W RELEASE SPECIAL TALK SESSION!!!!!!

 テイチク時代のアルバム全11枚が復刻されることになったSION、そしてNEW ALBUMを5/26にTV-FREAKからリリースすることが決定したG.D. FLICKERS。Vo. JOEさんとSIONさんは古くからの知り合いであり、最近はよく酒を酌み交わす仲との話を聞き付け、大先輩お2人に対談形式でインタビューを敢行! 鉄の40代、KEEP ON ROCKIN' の真髄に今迫る!(interview:梶川功一)


新宿の片隅から…
──まずお2人の出会いは…。
JOE「一番最初は新宿ですよね。18、19年前? SIONにいさんが西新宿にあったアクセサリーSHOPで働いてて。あそこはもうなくなっちゃいましたよね?」
SION「とっくにない。最初はそこ、アクセサリー屋だったんだけど潰れて、その後ちょっと…いや、かなりとんだおじさんとパンクSHOPやってた(笑)」
JOE「そこを前のLOFT(西新宿LOFT)に行く時よく通 ってて、当時パンク小僧だったので、そこに万引きしたいものが一杯あったんですよ(笑)。それでちょくちょく顔を出したりして…」
SION「で、万引きしていたと(笑)。まぁその当時は別 に飲みに行くような仲でもなく、顔を合わせれば『よう!』っていうぐらいで」
JOE「それでSIONにいさんがインディーズで出して、ラジオとかから凄い流れててもう凄い話題になっていて、LOFTのライヴを観に行って、『あそこの兄ちゃんがえらいことになっとる』って。今度再発された1st(『SION』)にルースターズの人とか、藤沼伸一先輩がちょっとかんでたりしたんで、俺は何と言ってもアナーキーの付き人でしたから、ある意味(笑)。それでよく連れられて(SIONさんの)打ち上げとかに混じってた」
SION「でもこうやって何やかんや話すようになったんは最近やもんね。俺がここ(JOEがやってる店)に来るようになってからかな」

SIONオリジナル・アルバム全11枚復刻!!
──今回、SIONさんの旧譜が全11枚復刻されましたね。
JOE「俺、昔のはレコードで持ってた。最初のメジャーの1stとかインパクトが凄いあって、当時ミュージシャンの人はみんないいって言ってたよ。ハードコアやっている連中、ハードロックやっている連中、ロックンロールやってる連中もみんな影響されてたかな。最初の4、5枚は持ってたんですが、その後自分も唄うようになって、聴いちゃうと真似してしまいそうで、歌詞とかパクってしまいそうで(笑)。だから買わないようにしてて…でも3年くらい前にSIONにいさんに『何でお前は俺の新しいの聴かんのや。買え!』って言われて(笑)」
SION「俺はひとのは聴いてないくせに(笑)」
JOE「それで最近新しいのを買い集め、聴いています」
──新しいSIONさんのアルバムと昔のアルバム、聴き比べてみてどうですか?
JOE「いろんなスタイルでやっているけど、基本的には奥のところは変わらないな、と」
──SIONさん自身は旧譜が復刻されることについてどうお思いですか?
SION「やっぱり、嬉しいよ。買いたくても売ってなくて買えなかった人もいたみたいだし。俺、自分でも買ったしね。頼んで買ってきてもらったんだけど(笑)。サンプルもらったけど、何か嬉しいし買いたいじゃない(笑)」
JOE「あの1stのジャケで着ているジョンソンズの肩のあたりが白くなっているやつ。あれがかっこよくてねー。当時めちゃくちゃ高くて、しかも日本ではほとんど売ってなくて。羨ましかった。あのジャケもそうだけど、とにかくSIONにいさんはスタイルが飛び抜けていた。髪の毛とか着ている服とか凄いかっこよかった。さすが、あのアクセサリー屋のおにいちゃんだって(笑)」 SION「20年も経つとだいぶ変わるもんやね(笑)」

とにかくSIONさんはぶっとんでいた
JOE「昔、SIONにいさんがLOFTでライヴを始めたころ、打ち上げに混じってて、『俺は先にメジャーに行くから。俺は好きな時にジャンプするし、好きな時に叫ぶから。きっとお前もそういう風にやるんやろ』って俺がどういう音楽やってるとか、どういうBANDやってるかなんてもちろん知らないんだけど、『お前はいずれ来る奴だから』って昔のLOFTのカウンターで言われて。それで、嬉しくて頑張ろう! ってなりました」
SION「嘘つけ! そんなこと言うとらん。言う訳ない。俺そのころちゃんと日本語喋れとらんもん(笑)。『コンニチハ、ハジメマシテ』って(笑)」
JOE「(笑)何でフィリピン訛りなんですか。SIONにいさんとの想い出といえば、当時ストールみたいな布をSIONにいさんも俺も巻いてて、SIONにいさんのを『これいいね!』って言ったら『やるよ! でもこれ大事なやつだからこれで半分ずつな』って半分に裂いてくれたんですよ。でもその時俺もまだつっぱっていたから『じゃあ、俺のもあげる』って別 にいらんのやろうけどあげた(笑)」
SION「あっ、何となくそれ覚えてるなぁ」
JOE「それから当時ピアスなんて開けている人があんまりいない時代にSIONにいさんは一杯してて、16個ぐらい。もう凄い耳なの。一杯いろいろ下がっていて。それで、ドクロのピアスを『これ、かっこいいね』って言ったらまた『やるよ!』って、でも当時俺の耳は片方ひとつずつしかピアス付けてなくて、『やってもいいけど、お前入れる穴がないやん』って言われて。その瞬間、藤沼伸一先輩に押さえつけられた(笑)」
SION「(笑)」
──嫌な予感がしますね(笑)。
JOE「それで、ウォッカか何かをビシュッて耳にかけられて、そのままSIONにいさんの服に差してあった安全ピンでブチッと2個めの穴を開けられて…『これで入れられるやろ?』ってもの凄く痛かったんやけど(笑)」
SION「ひどいなぁ、伸一は(笑)」
JOE「…とにかくSIONにいさんはぶっとんでたね。何するんやこの人! っていう」

G.D. FLICKERS NEW ALBUM!
──ところでJOEさんは今回のアルバムでSIONさんの曲をカヴァーしてるんですよね。
JOE「そうなんです」
SION「あれね、俺がやれよ!って。それで一杯売って印税くれ!って(笑)」
JOE「(笑)いや、もともとずっとシンガーとして大好きだったんで、よく聴いてて。是非やりたいと」
──カヴァーするにあたり、苦労した点はありましたか?
JOE「SIONという歌手は日本で一人でいいと思うので、真似してもしょうがないなというのがあったから。真似したくても出来ないですけど。まぁ素直にカヴァーしようかなと」
SION「面白いのが、いつも俺、レコーディングでは歌録り大抵1回なんやけど、それを聞いてJOEが何か意地になって『これ1回でやったから!』って(笑)」
JOE「他の曲は3回か4回歌っているんだけど、SIONにいさんはレコーディングで唄入れ1回で、森 進一ばりに終わらせるっていう話をよく聞いてて(笑)。今回は〈午前3時の街角で〉をやっているんだけど、その曲だけは1から10まで直しなしで、俺にとっては生まれて初めてで。声ひっくり返ったままOKテイク(笑)」
──そのカヴァーの選曲はJOEさんが?
JOE「相談したんですよ。近所の飲み屋で」
SION「そろそろレコーディングするんで、『SIONさん1曲書いてよ!』って言われて、バカ、一杯曲あるんだからそれを唄ってくれ、俺は俺のことで精一杯だ! って(笑)」 JOE「書くのが面倒くさかったんじゃないですか(笑)。そう、最初は曲書いてって頼んだんだけど、『選べ!』って言われて」
──SIONさんはそのカヴァー曲はもう聴かれました?
SION「聴いた、聴いた。かっこいいよ。あとは売れるのを待つだけだ(笑)」
JOE「うん、俺も待ってる(笑)」
──今回TV-FREAKからリリースということですが。
JOE「そう、若者のレーベル(笑)」
──どういうきっかけなんですか?
SION「脅したんやろ?(笑)」 JOE「(笑)POT SHOTでベース弾いている市川が昔からの友達で、彼がRYOJIを繋いでくれて、それで出してくれるって話になって。ちなみに今度のアルバム・タイトルはRYOJIが付けてくれて、初めて人に付けてもらった」 SION「脅された?(笑)」
JOE「(笑)何か今回は若者の感覚でタイトルを付けてもらおうかなと(笑)」
──より多くの人に聴いてもらいたいですね。
JOE「うん。まぁ売れることも大事なんだけど、今回SIONにいさんのカヴァー曲も入っているし、それでちょっとでも全然俺達を知らなかった人に知ってもらえたら嬉しいかなと。若者から同年代の方まで幅広く。若者の中でもギャルにもっと知ってもらいたい(笑)」
SION「ギャル。…キャーキャー言われてーな(笑)」
JOE「俺も言われたいなー(笑)」

鉄の40代!!
JOE「よくね、2人で話すんですけど、まだ諦めた訳じゃないし、いろんな人が『もう1回きっとチャンスは来るよ』と言ってくれるんで、それを信じていきたいなと思います」
SION「続けていることが強いんだよ。俺らがこの歳になってまだ全然その辺の若者に負けんぐらいのパワーでやってることが、もうダメかなって思っている30過ぎた連中にも“まだいけるんじゃないか、あの人達もやってるしな”っていう」 JOE「40代が(笑)」
SION「これがほら、2人とも若い頃バカみたいにヒットして売れていたらまた別 だけどさ、幸か不幸か売れて生活が変わるようなことがないまま、それでもめげずにきてるから(笑)。やり続けてるから。いいんじゃないの? これってたぶん周りから見たら、“何だよ、ダラダラ好きなことやって…”って見られがちだけど、やってみるとなかなか…染みるよな、これ骨身に(笑)。なかなかタダじゃ来れんぞっていう」
JOE「負けてらんないっすね。ちょうどね、SIONにいさんの若かりし頃のアルバムが再発されて、今のアルバムと聴き比べてみても全然パワーは変わっていないじゃないですか」
SION「22、23の頃に書いた曲を改めて聴いて、もしかしたらテクニック的には上になっているかもしれないけど、勢いとしては劣る部分があるかもしれないじゃん。でも俺は両方とも負けたくないんだよね。普通 に今やってても25、26の俺に負けてるとは思わないんだよ。あー、あの頃よかったなーって気持ちはさらさらないもん」
──JOEさんも同じですか?
JOE「そう、今話に出たのと同じ気持ち。今度のアルバムはデビュー・アルバムを創る気持ちで創ったし、20代、30代の頃の俺なんかには負けないという気持ちでやっているんで」
──SIONさんは6月に毎年恒例の野音がありますよね。
SION「何かねぇ。今回はこの復刻もあったし、全部復刻盤の曲でやりましょうよって鶴(SION マネージャー)が言うからさ(笑)。まだ何も考えてないけど、面白くなると思うよ」
──JOEさんはツアーがあるんですよね?
JOE「6月終わりからツアーはあるんですが…野音っていつでしたっけ?」
SION「6.26」
JOE「6.26! 6.26、大阪でライヴが…。6.24のバナナホール前乗りで行こうかな?(笑)」
──最後にファンの方へ一言ずつお願いします。
SION「わりかし面白いことをずーっとやってきているから聴いて欲しいのと、あとは次のライヴ…野音とか大阪、一生に一度あるかないかの復刻盤の唄だけ歌うかもしれないライヴを楽しみにしていてもらいたいのと、新しいアルバムが出たら聴いてもらいたい。はい、JOE」
JOE「このTV-FREAKのアルバムはデビュー・アルバムのような気持ちなので、今までウチのBANDを知らなかった人達にも聴いてもらいたいなと。決しておやじのROCKじゃないので」
──本日はお忙しいところありがとうございました。
SIONJOE「忙しくないんだよね〜(笑)」
JOE「じゃあ、うまくまとめてね」
SION「そう。キャーキャー言われるように(笑)」


◆RELEASE
SION テイチクBAIDIS時代のアルバム全11枚復刻!

【第1回/3月24日発売】『SION』『春夏秋冬』『SIREN』
【第2回/4月21日発売】『Strange But True』『夜しか泳げない』『かわいい女』
【第3回/5月26日発売】『螢』『I DON'T LIKE MYSELF』『10+1』
【第4回/6月23日発売】『抱きしめて』『フラフラフラ』

G.D. FLICKERS
『BLOOD & THUNDER』


TV-FREAK TV-086 2,100yen (tax in)
5.26 IN STORES

◆LIVE INFO.
SION & THE MOGAMI
『SION'S EARLY TIMES…〜SION復刻版発売記念LIVE with THE MOGAMI』決定!

6月24日(木)大阪バナナホール/6月26日(土)日比谷野外大音楽堂
SION OFFICIAL WEB SITE http://www.interq.or.jp/rock/sion/

G.D.FLICKERS
6月14日(月)高田馬場 AREA/6月26日(土)大阪・心斎橋ネストサルーン(ONE MAN)/6月28日(月)博多 DRUM-SUN/6月29日(火)長崎 Be-7/6月30日(水)熊本 Be-9/7月3日(土)兵庫・和田山 ハイゲイン/7月4日(日)奈良 NEVERLAND/7月5日(月)富山 CLUB MAIRO/7月14日(水)高崎 FLEEZ/7月23日(金)渋谷 LA-MAMA(ONE MAN)/8月7日(土)名古屋 QUATTRO/8月8日(日)大阪 BIG CAT/8月10日(火)徳島 JITTERBUG/8月11日(水)松山 SALON KITTY/8月13日(金)大分・日田 SCARFACE/8月18日(水)高円寺・沖縄居酒屋 抱瓶(ACOUSTIC ONE MAN)

G.D.FLICKERS OFFICIAL WEB SITE http://www.gdflickers.com/

SIONさんとJOEさんから素敵なプレゼントがあります!