ターザン山本


■Profile
1946年、山口県生まれ。立命館大学を中退後、『週刊ファイト』でプロレス記者デビュー。やがて『週刊プロレス』の編集長に。その後、会社を退社して落武者業に勤しむ。単行本・雑誌活動も活発に行う現在、ライター養成講座・一揆塾、監修/全執筆のウエブマガジン「ターザン山本のマイナーパワー」など多岐に依然精力絶倫。
http://www.nifty.ne.jp/minorpower/

“イベントとは精神のテロ行為である!”
 俺はプロレスが地獄のように好きだ。そして誰よりもプロレスのことを考えている自負がある。だからプロレスのことを他人に伝えるのは正直かったるい。プロレスは女、子供には分からない。その辺を説明するのも面倒くさい。だからターザン山本氏のインタビューも極力、プロレス関連の話し以外の部分を抜粋した。とりあえずターザン山本氏もやれ“文章が下手だ”とか賛否両論ありつつも、トークライヴは死ぬ程面白い。とにかく何が起こるか分からない、まるで全盛期の新日本プロレスばりの興奮だけはあります。
(畠山 源一郎)

アメリカは国家として未熟な国だ!
山本氏は語る「今回の同時テロ事件に関して個人的にどう思うか?と聞かれたら、アメリカは国家として非常に未熟な国だ、ということをまず思う。たかだか300年位の歴史しかないのに少し攻撃されたからといってやれ仕返ししないといけないとか大騒ぎしてる。世界中のほとんどの国家は長い歴史の中で敵国から攻められて、占領された経験があるのにも関わらず、たがだか今回の1回だけであわてふためいている。大国のエゴイズム、精神の帝国主義だね、あれは。グローバルスタンダードというものがまずしゃらくさい。」
 俺も賛同する。アメリカ、グローバルスタンダード、民主主義〜非常に薄っぺらく、そして胡散くさい3大言語である。この2001年というご時世で最も凡人を凡人たらしめる3大言語である。今回の同時テロ事件の直後のNYタイムズ紙は、創刊以来初めて従来の緑枠の表紙をやめて、黒枠の表紙を採用したという。ベトナム戦争の時でもそんなことやってないのに。大げさなんだよ。スノヒズムまるだしではないか。
権力と激突しない表現は表現とは呼ばない
「俺は週刊プロレス(山本氏が編集長時代、毎週50万部を発行したモンスター雑誌)時代もそうだったけど、たった一人でも目覚めさせれば、それが1億人に届くと思っている。全部に届くと思わず、たった一人にだけ、強く、深く、激しく、届かせようにする。真理はガリレオじゃないけど、一人が真理に気付けば万人がそのうち認める。真理を追究すれば、必ず時の権力と激突せざるを得ない。だから表現というものも必ず権力と激突する。裏を返せば、権力と激突しない表現には真理はない。今の日本のマスコミや表現者なんて全然権力と激突しない。真理も真実もない表現だらけだ。安全パイだらけだ。絶対に新しい真理をもった表現は時の権力者を刺激する。」
 俺のような凡人でもふと夢見ることがある。
それは権力をぶちのめす夢だ。理由は簡単。胸糞悪いからだ。しかし凡人であるが故にノウハウがない、真理がない。倒すなら徹底的にぶちのめす戦略を打ち立てなければならない。相手は狡猾極まりない。新しい真理をもつ表現を俺も手にしたい。
来る!
10/9@ロフトプラスワンのイベントに関して
〜イベントは精神のテロ行為〜
「イベントというものは精神のテロ行為だ。観客のぼやけた自我を破壊するのが俺の喜びだ。ライヴというものはデンジャラスな言葉を共有する空間である。だから前回のプラスワンでのイベントの時に“この危険な話をインターネットで流したら殺す”と言った。今、俺は若い人と接触するのが好きだ。俺も刺激されるし、何よりも“出会い”が起点となって何かが生まれる。だから観に来てくれた人だけに満足されるイベントになる。いきあたりばったりでしか考えていないが、新日本プロレス10/8東京ドームの翌日だし、ある程度そこを踏まえての内容になる気がする。」
 いずれにしても毎度お馴染みの壮絶かつ痛快な1夜になることは俺も保証する。女房を質に入れてでもプラスワンに集結せよ。