全身から迸る熱いメッセージで、若者達の絶大な支持を受け現在躍進中の新鋭バンドthe youth。彼らの衝撃のデビュー作「青春時代」に続く2nd maxi.「言葉にできない」がリリースされる、これまた熱い熱い逸品だ! そのままズバリのバンド名the youthに聞く、青春って一体何だ!?
(interview : 北村ヂン)

──皆さん仙台在住ということですけど、結成からの流れを軽く教えてください。
中村 えっと、結成したのは1999年ですね。
相澤 世紀末!
中村 世紀末のまっただ中に、ドラムの相澤と僕が偶然にも同じクラスになりまして。それが高校二年生の春です。それでドラムをやってる事を知り、俺は歌うのが大好きだったんで「とりあえず一回やろうよ」っていう事になって、さらに同じクラスの友達の友達がベースの守谷悟だったんですよ。
守谷 遠い縁で繋がったみたいな。
中村 まあ、それから2000年になりまして、21世紀に……。
──いやいや、まだ21世紀じゃないですよ。
中村 ああ、ミレニアムですね……。ミレニアムにミレニアムなギター(三井)が入ったんですよ。
──それはどこで出会ったんですか。
中村 とある音楽大会がありまして、その時は別々のバンドだったんですけど、お互い東北地区代表みたいな感じになったんで。 三井 そこで仲良くなって、春に入りました。
──その前の段階で「the youth」っていうバンドだったんですか。
相澤 そうですね。
──「the youth」っていう名前は誰が付けたんですか。
中村 前のギターとみんなで考えてって感じですね。
──「the youth」って、メッチャクチャ直球な名前だな〜と思ったんですけど。
中村 直球っていう言葉は大好きですから! そういう意味でも「the youth」って名前はいいと思うし、年取ってからも「the youth」って言えたら格好いいじゃないですか。だからいいじゃんっていう感じでその名前を付けたんですよ。
三井 でも今つけたらわかんねぇよな。
中村 今は逆にっていう部分があるんでね……。
──99年くらいってまだ英詩でやってるバンドが多かった時期ですよね。
中村 そうですね。まあ日本語でやってる理由には色んな有名な話があるんですけど……(笑)。一説には作詞作曲してる中村維俊くんが英語が苦手だっていうのがあるらしいんですが。だから別 に使いたくなくて使ってないわけじゃないんですよね。
──まあでも、周りが英詩ばっかだった時期から日本語でやってるっていうのと、今から日本語でやろうっていうのだと全然意味合いが違うじゃないですか。あの頃ってギリギリまだ日本語でやるのは恥ずかしい、みたいな時期だったし。
中村 俺らが日本語でやることによって、俺らから始まればいいじゃないかって思ってましたからね。でもウチらより先に日本語ブームが来ちゃったんですけど(笑)そこは予定外でしたね。
──自分らが先陣切る予定だったのに(笑)。でもやっぱり、そのブームに乗って日本語でやり始めたっていうバンドとは全く意識は違うと思いますけどね。the youthっていわゆる「日本語青春パンク」みたいなくくりとは違う所にいるでしょ。
中村 それを一番伝えたい! それがわかってもらえれば嬉しいですね。別 にそういうのを目指した訳じゃないし、そういうのを聴いてきた訳でもないし。
──バンド名からして「青春」だし、デビュー曲が「青春時代」だったりして、勘違いされやすい所にはいると思いますけどね。
中村 そこなんですよ、違いますよっていう!
三井 でもthe youthとしてはそういう聴かれ方もアリで、そこからどう認識を変えていくかっていうのもあるんじゃないですかね。
──まあ今は良くも悪くも沢山の人に聴いてもらえる環境にはありますからね。元々みんなが聴いていた音楽ってどの辺なんですか。
中村 割とみんなバラバラなんで、それが混ざって面白いようになってると思うんですけど。俺なんかはフォークみたいな一人でやってるアーティストが好きで、拓郎だったりSIONだったり、長渕剛だったりっていうのが大好きな少年だったんですよ。 相澤 俺とかはわりとジャンル問わずに聴く方なんで、フォークっぽいものも聴いてたこともあるし、洋楽の激しいのも聴いたりしてましたし。
──日本のインディーズとかは聴いてなかったんですか。
相澤 そういうのは全然聴いてなかったですね。
中村 インディーズを知ったのは遅いよ、俺。
守谷 俺も遅い。
三井 インディーズっていう言葉すら知らなかったから。
中村 スゴイ失礼なんですけど、ずっとハイスタのことを洋楽バンドだと思ってたんですよ。
メンバー 爆笑
中村 なんかのフェスの映像を観て初めて日本人だって気づいたんですよ。
守谷 AIR JAMを観て。
三井 AIR JAMまで気づいてないって言うのは遅すぎでしょう!
中村 周りがハイスタとかいっぱい聴いてたんですけど、俺はGREEN DAYみたいにアメリカのバンドだと思ってたんですよ。でもどうやらそうじゃないらしくって……。だから、全然そういうものに影響は受けてないですね。フォーク聴いてるヤツもいれば、洋楽聴いてるヤツもいてっていうのがうまい具合に合わさってこういう形になってるんだと思います。
──バンドを始める段階でこういう音楽をやろう、みたいなのはあったんですか。
中村 そういうのも全然なくって、ただ俺が作詞作曲を個人的にしてたんで、それをやろうぜっていうので今まで来てるんですよ。だからこういうのをやろうぜっていうのはなかったですね。
──ああ、確かにフォークの臭いはありますね。スタイル的にはパンクっぽいのかなとは思うんですけど、もうちょっと日本の泥臭さみたいなのが出てる感じがしますね。
中村 泥臭いとは思いますよ、自分でも。
守谷 うん、パンクではないよね。
──タテノリの曲っていうよりは、もっと唄を聴かせるっていう感じですよね。
中村 そうですね。別にダイブを求めてる訳でもないし、唄をちゃんと聴いて貰えればウチらも嬉しいんですけどね。
──じっくり唄を聴いてもらいたいと。歌詞にはこだわりってあるんですか。
中村 イヤー、全然ないんですけどね。そんなに意識しないで書きたいことを書いてるんで。その中でこういうことが言いてぇなっていうのがあったとしても、それ意識的にこうしてとかいうのはあまり考えないんで。だから時々日本語間違ってたりとかもするんですけど。
──とりあえず言葉だったりが洗練されてなくても、言いたいことを言うっていう感じですかね。
中村 とりあえずは自由にやっていきたいっていう感じですかね。

──the youthの歌詞にも「青春」っていう言葉がよく出てきますけど。世間一般 的にも「青春」っていうのがやたら使われてる感じがするんですよ。
中村 そうですよね。やたらと青春って使われてますね。みんなはどう思って書いてるのかなとは思いますけど、俺はあんまりキレイ事にはしたくないなとは思いますね。
──最近は本当に美化された青春って言うのがお安く使われてますからね。
中村 まあ、言葉で言うのは簡単ですけどね。
──the youthにとって青春って何なんだ!? って聞かれたらどう答えますか。
中村 青春ってまあ取り方は人それぞれなんだろうなとは思いますけど。俺はニュアンスだと思ってるんですよ。だから青春って何だって聴かれたら「わかんない」って答えてますね。
相澤 過ぎてみないとわかんないんだろうね。
中村 それもあるし、青春っていう言葉の中に直球さであったり、とりあえずやってみるっていう精神みたいなものが入ってると思うんで、そういう事を「青春」って言い換えたらみんなわかりやすいんじゃないかなとは思いますけどね。結局、青春って何なんだろうっていうのは、まだ考え中ですね。
──よくわからないモヤモヤ〜っとした感じも、青春の中にある感じしますしね。
中村 よくわかんないけど、俺の中では「止まらず走り続けてる」とか「直球」とか、そういう精神みたいなものをひっくるめて青春っていう言葉にまとめてると思うんですよ。だから具体的にそれはなんなのかって言われるとよくわかんないんですけど、その中にはちゃんと意味は込められてると思いますね。 ──歌詞の字面的に出ているものだけが意味じゃないと。
中村 少なくともthe youthの唄はそうじゃないですね。字面だけじゃなくてその中にあるものを感じて欲しいですね。「青春時代」っていう曲がファーストシングルになったのにはそういう意味もあるんですよ。
──やっぱりそこがテーマなんですかね。
中村 青春がテーマっていうか、「止まらないぞ」っていうのがテーマですね。それがファーストっていうスタートにふさわしいと思ったんで。
──そういう意味では今回のセカンドで、もうちょっと青春の鬱屈とした部分が出てきたかなという感じがしますが。
中村 ファーストで100m疾走したとしたら、次の100mはハードルつきみたいな。よりよくウチらの動きがわかるんじゃないかな。ファーストでは走ってる姿だけだったのが、今度は飛んでる姿がわかるじゃないですか。そうやって段々見せていけばいいかな。
相澤 じゃあ、次は棒高跳びかな!
中村 とりあえず止まらないっていうことだけは伝えたいですね。そういう熱いものって自分たちが終わりだって思わない限り終わらないはずだから。
──それこそ青春にしても、何歳から何歳までが青春って決まってるわけじゃなくて、自分たちが終わりだって思わなければず〜〜っと青春なんでしょうからね。
中村 諦めない限り絶対終わらないはずですよ。
──決して「昔を懐かしんでの青春」じゃない
中村 懐かしまないですね。今がそうですから。

──今回のシングルにはCD-EXTRAでライブ映像も入ってるんですよね。
中村 そうですね、ライブ音源も入ってますし。とりあえずシングルにはライブ音源は絶対入れようって決めてたんですよ。だからファーストにもセカンドにも入れてるし。初めて聴いてくれた人にもライブの感じをわかってもらえれば嬉しいんで。あとは自分たちのライブに対する気持ちとかも含めて入れています。
──もちろんスタジオで録ったヤツにもライブ感っていうものは入ってるんでしょうけど。
中村 ええ、バリバリ入ってますね。でもやっぱりそこで出してる空気感はライブとスタジオでは違いますからね。
──どっちがいいというわけではなく。
中村 そうですね。でも基本的にはライブこそがメインですからね。ライブやってそのイキオイのまま音源録ろうみたいな、そしてまたライブやってって。止まらない。
──最後に一言お願いします。
中村 とにかくライブを観て欲しいですね、やっぱり。観ればthe youthっていうバンドのもっと深い部分がわかると思うんで。それでみんなが喜んでくれれば嬉しいかな。
相澤 ツアーのファイナルが新宿ロフトなんですけど、ファイナルだからどうのこうのっていうことはないですけど、東京でワンマンをやるのは二回目なんで、気合いをバリバリにして行くんで、気合い入れて見に来て下さい。
三井 とりあえずCDで感じるイメージもあるしそれじゃないイメージもあるんで、ライブでthe youthの深さっていうのを見せたいなと思います。
守谷 とりあえず精一杯お客様の胸に届くような曲をやってる自信はあるんでよろしくお願いします。


●リリース情報

the youth 言葉にできない

2003.3.5 OUT TOCT-4462 1,000yen(tax in)

●Live info.
「青春 No Regret」 ツアー
3/10(mon) 仙台バードランド
3/11(tue) 仙台JUNK BOX
3/14(fri) 弘前Mag-Net
3/16(sun) 秋田LIVE SPOT2000
3/19(wed) 名古屋ell.FITS ALL
3/21(fri) 心斎橋アトランティクス
3/23(sun) SHIBUYA-AX
3/24(mon) 広島Cave-Be
3/26(wed) 福岡ビブレホール
4/3(thu) 新宿LOFT