ダビーでフリーキーな新世代ジャムバンド
─────金星より無事不時着。─────

「moss」というバンド名を初めて聞く方も多いかと思います。メンバーはギターでリーダーのダイハチを始め、笹原崇(Dr)、小高萌子(Key)、小林睦美(Bongo・Per&Didgeridoo)、Uelc.(Bass)の5人。「どんなバンド?」という直球をリーダーのダイハチ氏にぶつけてみたところ、返ってきた答えが“ダビーでフリーキーな新世代ジャムバンド”との事。分かるような、分かりにくいような・・・。その辺をもう少しダイハチ氏に聞いてみました。

「音響処理はダビーな感じが大きいですね。一発で録ってパラで抜き差しして、飛ばしものやらエコーなんかも凝ったりして面 白くしていったり。レゲエからの影響というよりはダブという手法からの影響が強く、その辺がダビーになっています。CDだとまとまった感じに聞こえなくもないですが、スタジオでは即興性が大きいという点ではジャムバンドっぽいかなと。」

今回の1stアルバムには、ゲストにDry & Heavyの井上青さん、DOUBLE FAMOUSEの坂口修一郎さん、metro999のKenji Kikuchiさんのお三方を迎えていますが。しかも初回限定特典として、Dry & Heavy/audio activeの七尾茂大さんのリミックスCD付きなんですよね。このつながりは?

「青と坂口とは学生時代からの良き友人です。kenji君とも昔からの仲良しで。今回僕らのファーストアルバム作るにあたって、最初にLIVE時のような緊張感と、ポップさというのをすごい求められてて。LIVE感は一発で録るような事で出せましたが、ポップさを出す事を考えた時に、LIVEでは僕らはインストバンドなのでこう歌が入ったりするとポップになるなと。人の声って暖かいなとか、そういうのもいろいろ考えて。あと演奏にしても、昔からのつながりでばっちし出来るっていう信頼が坂口ともKenji君ともあったので。七尾さんはよき先輩でいろいろ相談にものってもらってます。今回けっこう無理言ったところもあったので、皆さんにはとても感謝しています。」

ダイハチ氏個人的には、いろいろなアーティストとのレコーディングにてセッションしたり、ソロでの制作活動も行ったりしているようですが。現在は様々な機材も発達している中で、あえて行うバンド活動とは何なのでしょうか。

「普通バンドとかやろうと思うと、女の子にモテたいとか、ちょっとカッコつけたいとか、誰かに憧れてとか。でも自分は最初にそれがなくて。何か作り出すの好きだから、たぶんもしパンクとかが好きだったらパンクでもよかったんだろうなぁと思います。でも僕らはマニアックなんだけど踊るの好きだし、クラブミュージック大好きだし。フロア(お客さん)の高揚感と自分らの高揚感がマッチした時に、ゴーッてくる魔力みたいな感じがたまらないですね。セッションしながら日々反省したりだとか、メンバーがいるからこそ生まれる高揚感とかが楽しいからやっているんでしょうね。」

常にバントというカテゴライズを考え、LIVEならではの空気を大切にし、作品作りに対しての細やかなこだわりへの熱い思いが伝わるからこそダイハチという人間、mossというバンドに惹きつけられる人が後を絶たないのかなと思いました。初めての人もそうでない人も、mossを聴くためのキーワード!を見てmossのこのアルバムを聴く事を是非オススメします。

mossを聴くためのキーワード

【1】70年代エレクトリック・マイルス 〜(アンフェタミン)
・尋常ならぬテンションの持続
・リズムの面白さ
・一瞬にしてアッチの世界に飛ばしてくれる

1969年に発表された「ビッチェズ・ブリュー」っていうアルバムがあるんですよ。ジャズの歴史を変えたアルバムなんですが、それから始まって、最後に「アガルタ」「パンゲア」のライブレコーディングされたっていう日本公演のライブが1975年くらいかな。その間のマイルスっていうか、その時やっていたマイルスの音楽がスゴイ好きです。
※Miles Davis「Live-Evil」
【2】手法としてのDUB 〜(THC)
・抜き差しによる音楽の成り立ち
・空間の処理

mossの場合かなりDUBというものの手法を今回は取り入れましたね。イコライジングとか、リバーブ感とか。僕はLEE PERRYという人が大好きで、かなり影響されましたね。LEE PERRYは日本製の機材とかも多く所有していて、僕も同じような機材使ったりしています。シンガーでありプロデューサーでありミュージシャンであり、エンジニアでもあり理ミキサーでのありな、何でも屋さんなんですよ。またそこが凄くて。
※THE UPSETTERS with LEE PERRY & FRIENDS『BUILD THE ARK』
【3】ジャーマンロック 〜(LSD)
・大いなる、やりすぎ感
・実験的かつ妄想的。

70年代のドイツ(旧西ドイツ)ってすごい面白い国で、ある意味日本と似てるところがあるんですよ。僕もけっこうドイツと音楽気質が似てて、この頃(70年代はじめの頃)からちょうどエレクトリック・マイルスの頃ですよね、ヒッピー文化からの影響とか、ミニマリズムからの影響とか、シュトックハウゼンやなんかの現代音楽からの影響とか、それからドラッグカルチャーからジミヘンドリックスなんかのハードなロックの影響を受けて、それを勝手にドイツ人が解釈してやってた音楽があるんですけど、それからの影響を僕もすごい受けてますね。
※CAN『EGE BAMYASI』
【4】 その他
・ジョンコルトレーン 〜(内省的でメデテーショナルな爆発力)
ジョンコルトレーンの、1961年11月2日にビレッジバンガードっていうジャズクラブ(NY)でのライブがあって。ここで、まだエリックドルフィーって人が生きてた時頃のバンドのライブで。このジョンコルトレーンもCDも全部聴きました。実際コルトレーンのジャズを(自分も)やってた時があって。メディテーショナルな部分とか影響を受けたりして、コルトレーンの曲やってたりしてました。
※JOHN COLTRANE『VILLAGE VANGUARD 11-02-1961』
・ジミヘンドリックス 〜(違った生き物)
この間のライブ(オーバーダブ)では僕の中ではギターがかなりジミヘンだったんですよ。
※JIMI HENDRIX『BAND OF GYPSYS』

Release

'03.12.05 Release.
moss
Echo Waves
RTPC-003 / 2,300yen (tax out)

◆LIVE
bar the loft presents
OVER DUB 〜moss「Echo Waves」Release Party!〜

2004年1月27日(火)at 新宿LOFT
出演:moss/GOMA/他

bar the loft presents OVER DUB
2003年12月後半 at 新宿LOFT

LIVE INFORMATION:新宿LOFT tel:03-5272-0382
TOTAL INFORMATION:PLEASURE-CRUX tel:03-5287-3768