●メンバー
山本聖(Vo.G.)
藤本明(Dr.)
森本直樹(ライヴサポート B.)


前作「SWEETLY」も記憶に新しいザ・プレイメイツによる4thアルバム「LISTEN!」が 早くもリリースされた。前作のサウンド・メロディにプラスして、Vo.G山本聖が語る 「とびっきりポップなロックンロールをシンプルに演奏したい」という言葉の通 り、 シンプルながらも、楽曲の良さが全面に感じられる作品に仕上がった。3月21日に シェルターで行なわれる「LISTEN!」発売記念ライブを前に、新作について、そして ザ・プレイメイツ誕生秘話(?)など、全作詞・作曲を担当するVo.G.の山本聖に話 を聞いた。リリース記念企画・“LISTEN!を聴くための3曲”も実施! (interview:ワダフジコ)



自転車<ギター
──まずプレイメイツというバンドについて伺っていきたいと思うのですが、結成されたのはずいぶん前ですよね?
山本聖(Vo.G) はい。1993年です。
──もう10年。
山本 10年前です。
──東京でライブをやるようになったのはいつ頃からだったんですか?
山本 95年ですね。
──何かきっかけっていうのは? 山本 きっかけは、94年くらいにsnuffy smileっていう東京のレーベルがありまして、そこのコンピ レーションに入って。それが初音源だったんですけど、その関係やったかな?SAMANTHA'S FAVOURITEの尾崎さんとかと知り合いになって。で、尾崎さんのイベントに呼ばれたのが最初だっ た気がします。
──それでプレイメイツとしての1stアルバム「SHORT WAVE」をリリースしたのは96年?
山本 96年だったと思う。
──97年に2ndアルバム「SAD REFRAIN」が出て、02年に3rdアルバム「SWEETLY」が出たばか り。それで、今回のアルバムということで、リリースのスピードが上がってきたようなんですが、その 辺になにか変化はあったんですか?
山本 これはね、古閑社長が早くもう一枚出そうと言ったんで。命令だったんで。これは続けて出さ なきゃって(笑)。
──曲を作っていく上で「早くって言われても……」とは思わなかったですか?
山本 いや、僕は、多分言われないと何もしないんじゃないかと思うんですよね。
【杉山(K.O.G.A社員)、古閑社長に電話でその旨を伝えるふりをする】
──いいこときいたぞ、みたいな(笑)。そうなんですね。じゃ、やってと言われたら…
山本 あの、乗せられやすいんですね、きっと(笑)。
──一時期活動を休止されていましたが、気持ちの切り替えみたいなのがあったりしたのでしょう か?
山本 いや、ただまぁ段々ちょっとつまらなくなってきたんで。
──音楽から離れていることが?
山本 離れては……でもなかったんですけどね。バンドをやっているのがちょっと。でもその間もプ ロデュース(Grasses64/バニーズ/マフマフラー等々)とかしてましたし。何にもしてなかったわ けではないんですけどもね。
──山本さんが音楽をやり始めたのはいつ頃なんですか?
山本 最初はバンドではなかったんですけど、中学一年生の時にエレキギターを購入いたしまして。 僕、自転車がなかったんで質屋さんに自転車買いに行ったんですよ。親にお金をもらって質屋に 行ったら、レスポールのコピーモデルが置いてあって、そっち買っちゃったんです。
──自転車買いに行ったのに、買ったらギターだった(笑)。
山本 そうですね。 杉山 じゃ、その時質屋にレスポールがなかったら、もしかしたらプレイメイツは生まれてなかった、 かもしれない。
山本 かもしれないですよ。ギターなんて置いてなければ。
杉山 質屋に感謝ですよ、K.O.G.A Recordsは!!(笑)。
──じゃ、そこで手にして。
山本 で、僕がそうやって買うと中学の仲間達も買ったりするわけですよ。で、その何人かで僕の 部屋とかに集まってギャーンギャーンとか(鳴らして)。次はストーンズやるぞみたいな。
──練習会みたいですね。じゃ高校くらいに行くともっと活発に。
山本 そうですね。高校入ってすぐ、僕らの高校って4月に入学して6月に文化祭があったんです けど、もう6月に出ましたからね。新入生なのに新入生集めて。(校内の)オーディションとか通 っち ゃって(笑)。
──すごいですね(笑)。楽曲を作ろうという風になったのは?
山本 自分で歌をですか?中学くらいの時からね、なんとなくいろんなコードとかを組み合わせて 曲っぽいものを作ることは好きやったんですよ。うちにカラオケの機械がありまして、そのカラオケ に録音できるテープが二つあって。ダビング中にマイクで歌を入れると録音側に歌と伴奏が両方 一つにダビング出来る。それを利用してうまくギターの音をまず入れて、で、ギターをもう一回重ねて、そこにギターの音が二本入ってっていうのを延々繰り返して多重録音を一人でずっとやってた んですよ。今でいうMTRみたいな。
──もともとそういう作業っていうのが…
山本 好きだったんでしょうね、そういうの。
──プレイメイツの曲は、メロディがキレイで、すごく自然に耳に入ってくるんですよ。だからそうい うのが積み重なっているのかな?と。
山本 そうなんですかね。あんまり奇はてらわないようにはしてますけどね。
──英詞じゃないですか。海外でライブをやられたことはないんですか?
山本 ないです。
──やりたいとは?
山本 いや(笑)、でもそろそろ自信も。去年ね、12月にNYでパワーポップのフェスティバルみた いなのがありまして、依頼が来たらしいんですけど、ちょっと仕事の関係で行けなくて。でも次同じ ようなことがあればぜひ参加してみたいですね。
──海外とかでやっても全然いいのにと。
山本 なんかファーストアルバムとかは海外でもリリースされているみたいです。スペインとアメリ カで。

いつまでも難しすぎない音楽をやりたい
──2/22に出たアルバム「LISTEN!!」の話を伺いたいんですが、これはいつ頃からレコーディング をされたんですか?
山本 去年、8月の4日間を使ってやりました。前のアルバムからちょうど一年後ですね。
──リリースも去年の2月でしたもんね。
山本 ちょうど一年間隔でやってますね。
──では最近作った曲を中心に入れていった感じ。
山本 そうですね。前のアルバム以降作った歌ばっかり。
──前作と比べて作り手としての感覚は変わったりしてますか?
山本 いや、基本的には前作路線という感じだと思うんですけど、もうちょっと、なんて言うんです かね、“自分で何をやりたいか”、“どんな音楽を作りたいか”っていうのが多少明確になってきたよ うな気がしますね。
──それはどういう風に?
山本 もうね、最初っからね、プレイメイツのコンセプト──コンセプトっていうほど大げさなものじ ゃないんですけど、もうとにかく“とびっきりポップなロックンロールをシンプルに演奏したい”、そう いうのがありまして。それがようやく固まってきたかな。
──前作「SWEETLY」でスウィートなポップのイメージがあったんですけど、今回のアルバムを聴 いているとすごいロックじゃんって思っちゃいました。
山本 そうなんですよ。ロックンロールバンドっていう意識は元々あるんですけども、特に前作を聴 くとなんかだらだらして聴こえて、どうもこんなのロックじゃねえとか思ってしまいまして。
──けして男気って感じではないんですけど(笑)、熱い感じが。
山本 そうですね、やっぱり僕らはロックンロールをやりたくてプレイメイツを始めたんじゃないかっ ていうことを再確認いたしまして。
──メンバーの変動があったんですよね?でも録音は 山本 前作と同じメンバーです。
──メンバーチェンジされたことで、バンドとして心境とか変わるものですか?
山本 えーっと、変わっていくと思いますね。やっぱりメンバーが一人でも変わっちゃうとまた最初 っから何もかもやり直しではあるんですよ。全ての面で。だから、新しくバンドを始めたぐらいの気 持ちにはなってしまいますね。
──それは気持ち的にはプラスにもなったりしますか?
山本 ……そうですね、それはいいことのような気がしますね。いつまでもなんか難しすぎない音 楽をやりたいですからね。シンプルな美しさみたいなのをいつも狙って。
──ステキですね。そんな「LISTEN!!」の聴きどころは?
山本 そうですね。聴きかたとしてはね、あんまりゴージャスなオーディオを使うのはあんまりよくな いんじゃないかと。あんまりね、音がねハイファイ的にはよくないんですよ。モノラルのミックスでし て。小っちゃいスピーカーとか、小っちゃいラジカセなんかをヴォリュームをフルに上げて聴いたり なんかすると最高にいい音がするんですけど。なんかゴージャスなコンポでヴォリューム小っちゃ めとかにして聴くとなんとも……悲惨な音色なんで(苦笑)。あと、ラジオ局にリクエストなんかも。 AMラジオ番組とか、FENなんていいですね。
──1年おきにアルバムも出て、今後はどのようになりそうですか?
山本 そうですね、出来ればやっぱりリリース間隔をあけたくはないですね。ただ、今回またメンバ ーがまた変わっちゃったんで、前と同じようにすぐというわけにはいかないかもしれないすけど、出 来るだけドンドンやって行きたいですね。
──ライブも。
山本 そうですね、ライブを今いっぱいやりたいんですよ。メンバー変わったばっかりですし、ちょっ と鍛えたいっていうのはあります。ライブいっぱいやりたいですね。
──3/21にLISTEN!発売記念がシェルターであるんですが、その意気込みなんかも。
山本 そうですね、僕らは普段どおりのことをやるだけなんですけど、共演者は素晴らしいバンド がいっぱい出ますので、それが僕としては楽しみだったりもしてます。
──そうなんですね。ありがとうございました。ライブを楽しみにしてます。


●LISTEN!を聴くための3曲
ザ・プレイメイツのアルバム「LISTEN!」を楽しむために──山本聖さん選曲・解説による「LISTEN! を聴くための3曲」を一挙公開!!

Everybody Loves A Clown Gary Lewis & The Playboys 1965年のヒット曲。アメリカにジェリー・ルイスという喜劇俳優がいまして、その息子なんですよ。 親の七光りでデビューしたんですけど、これが裏方に恵まれてガンガンヒット曲を連発したという。 自分達で全然演奏をしていない、モンキーズの原型のような。モンキーズみたいなハッピーなビー トポップス。曲もサウンドも完璧ですから。曲は、レオン・ラッセルっていますよね?あの人がずっと アレンジャーやったんですけど、彼(ジェリー・ルイス)と共作して作ってて。多分ジェリー・ルイスは こんなキーで作ってとか、言ってただけなんでしょうけどね(笑)。これを選んだ理由は曲の完成度。 僕は作曲者なので、こんな曲を目指してます。
You Didn't Have To Be so Nice Lovin' Spoonful これもアメリカの60年代中期のバンドなんですけども。これはね、一応フォークロックに入るような んですけど、これもシリアスなバンドではありませんで、なんか洗濯板とかをじゃかじゃかやってし まうような楽しさみたいなのを全面に押し出したようなバンド。バンド名はスプーンいっぱいの愛っ て意味で。バンド名はミシシッピー・ジョン・ハートというブルースマンの曲からつけたと思います。 これを選んだ理由は、バンドサウンドとしてはいずれはこんなサウンドにしてみたいですね。
You've Really Got A Hold On Me Smokey Robinson & The Miracles 本名はウィリアム・ロビンソンっていうんですけど、声が「お前スモーキーだな」っていうそういう形 容をニックネームにしたみたいですね。このスモーキー・ロビンソンは僕が一番大好きなヴォーカリ ストでもちろん最終的に目指しているところでもあります。スモーキーな声です。ソングライティング もすごいんですけどね。ちなみにこの曲はビートルズのカヴァーしてます。

●リリース

THE PLAYMATES
「LISTEN!」
K.O.G.A Records (12inch)
KOGA-156/(CD)KOGA-157
2,100yen(tax in)
OUT NOW


●ライブ
THE PLAYMATES「LISTEN!」発売記念
2003年2月21日(祝・金) 
下北沢シェルター
OPEN 18:30/START 19:00
PRICE:ADVANCE 1,800yen/DOOR 2,100yen(DRINK別)

3月8日(土) 札幌カウンターアクション
3月15日(土) 京都大学吉田寮
3月22日(土) 名古屋サンセットストリップ
3月23日(日) 大阪ファンダンゴ
3月29日(土) 新潟ウッディ