deadweight




サンフランシスコから上陸したバイオリン、チェロ、ドラムのバンドdeadweight。その楽器から繰り出される音はギターともバイオリンともベースともつかない耳にしたことのないような音、そして炸裂する強力なビート。ぱっと見、飛び道具使いじゃねーと思われよう。しかし実際にライブを体験すればわかる。非常に地に足がつき、音楽への愛がたゆまないことを感じるハズ。ジャンルがどーのと色々せちがらいことから、大事なところがつい見えにくくなる。本来の音楽の楽しさを正直に思い出させてくれる、そんなバンドだ。そんな彼らに日本初来日を記念してのインタビューを行った。

(斉藤友里子)


一一初来日おめでとうございます。本日で来日日程が終了しますが、いかがでしたか?
ベン 今日少しはじめてゆっくり東京観光したってくらい、タイトにライブやってたね。やっぱり印象的だったのはフジロックフェス。苗場はもんのすごくきれいだった。あとは渋谷、赤坂、六本木の東京バー巡り(笑)。
一一日本でのお客さんの反応は?
サム シスコでもそうだったんだけど、僕のバイオリン、チェロ、そしてドラムというスタイルを初めてみる人は一瞬ショックて面食らうようなんだけど、曲が始まるにしたがってノッてくれる。「わお! なんの問題もないサ」ってネ。そういう反応は日本もシスコもそんなに変わりなくて、そのへんがうれしかったし、手応えを感じたよ。
一一私も実際初めてみたときビックリしました。どのようにこのバンドdeadweightは生まれたんですか?
サム 僕とベンがサンフランシスコの同じ大学に通っていて、そこでベンと出会って、「じゃさ、まずスタジオ入ろうよ」ってことになった。もうそしたら僕の音楽人生の中で一番ビックリな出会いで「エキサイティングな出会いだ!」って感動しちゃったんだよね(照笑)。それからはもう意気投合。
ベン それで95年の初めてのギグの6週間前にパウロに出会って「こりゃまた気の合う奴だよ!」って感じでパウロをバンドに加えて今のメンバーが揃った。
パウロ 出会った3人の中でメインストリームとはまた違った実験的な音楽をやろうという意識がこのバンドのスタイルを生んだきっかけ。またシスコの土地柄も大きな要因だよ。実験的な試み、ジャンルとか気にせずに音楽を聞く人が多いから、僕らはその受け皿に乗れたからここにいるという。
ちょっとサンフランシスコのことを話すとシスコは小さな街に関わらずたくさんの腕のいいミュージシャンがひしめきあっているんだ。セッションしたいと思えばいつでも素晴らしいミュージシャンとできる。そういう街だよ。
ベン だからこそ、その中で聴いてくれるお客さんを争奪する。
サム それが面白いんだけどね。
一一皆さんdeadweightの活動以前に10年以上のキャリアを持たれ、ざまざまなミュージシャンとセッションしてきたと伺いました。それではいままで聞いてきた音楽で影響を受けた音楽を挙げるとすれば?
サム ジャズ、クラッシック、ロック、P・ファンク、ジャンルを挙げても、バンド名、作曲者・奏者を挙げてもきりがないよ。色濃く影響……というか触発されたのはハード・ジャズ、ハード・ロック。
ベン ジョージ・クリントン、ベートーベン、デビットボーイ、メタリカ、ミスター・バングル、ストラト・ヴァリウス……etc(本当は30くらい挙げてくれましたが書ききれませんでした)。今日はこの30が挙がるけど明日は違う30が挙がるかもしれない。その日のその時の気分によって違うものを答えちゃうと思う。
一一昨日なに食べてどんな名前の野菜や肉を食べましたか?という質問を聞いてしまった。そんな感じでしょうか。
全員 その通り。
一一食事をとるように音楽がある。皆さんにとって音楽はそういう存在で、生きる糧と同義ですよね。
では考えたくもない状況だと思いますが、もし音楽がなくなってしまったらどう生きていきますか? 例えば事故などで演奏ができない状態になってしまう。
ベン うわ。絶対考えられない。考えたくもない。
サム う〜ん、どうしよう。廃人になってしまうだろうね。そうなってしまったらビーチに座り込んで何も考えずにしばらく座り込んでるかなぁ。
パウロ もし足がなくなってしまったとしたら体のどこかでバスドラのペダルを打つし、もし腕がなくなってしまったら頭とか口とかでスティックを持つ。僕はどうなったとしてもプレイをすることを絶対諦めない。
ベン 食べるものというより体の一部、僕の一部。絶対に欠かしてしまうことのできない存在。しみついているんだ。色々な音楽が。その音楽たちを自分のグルーヴで、具現化する。そういったふうに僕はライブやレコーディング、セッションに臨んでいる。
またdeadweightはそうやって具現化されたグルーヴをぶつけて、そしてあわせてまた新たな大きなグルーヴを創っていく。そんなバンドだよ。
……あ、かっこつけすぎちゃったかな(照笑)。


deadweight are
ベン・バーンズ(バイオリン、ボーカル)
サム・ベース(チェロ)
パウロ・バルディ(ドラムス、パーカッション、ボーカル)