数々の代表曲を完全再レコーディングした“今”の54-71


 完全自主制作の新録ベスト・アルバムを完成させた54-71に本誌独占インタヴュー! D.I.Y精神で全て手作業でジャケットを折り続けるメンバーに近況を語って頂きました。(interview:東田慎二/新宿LOFT)

折りたいんですよ! ジャケットを!
【4月13日、渋谷讃岐将八うどんにて】
川口賢太郎(b)「大、食えばいいじゃん!」
堀川裕之(ds)「佐藤慎吾君は中と小のうどんを2つ食ってます(笑)」
高田憲明(g)「でももしかしたら、中と小は微妙に大より多いのかも」
堀川「そんな優しい解釈は要らない。要は大(3玉 )にすれば480円で済むところを中(2玉)380円と小(1玉)280円で660円払ってるってこと。どうせなら、小3杯食ってほしいけど…」
川口「大、食えばいいじゃん!(笑)」
──それでは、バンド名の意味から教えて下さい。
堀川「めんどくせェ。秘密ですよ」
川口「ん…言いたくな〜い!」
──今回発売になったCDの盤面にハートマークだけが付いてますが、誰のアイデアですか?
川口「載ってたんですよ! プレス屋から戻ってきたら!」
──プレス屋のセンスですか?
川口「そうそう。何も載せないでくれって言ってたんだけど、ハートマークが載って戻ってきたんですよ。メンバーもビックリしました」
高田「プレス屋のおやじが“お前らにはガッツがあるぜ!”って。心暖まるよね。嬉しいハプニング!」
──今回の再録アルバムはCDケースにメンバー自ら折ったジャケットを手作業で梱包していると聞いたのですが、これは廃盤になるまで折り続けるのですか?
高田「そう! 折り続けなければならない! まぁ、何処で手に入れたにせよ確実に俺達が折ったやつです!」
──今回、some of usの協力で自主制作で出したわけですが、次回も同じ形でリリースするんですか?
川口「どうなんですか? 小林さん」
小林英樹(some of us代表)「わかんないよ! ウチは何でもやるけど、他にもっと良い話があるかもしれないし」
川口「そんなのは要りません! 折りたいんですよ、ジャケットを」
小林「俺はもう折りたくないよ!(笑)」
川口「全然折ってないじゃな〜い(怒)」
──じゃあ、今後も自主で出してジャケットを折り続けるんですね。
堀川「可能な枚数までね。折り続けますよ! …でも、人気が出ちゃったら困るけどね」
川口「最近、嫌がらせで買っていく人がいるんですよ。奴ら折るの大変らしいぜ、って」
──このCDは何処で手に入るんですか?
堀川「もともと、海外用に折り始めたんですけど、せっかく作ったんで日本でもライヴ会場とsome of usの店頭でのみ販売してます」
──一般のレコード店などには流通しないんですか?
川口「評判が良いんで、6月か8月にやると思います。あ、でも折れないからそんなには…」
堀川「バイト雇わなきゃ…なので、今のところレア・アイテムってとこですね」
──今回の作品の出来は如何ですか?
川口「まだまだですね」
堀川「まぁまぁ」
──現在マネージメント会社も離れてバンドだけで活動してますが、以前と環境は変わりましたか?
高田「まぁ、やることっていっても地方行く時にホテル予約したりするだけだから、そんなに変わらないな。今、堀が全部やってる」
堀川「そういう段取り好きだし。1円でも安く、1ドルでも安く、別 に金があるとかないとかじゃなくて、1ドルでも安いところ見つけた時は嬉しい! そういうこと」

人の思い入れのある曲をむやみにカヴァーすんな!
──話変えますけど、皆さんが最初に聴き始めた音楽って何ですか?
川口「僕、Fayrayしか聴いてないですよ。Fayrayで始まりFayrayで終わる」
──(無視して)高田さんの聴いていた音楽は何ですか?
高田「マイケル・ジャクソンとかだね。一番最初に聴いたのは『BAD』かな。凄いビデオがあってね…」
──昔、〈スリラー〉のプロモーション・ビデオのメイキング・シーンの特番とか、テレビでやってましたよね。
高田「あの狼男のやつ。あれ、こいつ(堀川)踊れるよ。マイケル・ジャクソンの振り付けで」
堀川「マイケルの特番ってあれ? 『マイケル・ジャクソンの真実』? 幼児虐待とかの…」
──それ最近じゃないですか。〈スリラー〉の時ですよ。
高田「バブルスだ! そうだ、バブルスってどっかにいるんだよね、バブルスって何? サル?」
堀川「チンパンジーだよ」
──マイケル以外では?
高田「ジョージ・マイケルとか、特にそればっかり聴いてたとかはあんまりないけど、ラジオで結構いろいろ聴いてた」
──高1までアメリカに住んでたんですよね。
高田「『BAD』はカセット・テープで持ってて、ちょうどCDが出た頃で、CDに買い換えるのがめんどくさいっていう時代でした」
──佐藤さんの聴いていた音楽は?
佐藤慎吾(vo)「プログレ、プログレっす」
──最初は違いますよね? じゃあ最初に買ったレコードは?
佐藤「エアロスミスかな」
川口「エアロの後は? 昔、カバンにホワイトスネイクのステッカー貼ってたでしょ?」
佐藤「あ〜、カバンに貼ってました。カバンをペタンコに潰してホワイトスネイクのステッカー貼ってました」
堀川「カバン潰してたの?」
佐藤「潰してたよ。ボンタンもはいてたもん」
高田「不良じゃないですか!」
堀川「ツッパリハイスクールR&Rじゃないですか!」
佐藤「学ランも着てたから。あと友達がハロウィンのライヴ観に行って、カボチャの可愛い缶 バッチをくれて。それを潰してカバンに無理矢理つけてました。ハードロック好きっていうか…まぁでも、『BURRN!』(世界一の発行部数を誇る日本のヘヴィメタル&ハードロック専門誌)に載ってるのは聴いてたかな」
堀川「BURRN!キッズっすよ」
佐藤「高校で洋楽好きな人はみんな好きでしたよ。あと、メタリカとか。その後は大学に入って、ここにいるリーダー(川口)に出会っていろいろ教えてもらったんですよ」
──何を教えたんですか?
川口「Fayray」 佐藤「そんな感じですね」
──堀川さんのルーツは?
堀川「中森明菜っすよ。リアルタイムは〈禁句〉。戻りたい♪ 戻れない♪ 気持ち裏腹♪ 戸惑いはもう愛ね、そろそろ禁句♪」
川口「それ知ってる。俺は〈北ウイング〉だ」
堀川「俺ね、〈北ウイング〉とか〈サザン・ウインド〉は後追いなんですよ。〈スローモーション〉とか。凄い聴いてたのは〈禁句〉〈十戒 (1984) 〉〈飾りじゃないのよ涙は〉、そして〈ミ・アモーレ〉。最近、何か知らないけど、昨今のカヴァー・ブームでみんなやたらとカヴァーするじゃないですか。何だそれって思いますよね!」
川口「怒ってるよ(笑)」
──ボボ、最近のカヴァー・ブームに物申す!(笑)
堀川「あのね、クオリティとかね、どうでもいいんですよ、そんなこと。その曲が良いからカヴァーしましたとかね、そんなのカラオケ行ってろって感じ!」
川口「あ、そう! これ絶対書いてほしいんだけど、『ホテルビーナス』って映画あるじゃないですか? あれで〈デスペラード〉カヴァーしているバカ女がいるのね、凄い頭に来るよ! それ、俺が一番好きな曲なんだよ!」
堀川「リーダーには悪いんだけど、〈デスぺラード〉は名曲中の名曲ですよ」
川口「だから、人の思い入れのある曲をむやみにカヴァーしないでほしい!」
堀川「よりパーソナルな話をすると、『愛・旅立ち』っていう明菜とマッチと出た映画があってね、その中でのキスシーン……。ショックでしたね。映画は観てないですけど。『フライデー』で観た」
佐藤「観てないの!(笑) 観てんのかと思った」
堀川「ちなみに初めて買ったレコードはキッスですよ! 82年のやつ。でもちゃんと聴いたの10年後ぐらい、お化粧とか見た目で買った」
──僕が初めて買ったキッスは、スフィンクスがグラサンかけてるやつ(『HOT IN THE SHADE』)です。
川口「それ凄い新しいじゃん。化粧とってからでしょう?」
──キッスは興味あったんですけど、先に新しいバンドのCDばっかり聴いてて、ウォレントとか買ってたんですよね。
高田「〈いけないチェリーパイ〉!(笑)」
──…何か案の定、話がメチャクチャになりましたね。
川口「新しい音源出しても、これからはこのRooftopしか取材出ないですよ。次は別 冊作って下さい、今みたいな与太話ばっかの…」
高田「6万字インタヴュー!」
堀川「もうねェ、イキますよ!」
──今月の20日には新宿ロフト5周年公演のファイナルを飾る、THA BLUE HERBとの共演が控えてますね。意気込みをどうぞ!
全員「頑張ります! 楽しみにしてます!」
川口「実はその日、俺達の前にスゲェ〜ゲストが出ますよ!」
──そうなんですか?
高田「俺達の仲間で、今、渦中の裁判の中を押してまで来日してくれます。フロム“ネバーランド”!」
川口(無視して)
「ZAZEN BOYSって客入るの?」
──入りますよ!
川口&堀川(声を揃えて)「何で? 入るのッ!?」
──ライヴも恰好いいですよ。
川口「いやー見習いたい!」
──アルバムも素晴らしかったですしね。
高田「何か変な裏声の歌とか入ってたよね。いいカンジで気色悪いやつ」
──僕は好きです。
川口「みんないいバンドだよ、ウチらよりずっと」


★Release

ALL SONGS COMPOSED & PERFORMED BY 54-71 recorded in February 2004

some of us/54-71 sou54-71-003CD
2,100yen (tax in)

*ライヴ会場&some of usにて発売中!
【some of us:03-3496-1070】

★Live info.
問答無用!! THA BLUE HERBと54-71が新宿LOFTにて激突!! 空間を切り裂く鋭利な音と言葉が聴く者の心と体に突き刺さる! 震えて待て!
<SHINJUKU LOFT 5TH ANNIVERSARY〜RHYTHM OF FEAR>
2004年5月20日(木)新宿LOFT
54-71 / THA BLUE HERB
OPEN 18:00 / START 19:00
PRICE: advance-3,000yen / door-3,500yen(共にDRIN代別)
【info.】shinjuku LOFT 03-5272-0382 54-71

OFFICIAL WEB SITE http://www.54-71.com/