気張らずにやったからこそいいものができた
──今度の新作、ポップでストレートで歯切れの良い、いわゆる“ノットリ節”が復活した印象を受けたんですが、ご本人たちとしてはどんな具合ですか？
カタギリ　ブッた斬った感はありますね。
マツバラ　狙い通りと言えば狙い通り。そういうふうに聴いてほしくて作ったアルバムですから。
──RYDERSのトリビュート盤、マキシ・シングルの「ふられ気分でPUNK'n'ROLL」からさほど間を空けずのリリースだし、バンドが今かなりいい状態にあるんじゃないかと。
カタギリ　まぁ、アルバムとしては1年8ヵ月振りなんですけどね。でも「ふられ気分で〜」の曲は1曲も入ってないし、今度のアルバムを作り終えても曲のストックが残ったくらいなんで、まだまだいいペースで行けそうですね。
──頭から7曲目くらいまでは畳み掛けるように爽快なナンバーが続いて、最後のほうにリスナーへ問い掛けるようなヘヴィな内容の曲が並んでますよね。 マツバラ　問い掛けではありますよね、全体的なイメージが。 カタギリ　でも多分、こっちが問い掛けてみても答えにくい質問ではあるでしょうね。明確な答えは返ってこなさそうな。曲順は今回、ISHIKAWAさんが全部聴きながら決めていったんですよ。僕らは一杯一杯だったんで（笑）。並べてみたら凄い良かったんですけどね。ISHIKAWAさんは歌詞の内容を考えて、後半にああいう曲を持っていこうとしてくれたみたいで。最初からあんなヘヴィなテーマの曲だったら、ちょっと困っちゃうしね。
──一番最後の「正義のバクダン」なんて、曲名からしてタイムリーだし。
カタギリ　社会に対する憤りというよりは、“何でこんなになっちゃったんだろう？”っていう、自分でも疑問みたいなところが大きいんですよね。聴く人がどう捉えるかを考えずに作ったんで、その人の受け止め方次第なんですけど。ヘヴィと取るか、日常的な問題として受け止めてくれるのかは。
マツバラ　いろんな人がいますからねぇ。
カタギリ　アホか、と思う人もいるかもしれないしね（笑）。だから、別にどんな取られ方をしても構わない。
──今回はどうでしたか、ISHIKAWAプロデューサーの手腕は。
カタギリ　「もう終わろうよォ」ってやたら言っとったな（笑）。レコーディングは大体昼から始まって3時間でオシマイ。そっから夜の2時まで呑んだりとかして。呑み屋が開くまでスタジオで呑んで（笑）。
──それでよくこれだけいいアルバムに仕上がりましたね。
カタギリ　多分、そんだけ気を抜いてたからこそできたと思うんですよ。リズム録りの時、俺とドラムのクロちゃんだけすっごい焦って終わらせたんです。そしたら時間的な余裕がかなりできたんですよ。
マツバラ　スタジオも家から近かったし。ウンコしに帰れるくらいの距離（笑）。名古屋で録ったのは凄い久しぶりだったし、今までで一番気楽でしたね。
カタギリ　こいつ（マツバラ）なんか歌録りの前にギター録り終えて、会社の新年会に行きましたからね。「あと頼む！」なんて言って（笑）。
マツバラ　楽しかったっすね。前の時も楽しかったけど、「頑張ろうぜ！　よくやったぜ！」みたいな体育会系のノリだった。今回は「終わった、終わった！　呑み行こう！」っていう感じで。
──やっぱり、1曲1曲の抜けが格段にいいですよね。だから、今思うとこの間の「ふられ気分で〜」でのハッチャケっぷりが割とポイントだったのかな、と。
カタギリ　そうだと思いますよ。あれでいい意味で手の抜き方が判ったというか。抜いていいところと、ちゃんとやらなくちゃいけないところの区別 がやっとできたような気がする。だからこそ気楽にやれた。あそこで開き直りを覚えたから、重いテーマの曲も開き直ってしまえばやれちゃうし。
マツバラ　確かに今回は余りテンパった感じがなかったよね。俺がアルペジオに手こずったぐらいかな（笑）。
カタギリ　前は限界までやってましたからね。それこそ夜中の2時3時まで録りに使ったりして。でも、今考えたら効率が凄く悪いんですよね。かえって時間が掛かっていいものができない。今度のはサラッと録れたから、聴く時もサラッといけちゃう。
──しかも、呑みながらの録りだとリラックスしまくりでしょう？（笑）
カタギリ　普通、「明日は歌録りだから酒やめとけよ」とか言うのがプロデューサーでしょ？　「何だオマエら、もう帰るのかッ!?　俺を置いて帰る気かッ!?」くらいの勢いでしたもん（笑）。

ワンマンがソールドアウトしたら土俵入りを公約！
──これだけ粒の揃ったアルバムが完成すると、非常にライヴが楽しみですね。
カタギリ　ロフトのほうは対バンがあるのでそんなに曲数はやらないんですけど、対バン付きだからこその選曲になると思うんで、それを楽しみにしてほしいです。シェルターは完全にワンマンだから、20曲くらいは考えてやりたいなぁと。 マツバラ　みんなを失禁させるくらいの濃厚なやつを。 カタギリ　最後にはアンコール掛かってないのに出てきちゃうくらいの（笑）。昔、20000Vでそれホントにやったことあるんですよ。普通 にPAの人が出てきて「切っちゃったんですけど」って言われて、「いいです、適当に出しといて下さい」って。客も半分くらい帰っちゃって、「ちょっと、用意したからやらせてよ！」なんて言って。ジャイアンのリサイタルじゃないんだから（笑）。
マツバラ　とにかく自分たちが無我夢中になるくらいにやりたいですね。気づいたらウンコしちゃってるかもしれない。
カタギリ　…オマエならやりかねない。
──失禁に続いて脱糞ですか。
マツバラ　そう、シェルターは脱糞ナイト！
カタギリ　最初から「漏らしてやるぞ！」くらいの勢いで行くんでしょ？
マツバラ　いや、お客さんもだよ。「着替えを用意して来て下さい」って。
──じゃあ、お客さんはパンツじゃなくてパンパース着用。
カタギリ　ちゃんと専用ゴミ袋とか持ってきたりして。でもパンパースはウンコまで吸収しないっすからね。
マツバラ　吸収してもびっくりしちゃうけどね。「どこまで安心なの!?」って（笑）。
カタギリ　まぁホント、パンチのあることをやりたいですね。それこそトラウマじゃないけど、一生忘れられないくらいのことを。この人（マツバラ）ね、昔、新潟のライヴで曲紹介のように「次は“土俵入り”！」とか言って塩を撒いて雲竜型で締めたことがあって（笑）。
マツバラ　その日演奏したどの曲よりも盛り上がったよね。
カタギリ　大阪の時もやってなかった？　「このメスブタがッ！」って。
マツバラ　やったねぇ。ライヴ前に観たポルノ映画に触発されて、凄いテンション高かったもん。一発目から「行くぞ、このメスブタどもッ！」とか言っちゃってましたもんね。会場にはオスしかいないのに（笑）。
──それ、お客さんにとって初ライヴだったら相当なトラウマになりますね。
マツバラ　最近はもう言われなくなりましたけど、昔はツアーへ行くと「あ、脱ぐ方ですよね？」って、そういう覚えられ方をしてましたからね。
カタギリ　ライヴでは脱がなくなったね、さすがに。打ち上げでは今も相変わらずだけど。
マツバラ　まぁ、チンコで笑いを取るのは安易ですもんね。
カタギリ　さんざんやってきた奴に言われたくねぇよ（笑）。
──せっかくのレコ発なんだから、また是非客席に塩を撒いてほしいですけどね。
カタギリ　エッ、土俵入りですか？（笑）
マツバラ　じゃあ、シェルターのワンマンがソールドアウトしたら土俵入りしましょうか。
カタギリ　でもオマエ、ソールドアウトしなくてもやりそうだな。「インタビューで約束しちゃったからな」とか理由を付けて。
マツバラ　必ず実行しますから！　俺はいいけどね。アンコール前にやってもいいしね。食後のデザートみたいな感じでね。
──全然口直しになりませんよ。
マツバラ　「存分に召し上がれ！」って。
カタギリ　それで二度とライヴへ来なくなる人が出ないのを祈るよ。
──まぁ、万が一ライヴに失望した方はこの素晴らしいアルバムを聴いて信用回復、と。
カタギリ　レコ発まではまだ時間もあるし、何回も聴いてほしいですね。今回のアルバムはこれでもか！ ってくらいエキスが注入されてますからね。別のインタビューの時は“男クサイ”って言われたけど、決してイカ臭くはありません（笑）。
マツバラ　狙ってないですからね、全然。自然に出ちゃった感じですから。寸止め失敗、中出し…みたいな。
──結局そんな下ネタでオチですか。■■

リリース

Happy? LOFT RECORDS/TIGER HOLE CHOICE THCA-021 1,800yen (tax out) 2003.4.16 IN STORES

ライブ
4月4日（金）今池ハックフィン／4月5日（土）伊勢クエスチョン／4月12日（土）伊勢桜まつり／4月26日（土）静岡サナッシュ／4月27日（日）豊橋ラハイナ／5月2日（金）岐阜BRAVO／5月17日（土）仙台ジャンクボックス／5月18日（日）宇都宮ケント／5月25日（日）名古屋クラブクアトロ／5月31日（土）新宿ロフト
＊5月17日〜5月31日はLINKのレコ発ツアーにゲスト出演します

◆NOT REBOUND OFFICIAL WEB SITE http://www2.odn.ne.jp/~aat64030/