
【アナログ盤】VIJL-60117 / 3,600yen (tax in)

IN STORES NOW

■Live info.
<LIVE GIRL〜車移動はアカン!〜>
2004年6月17日(木)下北沢SHELTER
つじあやの (one man)
OPEN 18:30 / START 19:00
PRICE: advance-3,500yen(DRINK代別)
【INFO.】HOT STUFF:03-5720-9999

6月23日(水)札幌KRAPS HAL
6月25日(金)仙台LIVE HOUSE enn
6月29日(火)名古屋クラブクアトロ
“NAGOYA QUATTRO 15th ANNIVERSARY〜eastern youth VS つじあやの”
7月1日(木)広島Cave-Be
7月3日(土)福岡ビブレホール
7月5日(月)大阪バナナホール
7月6日(火)京都磔磔
7月23日(金)LIQUIDROOM ebisu

つじあやの OFFICIAL WEB SITE http://www.jvcmusic.co.jp/speedstar/uraraka/