8月7日に行われる<フジファブリック セカンド・ミニ・アルバム『アラモード』発売記念ライヴ>のゲストに招いたメレンゲ、残像カフェよりヴォーカルを集めての対談が実現!!  以前より交流のある彼らの、成立しているのかしていないのか的な会話…不思議トークを御覧あれ! 注目されている彼らをどこよりも早く集めてみました!(text:hiroko higuchi*)

 「このイヴェントは僕らも主役のつもりでいいんだね」(クボ)
──それぞれのバンドの近況を教えて下さい。
クボ 最近、レコーディングをしました。
志村 今日(6月14日)、フジファブリックはセカンド・アルバムを先行発売させました。
大森 レコーディング終わりました。秋に発売します。宜しくお願いします。
──まず、この3バンドの馴れ初めから教えて下さい。
志村 まず、残像カフェの大森さんと先に知り合いました。
クボ でも、僕らの方がロフトでやっていた“midnightcharm”(新宿ロフトのバーホールにて、当時定期的に開催していたイヴェント)で先に対バンしたかもね。
大森 そうだ…。
志村 1回、深夜でやっていた“midnightcharm”の対バンで最初かなぁと思いきや、ロフトでやったくるりのライヴの日にロフトの事務所にいて会いました。
大森 スタッフの人にロフトの事務所に連れていかれて、そうしたら志村くんが座っていて…そこで紹介されて。あの時、実は酔っぱらっていて(笑)。
クボ 俺は、大森くんとは喋るまで時間かかったよ。他のバンドのライヴで会っても喋らなかったよね(笑)。
大森 お互い喋らなくって。
クボ ネットで繋がった感じだよね(笑)。
一同 (笑)
志村 メレンゲとウチらの出会いもそうですよね。初めウチらの掲示板に気持ち悪い書き込みがあって(笑)。
大森 残像の方にも“メレンゲ クボ”って書いてたね。
クボ ネットとかで、大森くんとかの書き込みを見て“あ〜いい人だな”って。
大森 だいたい3バンドで対バンを過去にやったことはないのかな?
志村 ないですね…。
クボ “誰か企画するかなぁ”と思っていたんですけど、誰もやらないですね。
大森 もうやったと思われているのかなぁ…。
──どちらかが一緒になっても、なかなか3バンドでやるという機会がなかったですよね。
大森 ザンゲ(メレンゲ クボ氏と残像カフェ 大森氏のユニット)で志村くんを誘ったのになぁ。
クボ まぁ、フジは大御所ですから…(笑)。
志村 何でですか(ツッコミ)。あの時は、ライヴやバイトに追われていまして……。
──志村さんに訊きたいのですが、レコ発でメレンゲと残像カフェを呼ぼうとした経緯を教えて下さい。
志村 実は、この3バンドでやる時はレコ発でやるんじゃなくって、自分らの企画でやりたかったんですよ。平等に3バンド、みたいな。
クボ それはあるよね。
志村 この3バンドがメインであって。レコ発とかではなくって。でも、色々と考えて。ロフトにプロジェクターもあるし、自分らがやりたいこともあったりして…。それをお願いするんだったら、仲が良い人ではないとなかなかお願いできないじゃないですか?(笑) で、こうなったと。
──この2バンドはやりたいことをするために呼ばれたということですか?(笑)
志村 いやぁ…打ち上げも楽しそうじゃないですか(笑)。やっぱ、気を使うじゃないですか? 普通 の飲み会みたいになればいいんですよ。挨拶とか嫌いですよ〜。でも、この3バンドで対バンするのは早いような気がして…。楽しみはとっておきたいじゃないですか(笑)。
──順番に企画やればいいじゃないですか?
クボ 今度はウチで。
──大森さんは、このレコ発に対して何か感じることはありませんか?
大森 …頑張らないとなぁ…。ライヴ自体は、楽しくやっていきたいですね。
クボ フジ企画でウチらの方がはしゃいじゃっていいの?
志村 はい。
クボ 自分らも主役のつもりでいいんだね。もう、「フジファブリックさん、CD発売記念おめでとうございます!」とか言わなくてもいい感じ? 志村 一切そんなこと、言わなくていいです。言いたくないなら、言わなくていいです(笑)。
一同 (笑)
志村 そして、緊張感もあるな…。
「フジファブリックには当たり前のキャッチーさだけじゃなくて変態っぽさもある(笑)」(大森)
──この3バンドが集ったので、それぞれの印象を語って欲しいな…。せっかくなので訊いてみたいです。
クボ まず、フジファブリックは…とにかく普通に好きです。歌詞とか見ていると共感できたり、できなかったり(笑)。残像カフェは、音源と違ってライヴではギターがメチャクチャかっこいい。
大森 フジファブリックは、キャッチーではあるんだけど、すごく当たり前のキャッチーさじゃなくって、変態っぽいというか…言葉とメロディがすごいハマっていて。その選び方とか“こ〜う持ってくるかぁ”ってスゴイなぁと思っていて。外に向かっていく力と中に向かっていく力がせめぎ合っているような感じがすごくかっこいい。メレンゲは、フジファブリックもそうなんですけど、声がすごくいいなぁと思って。すごく存在感のある声で。クボさんの曲は、表面 はポップなんだけどやっぱりひねくれていたりして、爽やかなところもあるんだけど、ポップ職人だなぁと思えて。で、音はすごく大きくていいなぁと。アレンジとかもすごくって。あとは、歌詞。歌詞はズルイね(笑)。歌詞と声がすごく合っている。
──志村さんから見た2人のバンドはどうですか?
志村 メレンゲは、曲を聴くとその曲であったり、現実であったりなかったりとその青年が浮かぶ。その雰囲気だったりとか…。残像カフェは、初めて対バンした時に大森さんには言ったんですけど、“残像カフェみたいなバンドをやりたかった”と。ギターロック・バンドを目指していたんですけど、ダメだと思って(笑)。大森さんのギターの弾き方とか思想だったり、メレンゲもそうなんですけど、主張したいことが浮かぶ。
クボ 残像カフェは、その人柄というか、思想が思い浮かぶね。そこはすごく強いよね。
志村 そうだね。
クボ だから、“大森くんはこう考えているんだなぁ”って判ることがある。
大森 僕から2人を見ると、“ちゃんと物語になっているからスゴイなぁ”って。僕は考えていたことを歌詞にしているだけだからね。
クボ よく「実話ですか?」って訊かれることはないの?
大森 あるね…。
クボ 実話じゃないけど、嘘じゃないみたいな。
大森 この前、フリーペーパーの取材の時に、いきなり「大森さんはヒドイですね」って言われたんですよ。「君の背中」という別 れの曲があるんですけど、相手は去っていくのだけど、それに対して手を振る曲で。それを勝手に振るという印象を受けたみたいで。そこで、「大森さんはヒドイですね」と。何で“大森さんは〜”なんだろうと(笑)。
クボ 歌詞を読んでいると、“大森さんはこんな人なんだろう”って思ってしまう時はあるだろうね。
大森 そうなんだぁ……。
クボ でも、会って喋って一致するというか…。
志村 説得力があるんですよ。
クボ 僕の場合は、逃げてしまうというか…遠い国の話みたいにしてしまうというか…。
志村 それは、一種の性格が出てしまうというか…(笑)。
クボ 志村くんは、また違うよね?
志村 ウチらは、物語みたいにしていくかな。最近、ドラマをよく見るんですけど、“脚本家の人はどういう気持ちで脚本を書くのかなぁ?”と思うことがあって。有名な脚本家がいて、色んな作品があるじゃないですか。でもその人の人生ではなくて、ちゃんと作品としても脚本家としても見れて…。僕、そういうのをやりたいんですよね。曲でも、自分たちのことじゃなくても“こうしてるだろう”とか。自分が主役じゃなくっても、主役だと思っているというか。主役のような気持ちになれる作品を書いていて。あの…“カッシーニ”ってどういう意味なんですか? 辞書、調べたんですけど載っていないんですよ。
クボ ホームページで調べてないでしょ? 大森くんは知っているよね?
大森 元々人の名前で、土星の輪の黒く見えるところの色の名前だったんですけど…。
クボ そこから名前を取った探査機の名前なんですけど、それを探しに行くというので向かっていて、まだ着いてないという。ちゃんと向かっているかどうか判らないけどね…。
大森 そのタイトルを聞いた時、“やられた〜”って思いましたよ。
クボ 最近ね、タイトルを考えるのが楽しいんだよね。色々悩むんだけどね。
大森 タイトル、難しいよね。
クボ 歌詞の中の一部にするべきか、まとめてしまうのか…。
大森 半年間、タイトルが付いていない曲があって。半年前からライヴでやっているんだけど、どうしてもタイトルが浮かばなくって。クボさんに考えてもらおうかなぁ?
クボ (笑)本当ですか? 今さら付けるのも恥ずかしいよね。
大森 志村くんは?
志村 タイトルは、そんな考えない(笑)。仮タイトルをそのまま使ってしまったりとか…(笑)。結局、歌詞をデフォルメしたものだもんね。仮タイトルのままにしているから、みんな決定したものだと思っている。決定だって言わないから。
クボ 一回仮題でやってしまうと、別のものに変えられないよね。
──では、最後にこのレコ発に向けてコメントをお願いします。
クボ 別にフジファブリックが主役じゃないもので、イヴェントがすごく楽しめるようなライヴにしたいです。
大森 残像も自分たちのライヴを頑張って、負けないようにそれぞれいいライヴをして、全体としてはすごく楽しめたらなぁと思います。楽しみにしています。
志村 フジファブリックは、頑張りたいと思います。よくある“頑張りたいと思います”ではなく、深く色々と頑張りたいと思います。それを汲み取って頂きたいと思います。



フジファブリック
アラモード
SONG-CRUX RTSC-005
1,800yen (tax out)
IN STORES NOW

Live Info
<フジファブリック セカンド・ミニ・アルバム『アラモード』発売記念ライヴ>
2003年8月7日(木)新宿ロフト
フジファブリック
GUEST:残像カフェ / メレンゲ
OPEN 18:00 / START 19:00
PRICE: advance-2,500yen (+DRINK) / door-未定
*入場者全員にプレゼント&お楽しみ企画あり?!
*チケットぴあ、ローソン、新宿ロフト、下北沢ハイラインレコーズにて絶賛発売中!!

INFORMATION: 新宿ロフト 03-5272-0382
OFFICIAL WEB SITE
【フジファブリック】http://sound.jp/fuji/
【メレンゲ】http://plaza21.mbn.or.jp/~merengue/
【残像カフェ】http://homepage3.nifty.com/zanzow-cafe/
【SONG-CRUX】http://www.loft-prj.co.jp/songcrux/