【2016/05/31】フジファブリック LIVE AT SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY 2016.5.31@新宿LOFT

 節目、節目を迎える、そのアニバサリーイヤーイベントの毎に、まるで立ち戻ってくるかのように、この新宿ロフトのステージに立ってきた、フジファブリック。新宿ロフト40周年の記念イヤーの今年も、約4年ぶりに、この新宿ロフトのステージに立ってくれた。 現在、『LIVE TOUR 2016 "三日月ADVENTURE"』の真っ只中の彼ら。そんな中、この古巣・新宿ロフトでは、それらとは多少趣きの違った、この日ならではのセットリストにてライヴが繰り広げられた。
(photo:Mami Naito / Live text:池田スカオ和宏(LUCK'A Inc.))





フジファブリックをこの場所で観るのは、ファンにとってもやはり特別感があるのだろう。この日のチケットは、かなりの高倍率を記録したという。当然会場は立錐の余地もないほどの超満員。”今日はどんな曲が飛び出すのだろう…”との、特別な期待と快事さを持った雰囲気が、お客さん同士の会話や場内の空気から伝わってくる。

この日の彼らはナント、昔、新宿ロフトによく出演していた頃に起用していた、往年のSEに乗って登場。SEが流れ出した途端、きっとあの頃、この会場で彼らを観たことがある方々からであろう。フロアのあちらこちらから驚きと喜びの嬉声があがる。 ボーカル&ギターの山内総一郎が右腕を真上に高く伸ばし、ライヴ開始の合図が告げられ、力強い金澤ダイスケの鍵盤のイントロによりライヴはスタートした。1曲目は「花屋の娘」。それこそ新宿ロフト時代に数多く演っており、過去にロフトのレーベルよりリリースされたインディーズ時代のミニアルバム『アラモード』の1曲目を飾っていたナンバーだ。のっけからの懐かしいナンバーの登場に会場も驚喜。ライヴが勢いよく転がり出していく。 「どうも、こんばんは。ロフト出身バンドのフジファブリックです。帰ってきたゼ~!!」とは、山内の第一声。「今日はそれこそ色々な曲をやっていきますから」(山内)との嬉しい一言が、会場に集まった一人ひとりに、これから放たれる数々の楽曲に想いを馳せさせる。

彼らの数多いナンバーの中でも、この上ない解放感と爽快感、デパーチャー感が特徴的な最新曲「ポラリス」が飛び出した際は、場所は地下ながら、ここではないパーッと景色広がるどこかへと連れ出してくれたのも印象深い。 『ロフト40周年おめでとうございます。この場所にて初期の頃は、それこそ月に2~3回づつライヴを演ってました。今日は特別にこの頃の曲を演ります」との山内のMCを挟み、この日はインディーズ時代にリリースされた2枚のミニアルバムの中から連続で数曲が放たれた。良い意味で初期の彼らが多くの楽曲で擁していた、楽曲に帯びた湿りけや魑魅魍魎さ、変態性が炸裂し、アウトロでのインプロビゼーション性が会場をグルングルン巻き込み、インタープレイがグイグイと会場が楽曲の”凄さ”へと惹き込んでいった「追ってけ 追ってけ」、グルーヴィーなオルガンとファットな加藤慎一のベース、山中のワウの効いたギターが生み出すグルーヴが会場を魅了していった「線香花火」、各人のソロ回しもフロアを沸かせた「ダンス2000」が良い意味で、あの頃のあの雰囲気を場内に呼び起こさせ、しばしあの頃のあの時へと、みなを引き戻してくれた。

ステージからの問いかけにより、初期からフジファブリックのステージを、ここで観てきた方も多く来られていたことが判明した、この日。この場所でよく演っていた頃は、金澤と加藤の立ち位置が逆で、それはハイハットの位置がベース寄りの方が良いとの理由だったと加藤が言及。その理由を13年ぶりに金澤知らされる一幕も。また、奇しくもサポートドラムのBOBOも、このロフトのステージに月1で立っていたこと。山内がフジファブリックのメンバーとなり、最初に立ったステージがこのロフトであったことが告げられ、そのエピソードの一つひとつに会場中が感歎の声をあげる。

その後、しっとりと聴かせ、浸らせる曲ゾーンを経て、後半は盛り上がりナンバーのオンパレード。飛び出す曲、飛び出す曲が会場の熱量を上げ、盛り上がりの火に油を注いでいく。

アンコールでのプレイ前。「ロフトがなかったら、フジファブリックもなかった。このロフトのようにバンドを続けるよ。またここに戻ってきます!!」(山内)と会場の集まった多くのファンに力強く誓った彼ら。アンコールの3曲では、<この場所でのこの上ない想い出を作らん>とばかりに、みんなが待ってましたのナンバーをプレイし、「ロフトが末永く続いて欲しいし、自分たちもこれからどんどん進んでいく。また、この場所でお会いしましょう!!」(山内)、そんな力強い言葉を残し、久々にこの大好きなステージで過去、現在を見せることの出来た喜びと達成感を残し、彼らはステージを降りた。

【セットリスト】
1.花屋の娘
2.スワン
MC
3ポラリス
4.シャリー
MC
5.追ってけ追ってけ
6.線香花火
7.ダンス2000
MC
8.花
9.ブルー
10.LIFE
MC
11.夜明けのBEAT
12.WIRED
13.夢みるルーザー
14.Splash!!
15.バタアシParty Night
16.Sufer king
17.STAR
EN1.銀河
EN2.Green Bird
EN3.虹


レポート一覧ページへ戻る





Copyright 2007 SHINJUKU LOFT All Rights Reserved.